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(画像=Jon Bilous/Shutterstock.com)

不動産の価値が上がる前提として、その国の経済が発展していることが挙げられます。それにより、不動産ニーズが高まり相場を押し上げられるのが一般的です。その意味では、ASEAN(東南アジア諸国連合)は理想的なマーケット。今回は中でも不動産市場が好調といわれる二国の状況を解説します。

ASEAN諸国のGDP平均成長率は日本の数倍ペース

はじめに、ASEAN諸国が今後どれくらいのペースで成長していくかをチェックしてみましょう。主な国のGDP平均成長率を35年スパンで見ていくと、以下のように概ね1年当たり3〜5%台で増えていくと予測されます。

[1年当たりの実質GDP平均成長率予測(2015年-2050年の間)]

  • ベトナム5.3%(1人当たり平均5.0%)
  • フィリピン4.5%(1人当たり平均3.2%)
  • インドネシア4.3%(1人当たり平均3.7%)
  • マレーシア4.1%(1人当たり平均3.2%)
  • タイ3.5%(1人当たり平均3.7%)
    引用:PwC調査レポート「2050年の世界」

ちなみに、同じく35年スパンで見たときの日本のGDP平均成長率は1.8%。ASEAN諸国の半分〜3分の1程度しかありません。ASEAN諸国はどの国も経済成長率で優位ですが、ここではその中でも、不動産市場が好調といわれるタイとフィリピンのマーケットにフォーカスします。

タイ:「バンコクのコンドミニアム専用」国内ローンも登場

ASEAN諸国の中で不動産の価値が上昇している国の代表は、タイでしょう。特にバンコクにはここ最近、マンションブームが到来。例えば、中心部に建設の高層マンション「ハイド・ヘリテイジ・トンロー」は44階建て、平均分譲価格は6,700万円。バンコク都心部ではこういった富裕層向け物件が乱立しています。

購入者ターゲットとしては、現地居住の富裕層の他、中国、香港、日本などの投資家・駐在員も見込まれています。このような流れの中、大垣共立銀行では2019年4月より、バンコク周辺の新築・中古コンドミニアム専用ローン(OKBタイコンドミニアムローン)をリリースしています(無担保で1億円以内)。このローンには個人の別荘取得などの目的も含まれます。こういった融資環境が整っているのもバンコクの魅力です。

フィリピン:中国の富裕層・労働者が不動産相場を押し上げる

ASEAN諸国の中でGDP平均成長率上位のフィリピンも、不動産投資先として国内外の富裕層から注目を集めます。投資先としては、都市部のマニラ(マカティ市など)とリゾート地のセブ島などが対象です。

フィリピンの不動産市場には、プラス面とマイナス面があります。プラス面でみると、マニラ市内では中国からの出稼ぎ労働者が急増。2018年に労働ビザなどを取得した中国人労働者は前年の3倍の約24万人に達しています。こういった急激な人口流入がマニラ市内の不動産相場を押し上げているといわれます。

マイナス面では、2013年から2015年頃のフィリピンではコンドミニアムが供給過剰に陥り、在庫が積み上がったこともありました。このプラス面とマイナス面の狭間で、今後の市況をどう判断するか意見がわかれます。

品質が不安なら日系企業参加の物件を買うのも手

今回は2国にフォーカスしましたが、ベトナムやインドネシアなども投資先としては魅力があります。ASEAN諸国への不動産投資では、粗悪な物件品質や工事の大幅遅れなどのリスクがあるといわれます。この点でご不安であれば、日本の大企業が手がけた分譲マンションを購入するのも一案です。

[東南アジアのマンション市場で活躍する日系企業]

  • タイ 三井不動産、三菱地所、野村不動産 他
  • フィリピン 野村不動産、三菱商事 他
  • マレーシア 三菱地所、三井不動産 他
  • ベトナム 大和ハウス工業、東急電鉄 他

施工不良や工事遅延が発生しないわけではありませんが、日系の大手企業の物件であれば、世界でもトップレベルの施工力や管理力という評価も多いため、リスクは限定的と考えられます。

注意点としては、新興国の経済はグローバルの経済危機に敏感なこと。外国人投資家が一気に引いたときの影響は多大です。このリスクを踏まえた上で、慎重に投資判断をすべきでしょう。

文・J PRIME編集部

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