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(画像=MK photograp55/Shutterstock.com)

テックビジネスは、さまざまな分野に影響を及ぼしています。保険業界では、保険(Insurance)とテクノロジー(Technology)を合わせて「インシュアテック」と呼ばれ、保険の流通や顧客獲得に向けた活動、新商品の開発、バックオフィス業務の代替、データ分析など、あらゆる業務にIT技術が浸透していることをご存知でしょうか。

大手生保・損保各社も乗り出すインシュアテックの中でも注目したいのが、LINE Financial株式会社と損害保険ジャパン日本興亜株式会社の業務提携による新サービスです。今回は、近年の保険のトレンドと併せて、両社の業務提携によって変わると予想される保険の流れについて考察します。

LINE Financialと損害保険ジャパン日本興亜が業務提携

前述の通り、上記2社が2018年4月に業務提携を締結しました。これは、スマホ特化型保険サービスを展開するためです。これにより、2018年10月から新サービスが提供されるようになりました。それが「LINEほけん」です。

LINEほけんでは、トークアプリLINE上から簡単に保険に加入することができます。これまでは、保険の契約にはさまざまな手続きが必要でした。まず保険会社に問い合わせ、保険会社の窓口などで申し込み、保険料金を支払うための手続きを行い、数日後、あるいは数週間後に保険証券が送られてくるというのが一般的な流れでした。

LINEほけんは、最短60秒で加入に必要なすべての事項を入力することができ、さらにその時に必要な保険が1日単位からでも加入できます。ほかの保険会社にはない、イベントに合わせた保険があるのも特徴です。野外フェス、夏祭り、お花見やボランティアなどの際に加入する保険もあります。

新しい時代の保険を感じさせてくれるのがLINEほけんです。まだ見たことがないという人は、ぜひスマホアプリのLINEを立ち上げて、「ウォレット」から確認してみてください。

広がるインシュアテック

上記2社のほかにも、インシュアテックに乗り出す保険会社がいくつかあります。ここからは、最近のインシュアテック事情をお伝えします。

住友生命保険相互会社の健康増進型保険

住友生命保険相互会社が2018年7月に発売した健康増進型保険「Vitality(バイタリティ)」は、保険加入者の健康関連活動に応じて保険料が決まる新しい保険です。加入者の活動量計やスマホから送信されるデータをもとに、保険料を設定します。

この商品は、アフリカの金融サービス会社であるディスカバリーと、ソフトバンク株式会社の3社が協力して生まれたものです。活動データの管理はディスカバリーが行います。Vitalityを通じて、より健康的な生活習慣が身につけられるようプログラムされています。

加入者は保険に加入することで健康を気づかい、保険会社は病気による支払いリスクを低減できるのです。双方にとってプラスに働く保険と言えるでしょう。

ソニー損害保険株式会社の「やさしい運転キャッシュバック型」

2015年2月からソニー損害保険株式会社が販売している「やさしい運転キャッシュバック型」という自動車保険では、同社オリジナルの小型ドライブカウンタを自動車に取り付けることで、運転状況を把握し、その結果を保険料に反映させることができます。

加速・減速が緩やかでやさしい運転であれば、保険料が安くなる仕組みです。年齢が若くて保険料がどうしても割高になってしまう人や、すでに最大等級でこれ以上等級割引を受けられない人でも、この保険ならキャッシュバックを受けられます。

ドライブカウンタは無料で提供され、配線などを行う必要がなく車に取り付けられるという手軽さです。申し込みはウェブからのみで、キャッシュバックが行われた後は、ソニー損害保険株式会社から運転計測結果レポートが送られてきます。

近年の保険のトレンド

生命保険を資産運用の一つとして活用している人も多いことでしょう。預金金利の高かった時代には、貯蓄型の生命保険の利回りもよく、多くの人が貯金代わりに活用していました。ところが、金利の低い近年では、いわゆる掛け捨て型の保険商品が増えています。

さらに特徴として挙げられるのが、「生きること」を前提とした保険商品が多くなっている点です。がん保険では、近年のがん治療をかんがみて、入院給付金だけでなく通院給付金にも力を入れ、放射線治療・抗がん剤治療・ホルモン剤治療を行うと給付が受けられる特約や、高度な先進医療を受けられる特約などを展開する保険会社が増えています。

高齢者や既往症のある人でも加入できる保険が増えているのも特徴でしょう。特に医療保険についてはこの傾向が顕著で、これまで保険の加入をあきらめていた人にも門戸が開かれた形となっています。その影響もあってか、近年の個人保険の新規契約件数をみると、医療保険が全体の3割を占めています。

インシュアテックによって、加入時の手続きがより簡素化されたり、ビッグデータが活用されるようになったりすることで、医療保険の加入者はさらに増えていくかもしれません。

保険がより身近になった!

生命保険や損害保険に加入するのは手続きが面倒だと考えたり、難しくてよく分からないと思ったりする人も多いのではないでしょうか。インシュアテックが広がることによって、保険は面倒なものでも難しいものでもなくなり、もっと身近な存在になっていくことでしょう。

LINEほけんのように、イベントごとに加入できる保険などは、保険に関する知識を持たない人にも分かりやすく、保険料も手ごろというメリットがあります。これからも拡大するであろうインシュアテックに要注目です。

文・J PRIME編集部

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