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(画像=Khongtham/Shutterstock.com)

LINEが最近参入を発表したことでも知られる「信用スコア」。海外では中国のアリババ集団が利用者に信用スコアに応じた金融サービスの提供を開始するなど、盛り上がりを見せています。信用スコアの仕組みや海外や日本における動向を包括的に解説します。

信用スコアの仕組みとは?

「信用」や「評判」とは本来目に見えないものですが、信用スコアサービスではその目に見えない信用や評判を数値化し、可視化させています。信用の数値化には一般的に、年齢や学歴、職業、資産、借入金の返済状況、買い物記録、消費傾向などの情報が使われます。

例えば中国のアリババ集団傘下の金融会社アントフィナンシャルが始めた「芝麻(ゴマ)信用」では、こうした情報から各個人を350点から950点で点数付けします。そして算出された信用スコアは、クレジットカードや融資などの金融サービスのほか、ホテルや不動産、レンタカーサービスなどにおける信用調査に活用されています。

つまり、信用スコアの善し悪しで融資額が決まったり、不動産の契約ができるかどうかが決まったりする仕組みが既に構築されているわけです。高スコアの人に対してはデポジットを免除するという枠組みも既に存在しています。

こうした信用スコアはまず中国で普及し始め、現在は日本でも企業によるサービス展開が始まっています。

中国政府の情報管理施策と信用スコア

信用スコアについて考察するとき、中国政府の情報管理に関する施策を無視することはできます。

中国政府は2014年に「社会信用システム」という制度に取り組み始め、中国の国民や企業の信用を数値化するという動きをスタートさせています。こうした流れを受け、2015年には中国人民銀行が8社に対して個人信用スコアサービスの開業準備を認めており、芝麻信用もこうした経緯で信用スコア事業を開始するに至っています。

中国ではアリババ系のほかにも信用スコアサービスを展開している企業があります。例えば中国ネットサービスの騰訊控股(テンセント)は「騰訊信用(テンセントクレジット)」、ネット通販2位の京東集団(JDドットコム)は「小白信用」という名称で、それぞれ信用スコアサービスを展開しています。

日本における信用スコアサービスの現状

日本においても信用スコアサービスを展開している企業は既にあります。

ソフトバンクとみずほ銀行が50%ずつ出資した2016年11月に設立されたJ.Score(ジェイスコア)は、人工知能(AI)を使った信用スコア診断サービスを展開しており、スコアに応じてさまざまな特典(リワード)が受けることができるサービスもユーザー向けに提供しています。

フリーマーケットアプリ大手のメルカリも、信用スコアに類似する評価制度を自社のサービスの中で導入しました。具体的にはメルカリは2019年4月、スマホ決済サービス「メルペイ」で信用力に応じて上限金額が決まる「あと払い」サービスを開始しており、各ユーザーの信用力の算出には過去の利用実績などを使っているとのことです。

そのほか日本ではヤフーやNTTドコモ、LINEも信用スコア事業への取り組みを開始している。

政府も後押しする「情報銀行」構想にも注目

サービスを提供する民間企業における個人情報保護の徹底やセキュリティの強化などが今後一層拡充されていく中で、信用スコアサービスの市場はより拡大していくとみられています。各個人が情報を提供した見返りとして受けられる恩恵についても、今後さまざまな形態が登場していくことでしょう。

日本では現在、個人データを預かった代わりにユーザーにメリットを提供する「情報銀行」という仕組みの構築も官民の連携の下で進んでおり、既に実証実験も始まっています。いま個人データを取り巻く環境は、日々刻々と変わっていっているのです。

文・J PRIME編集部

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