ring
(画像=Brian A Jackson/Shutterstock.com)

投資対象としてのプラチナの魅力は、希少性にあります。プラチナは希少価値の高い貴金属の代表である金の30分の1しか過去の生産量がありません。しかも、主要生産国が南アフリカやロシアなど数少ない国に限られるため、流通量が急増する可能性は低いと考えられます。現在の相場の流れや投資のときの注意点を解説します。

低迷相場のプラチナ市場 そろそろ底値の意見も

プラチナは極めて高い希少価値があるにも関わらず、最近は相場が低迷しています。国際相場は5年間で約40%も値下がり。低迷が長期化するという意見とともに、そろそろ底値ではないかと値上がりを期待する投資家も出てきているようです。2019年3月5日付けの日経新聞では、後述するプラチナ関連ETFの残高が急増しており、これは「長期的な相場底入れのサインといえる」と報じています。

しかしなぜ、金よりも希少価値の高いプラチナの価値が急落するような事態が起こるのでしょうか。この部分を理解しておかないと、プラチナへの投資はリスクを伴います。

一般的によくいわれるのは、欧州を中心とするディーゼル車規制の影響です。プラチナは宝飾品の他にディーゼル車の排ガス触媒に利用されていますが、その需要は減少傾向。だから、価格が下がったという論理です。

しかし、この意見に疑問を呈する意見もあります。楽天証券のアナリストのレポートでは、プラチナ消費の内訳をみると「欧州の排ガス触媒向け利用 18.70 %」「中国の宝飾向け利用 21.29 %」で後者が上回っていること、さらに実際にはプラチナの欧州の排ガス触媒向け消費が減っていないこと(2015年-2017年のデータ)を理由に「必ずしもディーゼル車減少=プラチナ消費減少とは言えない」と提言しています。

いずれにせよ、プラチナ価格は「宝飾品」と「ディーゼル車の排ガス触媒」の2つの需要で変動するという点は抑えておきたいところです。

ディーゼル車が今すぐになくなるわけではない

参考までに、プラチナの需要背景をさらに深く知るために、グローバルなディーゼル自動車規制の動向も見てみましょう。全体的に数十年かけて、EV(電気自動車)などにシフトしていくのは間違いありません。一方で、それぞれの国でばらばらに目標設定がされています。

例えば、フランスは2040年までに「ガソリン車とディーゼル車の販売を禁止する方針」とかなり高いハードルを掲げています。また新エネルギー車を普及させることでディーゼル車を押さえ込もうという国も多いです。日本もそのひとつで2030年までに新車のEVおよびPHEV(プラグインハイブリッドカー)車の割合を20%-30%にする目標を設定しています。

いずれも、ほとんどの国が10年以上先の目標設定のため、ディーゼル車がすぐに世界中から姿を消すわけではありません。ただし、期間をかけて徐々にプラチナの需要が減退する可能性が高いことは覚えておきたいところです。これを考慮すると、底値の反動による高値狙いがリターンを狙いやすい投資でしょう。一方でどの時点を底値と判断するかは投資家によって変わってきます。

プラチナを実際にするときの方法は?

プラチナへ投資する方法としては、大きく「現物」と「ETF」があります。現物買いは、証券会社などを通して、プラチナを購入するものです。現物購入には、その都度購入する「スポット取引」と毎月コンスタントに一定額(一定量)を買い付ける「積立取引」があります。積立取引の方が長期で見た場合に、価格を平準化しやすいといわれます。

ETFとは、特定の指標(例:日経平均株価など)と連動する上場投資信託です。プラチナETFの場合、プラチナ相場と連動して値動きします。

いずれにせよ、プラチナ投資をする場合は、本稿で解説してきた内容を踏まえて慎重に判断すべきです。セオリーでいえば、貴金属への投資は、宝飾品のニーズで安定している金を中心にしつつ、プラチナは割安局面であくまでもポートフォリオの一部として活用するのが賢明です。

文・J PRIME編集部

>>会員登録して限定記事を読む

【関連記事】
超富裕層が絶対にしない5つの投資ミス
「プライベートバンク」の真の価値とは?
30代スタートもあり?早くはじめるほど有利な「生前贈与」という相続
富裕層入門!富裕層の定義とは?
世界のビリオネア5人が語る「成功」の定義