LINE
(画像=Peter Austin/Shutterstock.com)

LINEの金融分野への進出が本格化しようとしています。2014年12月に公開されたモバイル送金・決済の「LINE pay」を皮切りに、2018年には「LINEほけん」「LINEスマート投資」「LINE家計簿」をスタート。さらには、2019年中に「LINE証券」、2020年秋頃には「LINE銀行」のスタートアップが予定されています。後発のLINEが独自の経済圏を構築する上でのポイントをまとめました。

短期間で数多くの金融サービスを立ち上げられるワケ

LINEは、なぜこれだけ数多くの金融サービスを短期間で立ち上げられるのでしょうか。秘密は各分野で影響力のある企業との積極的な提携にあります。例えば、LINEほけんは損保ジャパン日本東亜と提携。LINE銀行では、みずほフィナンシャルグループなどと提携すると発表しています。また、最近ではLINE payと「メルペイ(メルカリ)」の戦略的業務提携も話題を集めました。

このように他社と協力しながら、総合的な金融サービス体系をスピーディーかつローコストで構築するのがLINEの戦略のようです。保険・証券・銀行などの分野では完全に後発。提携に次ぐ提携で突破口を開こうとしています。

2019年12月期はLINEのターニングポイント

巨大金融ネットワークを築こうとしているLINEにとって、2019年はターニングポイントになりそうです。それを如実に表すのが、2018年12月期-2020年12月期の売上高・営業利益です。まず売上高推移で見ると、2018年〜2020年は右肩上がりです。

[売上高] 
2018年12月期 約2072億円
2019年12月期 約2433億円(※)
2020年12月期 約2870億円(※)
参照: 2019年・2020年は楽天証券のコンセンサス予測

一方、営業利益では2019年12月に赤字転落すると予想されています。これはLINE payなどのユーザー獲得、加盟店開拓のためのコストがかさむことが一因です。ただし、赤字と見込まれているのは2019年の単年であり、2020年には黒字転換すると見られています。この予測通り、黒字転換できるかはLINEにとって大きな分かれ目になりそうです。

[営業利益]
2018年12月期 約161億円
2019年12月期 −約147億円(※)
2020年12月期 約80億円(※)
参照:2019年・2020年は楽天証券のコンセンサス予測

LINEのマイナス材料 体力勝負の長期戦になると不利

このターニングポイントにおいて、LINEにはプラス・マイナス両方の材料があると考えられます。マイナス材料としては、次の2つが挙げられます。

・競合よりも売上規模が小さい
各ネット金融サービスで競合になるYahoo!、NTTドコモ、KDDIなどのメガグループとの企業規模の差は鮮明です。例えば、楽天グループの売上高は1兆1,015億円(2018年期・連結)。売上高で約5倍もの開きがあります。体力勝負の長期戦になるほどLINEが劣勢に立たされることが予測されます。

・インパクトが打ち出せていない
現時点のLINEは各金融サービスにおいて競合他社が真似できない新規性を打ち出せていません。横並びになれば、体力勝負の長期戦になるのは必死。今後、LINEならではのサービスを打ち出せるかが鍵となりそうです。

LINEのプラス材料 利用者数が圧倒的に多い

LINEのプラス材料は、なんといっても圧倒的なユーザー数。国内に約7,800万人のスマホアプリユーザーを抱えます。また、コミュニケーション機能だけでなく、スマートフォンニュースサービスとしてもナンバーワンのポジションを獲得しています。

さらに、積極的に利用しているアクティブユーザーの割合を見ても、他のSNSを大きく上回ります(情報通信白書 平成30年版)。日常的に使われている身近な存在のため、新規サービスをローンチしたときに気軽に利用する方も多いと予想されます。これは競合が持っていない武器になるでしょう。

各SNSを積極的に利用している割合(※)
Facebook 13.7%
Twitter  16.5%
Instagram  10.8%
LINE  32.4%
※「自ら情報発信や発言を積極的に行っている」「他人の書き込みや発言等を閲覧することの方が多い」と回答した割合の総計

身近なSNSというLINEの武器を活かすなら、フレンドリーかつ使い勝手のよいサービス設計が鍵となりそうです。堅いイメージのある金融サービスをどこまで崩して再設計できるか。今後のLINEの展開に注目しましょう。

文・J PRIME編集部

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