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(画像=Bacho/Shutterstock.com)

遺産相続で裁判になるケースというのは年々増えており、そのため、生きているうちに資産相続について決めようと、遺言を残すケースが増えているようです。さらに、2019年の法改正で、自筆遺言証書における財産目録は、PCなので作成しても良いことになるなど、法改正も遺言作成の追い風になっていると言えるでしょう。

この法改正を受けて、資産内容や相続関係が複雑でなければ、自分で自筆証書遺言を書いてみようと言う人も多いかもしれません。しかし、自筆証書遺言は、誰も内容を証明してくれないため、蓋を開けたら、向こうになってしまうというケースも見られます。遺言を作成する際に注意するポイントを合わせて解説します。

自筆証書遺言は、意外とデメリットも多い?

自筆証書遺言は、特に遺言を残すのに費用がかかるわけではなく、また、自分が死ぬまで、秘密にできることもあり、一定の支持を得ています。しかし、デメリットも多いことには留意しなければいけません。

1つは、その正確性が担保できないことです。公正証書になっていないため、改ざんされてしまうリスクや、紛失や秘匿されるリスクもあります。また、遺言の書き方が間違えていると、遺言そのものが無効になってしまう可能性もあります。

もう1つは、遺言を残しただけでは効力がないということです。自筆証書遺言が効力を発揮するには、死後、その遺言を家庭裁判所に持っていき、検認されなければなりません。そういった手間がかかるのも、デメリットの1つでしょう。

自筆証書遺言が無効になるケースと注意点を紹介

自筆証書遺言で、たびたび問題になるのが、「遺言が無効になるケース」です。では、どういったケースの場合、遺言が無効になるかを、例を出して紹介しましょう。

日付がないケース

民法で、「自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。」と規定されています。署名と押印については忘れずにやると思いますが、日付の漏れには気づけないかもしれません。また、日付も、「4月吉日」や、「4月大安」など、日付が特定できない場合は無効になるので、正確な日付を書くようにしましょう。

自筆でないケース

上記の民法にある通り、自筆証書遺言は、自筆で書くことが必要になります。例えば、本人が文書作成能力を喪失しており、他人が手を添えてサポートしたケースでは、その遺言が無効になったという判例もあります。財産目録はPC等で作成してもよいですが、必ず遺言自体は自筆で書くことが必要なのです。

財産内容が不明確なケース

遺言で財産を指定する場合は、その財産を明確にする必要があります。たとえば車であれば車体番号やナンバー、不動産であれば、登記情報通りに記載する必要があるのです。つい、自分の目の届く範囲の情報を書いてしまう傾向がありますが、無効になるので、注意が必要です。

訂正したところに印が押されていないケース

署名、捺印もしたし、大丈夫、と思っても、意外と漏れているのが、遺言を訂正した箇所の、訂正印です。こちらも民法で、「自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。」と規定されています。訂正した場合は、特にその箇所に捺印があるか、注意して確認しましょう。

二人以上の共同で書かれたケース

例えば、夫婦などの場合、共同で財産を残そう、遺言を残そうと考えているかもしれません。しかし、こちらも民法で、「遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができない」と決まっています。二人以上で書いた遺言は、それだけで無効になります。たとえ面倒でも、一人一人が責任を持って遺言を残すことが必要なのです。

自筆証書遺言書を書く際は、慎重に慎重を重ねよう

自筆証書遺言は、手軽である一方、法的効力を持たせるには、慎重に間違いがないように書く必要があります。資産や相続関係が複雑であればあるほど、自筆証書遺言の難易度は高くなります。

もし、あなたが自筆証書遺言を検討している場合は、一度、弁護士など、専門家に相談した上で、自筆証書遺言にするかどうかを、検討したほうがいいかもしれません。

文・J PRIME編集部

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