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(画像=Longchalerm Rungruang/Shutterstock.com)

他の投資家とはまったく違う発想をすること。これが投資で大成功をおさめる原則ですが、それならば変わった投資商品を選ぶというのも一案でしょうか。世の中には、変わった投資があります。アンティークコインや腕時計、玩具カプセルが出てくるガチャガチャ投資……ここでは中でもとくに変わったニシキゴイへの投資を紹介します。

加熱するニシキゴイマーケット ついに2億円超も登場

ニシキゴイ投資とは、日本庭園の池などで飼われているあのニシキゴイを投資目的で買い付けるものです。もちろん、金融商品のようないつでも売買できる流動性がないため、オークションや口コミで買い手を見つけられてはじめて成立します。愛好者を中心に取引されるクローズな市場という意味では、スポーツカーと似ているといえます。

ニシキゴイの国内マーケットを賑わせているのは、主に中国人を中心とする海外の富裕層です。業界団体によれば、最近のニシキゴイ購入者の約8割が外国人。さらに、中国人が買い付けたニシキゴイが有名品評会で上位入賞するケースが目立っています。国内で行われたオークションでは、品評会で優勝したニシキゴイが2億300万円で落札されるなど、高評価のものは日本人が考えられない値付けで取引されています。

買い付けたニシキゴイが有名品評会で評価されればリターンが期待できる一方、病気になったり、思ったように育ってくれなかったりすれば期待したリターンが得られない極めてハイリスクなマーケットです。

ニシキゴイは日本では衰退産業 海外では成長産業

なぜ、海外の富裕層はわざわざ日本のニシキゴイを購入するのでしょうか。これはニシキゴイという存在が日本独自のものだからです。

華やかなニシキゴイを鑑賞・養殖する文化は江戸時代から続く歴史があります。現在の新潟県長岡市で養殖していた食用鯉が突然変異。現在のニシキゴイの元祖といえる品種が生まれたと言われます。これをもとに明治-昭和初期に品種改良が進み、白・赤・黒が混じった「大正三色」「昭和三色」などの代表的な品種が生まれました。

こうして受け継がれてきたニシキゴイですが、日本人対象のマーケットだけで見ると衰退産業の部類に入るでしょう。昭和50年代にニシキゴイブームがありましたが、オイルショック後にブームが下火に。日本人のライフスタイルが欧米化して日本庭園や池をつくらなくなったこと、マンションを選ぶ人が増えたことなどが市場縮小に追い打ちをかけました。一方、ニシキゴイの輸出は右肩上がりで増えています。2000年代前半10億円前後だった輸出額は、2015年-2017年段階で40億円に迫る規模まで拡大しています。

品評会用のニシキゴイはどのようにして生まれる?

ニシキゴイ投資の流れを理解するために、マーケットに出るまでの流れを見ていきます。初期段階では、稚魚の選別を繰り返し、将来的に高評価の見込みのある柄を絞り込んでいきます。さらに、絞り込んだものを「一般販売用」と品評会入賞が期待できるような「立て鯉」に区分け。立て鯉は、品評会や出荷に向けて引き続き大切に飼育されます。

海外の富裕層などはこの立て鯉の段階で買い付けを行うケースが多いようです。一方、中国では輸入が制限されているため、立て鯉を購入した後も生産者に飼育を委託し、品評会に望むオーナー制も利用されています。

今後のニシキゴイマーケットの行方 2つのシナリオ

将来的にニシキゴイのマーケットがどうなっていくかについては、いくつかのシナリオが考えられます。肯定的に見た場合、世界中でニシキゴイ愛好家が増え、日本文化がグローバルのカルチャーに育つ可能性があります。根拠としては、アジアだけでなく、ヨーロッパやアメリカにもすでに愛好家がいることが挙げられます。逆に否定的に見ると、一部の富裕層で加熱したニシキゴイバブルが弾けてしまうという見方です。

いずれにせよ、ニシキゴイを投資対象にするのは一般投資家にとっては難しい面もあります。ニシキゴイの世界は、投資ではなく観賞で堪能するのが賢明のようです。

文・J PRIME編集部

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