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(画像=ADragan/Shutterstock.com)

世界の富豪と呼ばれる人たちは、たびたび巨額の寄付を行います(参考:芸能人、IT長者…海外セレブはなぜ巨額の寄付をするのか?)。しかし、日本では寄付はあまり一般的ではなく、「日本では寄付文化が根付かない」ともいわれています。その理由には、日本独自の文化などが要因としてあるようです。なぜ日本では寄付が盛んに行われないのか、その原因を探ります。

世界と比較しての日本の寄付

初めに、寄付において日本と世界ではどのような違いがあるのか数字で見ていきましょう。

日本ファンドレイシング協会が発行している「寄付白書2017」によると、アメリカ、イギリス、日本、韓国の個人寄付総額はそれぞれ30兆6,664億円、1兆5,035億円、7,756億円、6,735億円となっています。このことから、欧米に比べて、日本と韓国は寄付額がとても少ないことが分かります。

名目GDPに占める割合では、アメリカが1.44%、イギリス0.54%、日本0.14%、韓国0.50%でした。寄付総額は韓国より多かった日本も、名目GDPに占める割合では韓国を大きく下回っています。日本では、他の国と比べても寄付をする人が少ないといえるでしょう。

日本で寄付が進まないのは独自の文化のせい?

このように、他の国と比べると、思った以上に日本で寄付が進んでいないことが分かります。これにはいくつかの理由があるようです。

「助け合い=無償奉仕」というイメージがある

日本では、助け合いのためのボランティアの多くは無償奉仕という形で行われています。誰かが困っている時には、金銭的な援助ではなく、無償奉仕によって役に立とう、という考えが先立っていると考えられます。

寄付金の活用の実体が不明瞭という印象を持っている

共同募金で集められた資金がどのようにして活用されているのか、その内容が不明瞭であると感じた人は多くいることでしょう。支出の詳細が公表されないことにより、「寄付を行っても本当に社会貢献できているのか分からない」という不安感を持たれてしまいます。これも寄付が進まない理由の一つといえそうです。

制度が難解

例えば、寄付による税制面でのメリットを得ようとした時、確定申告の手続きが面倒で寄付をやめてしまう人もいると考えられます。手続きが複雑、煩雑であることが、寄付を遠ざけているのかもしれません。

寄付は、社会にとって必要なものです。さまざまな理由で生活が困難になってしまっている人を、寄付を通して助けることができます。また、寄付を行うことで控除が受けられ、税金面でも大きなメリットが得られるでしょう。利他の精神を持つことによって、精神的な豊かさを得ることもできます。

寄付金控除についておさらい

ここからはあらためて、寄付金控除という制度についておさらいしておきましょう。寄付金控除は、その年に支払った特定寄付金の合計額、またはその年の総所得金額の40%の額のいずれか低い額から、2,000円を引いた額が控除されます。

特定寄付金とされるのは、国や地方自治体に対する寄付、公益社団法人や公益財団法人への寄付、教育や科学、文化の向上、社会福祉への貢献を行う法人に対する寄付などです。そのほか、認定特定非営利法人や、政治活動に対する寄付(寄付を受け取った人が特別に利益を得る場合を除く)も含まれます。

寄付金控除を受けるためには、寄付金支払いの領収書と、寄付を受けた団体や法人が発行する証明書などを持って確定申告行う必要があります。

富裕層が考えたい社会貢献の形

富裕層の場合には、一般的な寄付という形以外でも社会貢献が行えます。その一つが財団法人の設立です。企業や個人の財産を活用するための団体である財団法人には、一般財団法人と公益財団法人の2種類があり、このうち公益財団法人では、税制優遇を受けられます。

富裕層が公益財団法人を設立することで、税制優遇を受けられるだけでなく、幅の広い社会貢献活動が行えるようになります。財団法人の設立のメリットについて、詳しくはこちらをご覧ください。

財団こそ富裕層の社会還元!設立のメリットとは?

寄付を習慣化して社会貢献しよう

アメリカやイギリスと比べて個人の寄付総額が少ない日本ですが、その背景には、日本独自の理由が隠されていました。世界的な大企業や富裕層の多くが社会貢献に乗り出している今、資産を多く持つ個人も、その一部を社会に還元し、世の中を豊かにすることを考えておきたいものです。

文・J PRIME編集部

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