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(画像=Ivanko80/Shutterstock.com)

夫と妻がともに高年収の「パワーカップル」が増加している。総務省が発表した最新の労働力調査によれば、夫婦ともに年収700万円以上の世帯は26万世帯に上る。購買意欲が高いこともパワーカップルの特徴とされ、不動産業界なども売り込みを強化している。

パワーカップルの定義とは?

まず始めに「パワーカップル」の定義はまだ定まっておらず、この単語を使用する人やメディアによって年収要件などにばらつきがあります。

「夫婦ともに年収700万円以上」「夫の年収600万円以上、妻の年収400万円以上」「世帯年収2000万円以上」などと定義されることがあるほか、特に年収要件は示さず、夫婦がともに医師や弁護士などという高所得の夫婦をパワーカップルと呼ぶこともあります。

パワーカップルの象徴的としては、Facebookのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)の夫婦や、有名俳優のブラッド・ピット氏の夫婦がよく取り上げられることがあります。

パワーカップルという単語自体は昔から広く使われていたわけではなく、2013年に中公新書から出版された『夫婦格差社会 二極化する結婚のかたち』(橘木俊詔・迫田さやか著)の中でこの単語が登場し、メディアなどでも使われるようになりました。

現在では、日本の各世帯の消費行動などを分析する際にパワーカップルという言葉がよく登場します。ちなみにこの著書の中ではパワーカップルの対義語として「ウイークカップル」(弱い)という言葉も使われています。

パワーカップルってどれ位いるの?

パワーカップルの定義として比較的よく登場する「夫婦ともに年収700万円以上」という基準を使って、日本国内におけるパワーカップルの数を算出してみます。

総務省が2019年2月に発表した2018年の労働力調査によると、共働き世帯数は日本で1,496万世帯あり、そのうち、夫婦の年収がともに700万円以上のパワーカップルは26万世帯に上ります。単純計算すると、共働き世帯のうちの約1.7%がパワーカップルということになります。

ちなみに『夫婦格差社会-二極化する結婚のかたち』が出版された2013年の労働力調査では共働き世帯は1339万世帯で、うち夫婦とも年収700万円の世帯は21万世帯、全体に占める割合は約1.5%でした。つまり、パワーカップルの世帯数も割合も以前より伸びていることが分かります。

一般社団法人「社会文化研究センター」が公表した「子育て世帯の消費実態」では、妻が高年収であるほど夫も高年収であることなどを指摘した上で「今後、さらに夫婦(世帯)間の経済格差が広がる可能性がある」と述べられています。

購買意欲が高いパワーカップルたち

ニッセイ基礎研究所が2017年に公表した分析では、パワーカップルの妻が日常生活でお金をかけたいものについてアンケート調査を行っています。その中で年収が700万円未満の女性と700万円以上の女性で開きが多かったのは、「貯蓄」や「海外旅行」でした。

「貯蓄」にお金を使いたいと選択した妻の割合は年収300万円〜700万円では33.6%に上っていますが、年収700万円以上では23.3%に留まっており、年収が上がるに従って消費意欲が高くなることが分かります。

また「国内旅行」にお金を使いたいと選択した妻の割合は年収によって大きく変わりませんでしたが、より旅行費用が掛かる「海外旅行」にお金を使いたいと答えた妻は年収700万円以上で30.2%に上り、年収300万円〜700万円の層の倍以上という結果となっています。

不動産・教育業界もパワーカップルに照準

パワーカップルの購買力に着目し、不動産業界や学習塾などを展開する企業も、この層への売り込みを強化しています。徐々に増加するパワーカップルは日本市場における高額消費をリードする存在として、今後も注目を浴びていくことでしょう。

文・J PRIME編集部

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