GAFAの中でも最も注目度が高い企業といえるのが、アップルではないでしょうか。スティーブ・ジョブズ氏亡き後も、順調に業績を伸ばし、2018年8月には世界で初めて時価総額が1兆ドルを超えるなど、まさしく世界経済を牽引する企業の1つとなっています。

しかし、年明けの下方修正のアナウンスがあったことで、少し状況は変わりつつあります。アップルといえど、決して盤石な状況ではないということが示されたからです。今、アップルの死角とは何でしょうか。ビジネスにおける課題について解説します。

2019年はアップルにとって厳しい年に?

アップルといえば、1月2日に「投資家への手紙」というプレスリリースを出したことが、大きな波紋を呼びました。内容は、業績の下方修正、特に中国におけるiPhoneの販売が不調に終わったということでした。また、iPhoneの販売台数の公開をやめることも同時に発表しました。こうしたプレスリリースを投資家は悲観しました。

実際に発表された決算によると、全体の売上は5%程度の減収でしたが、iPhoneは17%の減収となっています。エリア別の数字を見ても、中国は26%の減収となっており、いかに中国での販売が苦戦したか、iPhoneが苦戦したかを物語っています。利益は微減にとどめましたが、iPhoneが苦戦している以上、大幅に改善する見込みは現時点ではありません。このように、アップルにとっては、現在がまさに逆風といったところでしょう。

アップルが今抱えているビジネス上の課題とは?

そして、アップルには、まだ逆風となる要素があるのです。そのアップルの課題には、どのようなものがあるのでしょうか。

iPhoneの将来性は果たしてどうなる?

1つは、iPhoneの将来性です。アップルに占めるiPhoneの売上は全体の60%を超えています。このiPhoneが減収しているのは、やはり大きな懸念点です。

iPhoneは高級(ハイエンド)路線を歩んでおり、それがこれまでも消費者に受け入れられていました。しかし、景気減速局面において、ハイエンド製品というのは、一般的には厳しい状況におかれることが多いです。今、世界経済の成長は鈍化しています。これはアップルにとっては逆風でしょう。

iPhoneをめぐる悪いニュースもあります。今、各社が導入を進めている5Gですが、クアルコム社が先んじて、アンドロイドに5Gを搭載しました。クアルコムとアップルは各所で訴訟を起こしており、iPhoneは現在、インテルのモデムを搭載しています。そんな中、ライバルであるクアルコムが5Gで先行したというのは、iPhoneにとって決して良い話ではないでしょう。

IoT時代への対応が遅れる

また、iPhone以外でも懸念点は見られます。その最も大きなものがIoTへの対応の遅れではないでしょうか。

例えばスマートスピーカーを例にとると、アップルのスマートスピーカーの「HomePOD」は、アマゾンのEcho、グーグルのGoogle homeに大きく水をあけられています。導入が遅れたことや価格が高いことが苦戦の要因とされています。

2020年代のデジタルの主役は、スマートフォンではなく、IoTアイテムだともいわれています。こういったIoTの競争の中で、アップルは、他社に後れをとっている、というのも大きな懸念点でしょう。

サービスの成長が弱い?

また、サービス部門の成長の弱さも懸念点です。サービス部門の売上は、この四半期でも成長し、100億ドルを超えました。しかしながら、まだアップル全体の収益においては、15%にも満たないというのが現状です。新しいプロダクトが出ていない以上、サービス部門の増収、増益というのは成長の大きなキードライバーになりえますが、現状はそこもまだ、発展途上といったところではないでしょうか。

アップルはこの逆風を乗り越えられるか

アップルは、2019年初頭のプレスリリースから、逆風の中にあると言えるでしょう。頼みのiPhoneは大きく減収、新しいプロダクトもリリースできていない、さらに、サービス部門も伸び悩んでいる、と、短期的には苦しい要素がたくさんあるように見えます。

しかし過去、アップルはこうした苦境を乗り越えて今のポジションを作ってきました。果たして、今回も乗り越えられるでしょうか。

文・J PRIME編集部

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