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(画像=Mikko Lemola/Shutterstock.com)

フィンテックといえば、ひと昔前は、ベンチャーキャピタルが彼らを資金面で支援する、というのが一般的でした。しかし、ここにきて、少し状況が変わりつつあります。今、フィンテックをキーワードに、メガバンクがスタートアップと組むケースが増えているのです。

メガバンクは、フィンテック時代を前に、どのような取り組みを行っているのか、具体的な事例も交えながら解説します。

変わるメガバンク 背景には法改正の影響も

今、メガバンクは、フィンテックへの取り組みを強めています。まずは、その背景を確認しましょう。

最も大きな背景としては、ITを活用した新たな金融技術の開発が進んでいることです。フィンテックは世界的な潮流であり、P2Pレンディングや仮想通貨、キャッシュレス決済など、様々な部分でイノベーションが起きており、銀行が今まで独占業務としてやっていた業務が脅かされつつあったのです。

また、銀行の収益低下というのも一つのポイントでしょう。政策金利がゼロ金利状態の今、銀行の本業の預金業務、貸金業務というのは低収益構造になっています。そのため、銀行も、企業として新しいサービスを立ち上げ、収益化する必要があるのです。

さらに、法改正も銀行の変化を後押しします。2017年の銀行法の改正では、銀行のオープン・イノベーションに対する取り組みを推進しています。これにより、各行はAPIをオープンAPI化させるなど、フィンテック企業と協業しやすい環境を作ってきたのです。

MUFGは、新たに投資会社を設立。フィンテックへの投資を加速

では、各行の主な取り組みを見てみましょう。まずは、三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)から紹介します。

MUFGは、もともと、MUFGデジタル・アクセラレーターという、ベンチャー企業を支援する取り組みを行っていました。実際、この取り組みにより、アルパカと傘下のじぶん銀行が協業し、「AI外貨予測」というサービスをリリースするなど、ある程度の成果を得ていました。

さらに、今年度には、三菱UFJイノベーション・パートナーズという投資会社を立ち上げ、200億円規模の投資を行うと発表されています。早速、資産管理サービスを提供するマネーツリーに出資を行うなど、積極的にフィンテック投資を行っています。

大手企業と組み、新しい取り組みを行うみずほ

みずほフィナンシャルグループも、新しい取り組みを行っています。特に目立つのは、大手企業と取り組み、新しいイノベーションを起こそうとしている点です。

例えば、ソフトバンクと取り組み「J.Score」という、ビックデータを生かした信用創造、レンディングサービスを行う会社を作ったり、また、LINEと協働で、新銀行を設立する取り組みを行ったりしています。また、シリコンバレー企業とともにBlue Labという会社を作り、新しいビジネスをインキュベートさせる動きも行っています。

金融に限らず、幅広い支援を行うSMFG

三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)は、フィンテックの分野に限らず、様々な分野でオープン・イノベーションを支援しています。

具体的には、銀行APIを活用したハッカソン「ミライハッカソン」を実施したり、また、外部企業と取り組み、「III(トリプルアイ)」といったコンソーシアムを形成したり、「未来」といったピッチコンテストを実施したりしています。さらには、渋谷にオープン・イノベーションの拠点を作ったりと、幅広い角度から、スタートアップを支援しています。

これからは、メガバンクがフィンテックを牽引する場面も

メガバンクは、ビジネス環境の変化や法改正、テクノロジーの発達とともに、その姿を変えようと、積極的にフィンテックに取り組んでいます。各行、取り組みの方針は違えども、今後も積極的にフィンテックに投資していくことは間違いないでしょう。今後、日本のフィンテックを牽引していくのは、もしかするとメガバンクなのかもしれません。

文・J PRIME編集部

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