Bernard Jean Étienne Arnault
(画像=Frederic Legrand - COMEO / Shutterstock.com)

今世界で一番お金持ちなのは誰なのか。そんな気になる情報が毎日更新されているのが、ブルームバーグの億万長者インデックスです。世界のトップクラスの資産家ともなると、ランキングにはそれほど動きがないかと思いきや、2019年3月、世界的に著名な投資家であるウォーレン・バフェット氏を抜き、LVMHグループ会長のベルナール・アルノー氏が世界長者番付第3位となりました。

世界の富が一部の富裕層に集まる中、その富裕層を相手にビジネスを行うラグジュアリー市場は今後どのように変化していくのでしょうか。

改めて世界の億万長者の資産額を振り返る

2019年3月18日時点での、ブルームバーグ億万長者インデックスを見ていきましょう。

最も資産を保有しているのは、アマゾンのCEO(最高経営責任者)であるジェフ・ベゾス氏で、純資産の合計は1,420億ドル、日本円に換算すると15兆8,000億円を超えています。2位はマイクロソフトのビルゲイツ氏で、純資産の合計額は995億ドル、日本円で約12兆円となります。3位のベルナール・アルノー氏の純資産額は851億ドル、日本円で約9兆5,000億円にあたります。

フォーブスによると、2019年、保有資産額10億ドルを超える億万長者は2,153人に上るそうです。

富裕層向けビジネスで大躍進。ラグジュアリー市場の未来は?

ラグジュアリーブランド業界をけん引するルイ・ヴィトンの総帥が多くの資産を保有するようになったことからも、ラグジュアリー市場は好調であることが分かります。とはいえ、現状維持を続けるだけでは、衰退してしまう恐れもあります。今後のラグジュアリー市場では、新たな挑戦への取り組みが重要になってくるでしょう。

これまで、ラグジュアリー市場は欧米を中心としてビジネスを行ってきましたが、今後は市場が急速に拡大しているアジアやアフリカ、中南米へも目を向ける必要があります。今までと同じビジネスモデル・流通網では、こういった新たな顧客層を取り逃してしまうことでしょう。

また、顧客層の年代の変化にも気づかなければなりません。デトロイトトーマツグループ「世界のラグジュアリー企業ランキング2018」には、2017年、グッチはeコマース事業で86%増の売り上げを獲得したと書かれています。この収益のうち、約50%はミレニアル世代によるものだったそうです。

インターネットを活用し、さらにミレニアル世代を取り込む戦略を打ち出したことで、グッチはこれまでにない成功を収めることができました。今後は、ミレニアル世代だけでなく、ジェネレーションZと呼ばれる1990年代以降に生まれた、より若い世代を顧客として見据え、マーケティングを行う必要があります。

プラス要素だけではない、SNSマーケティングとの付き合い方

前述の通り、ラグジュアリー市場が今後も発展していくためには、新たな挑戦と戦略が必要です。しかし、露出が増えすぎてしまうと、ラグジュアリーブランドが持つ希少性が薄れてしまうのも確かです。一般に広まりすぎてしまうと、今度はメイン顧客である富裕層から背を向けられてしまいかねません。

ラグジュアリーブランドは、ある種の近寄りがたさを持つことでブランド力を高めています。誰でも手に取りやすいという、親しみやすさが強まれば、むしろそのブランド力は弱まり、売り上げを落としてしまうか、価格を落としてしまうかのどちらかに傾いてしまうことでしょう。SNSマーケティングに力を入れるのであれば、商品自体の魅力を高め、富裕層が欲しくなる商品を提供し続けていく必要があります。

富裕層の意識の変化に合わせた柔軟性も必要か

ラグジュアリーブランドはこれまで、富裕層が自身のステータスを証明するために利用され、より高価で希少性があるものが好まれてきました。しかし近年、とくにミレニアル世代を中心に、高価なものを身につけ所有するのではなく、道徳的で健康的な生活や生き方とそれに合ったものが好まれるようになったといいます。

ラグジュアリーブランドの中でも、ルイ・ヴィトンはいち早くエシカル(道徳的)な活動を始めており、最近では、ケリンググループがサステナビリティ戦略を打ち出しています。

単に価格やブランドのロゴマークを求めるのではなく、そのブランドの生まれた背景や商品が作られる過程、購入することで生まれる社会貢献などが求められているのです。

ラグジュアリー市場を明るいものにするキーワードは「挑戦と変化」

富裕層をターゲットにビジネスを展開し、着実に成功を収めてきたラグジュアリーブランドが、今後も成長を続けていくためには、新たな市場の開拓に挑戦し、顧客層の変化にも対応できる柔軟性が必要不可欠であるといえるでしょう。

これらを意識し、成長を続けていくことで、将来的にはLVMHグループ会長のベルナール・アルノー氏が世界長者番付の1位を獲得する日が訪れるかもしれません。

文・J PRIME編集部

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