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(画像=OoddySmile Studio / Shutterstock.com)

映画でも題材としても取り上げられ、その存在が広く注目されるようになった「エンディングノート」。終活ブームの中、遺言書に加えて富裕層の中でも作成する人が少なくありません。遺産相続をめぐる遺族トラブルの緩和・回避に役立つことが理由の一つです。

エンディングノートとは

エンディングノートとは、本人が事故や病気で脳死状態になったときや死亡したときなどの万が一の事態に備え、家族や親しかった人に伝えたいことを前もって書き残しておくノートのことです。「終活ノート」などと呼ばれることもあります。

エンディングノート自体には決められた様式はなく、書店などではさまざまなエンディングノートが市販されているほか、自治体独自のエンディングノートを配布している市町村もあります。

実際にエンディングノートに書く内容はフォーマットによってさまざまですが、一般的には本人の名前や生年月日、経歴などの基本情報や、家族や友人関係のこと、医療や介護に関すること、財産のこと、葬儀やお墓のことなどを書き記しておきます。

例えば医療や介護に関することで言えば、延命治療をするかどうかや治療の費用はどうするのか、葬儀やお墓について言えば、葬儀の費用はどうするのかや、お墓の準備はできているかいないか、などを記入していきます。

エンディングノートと遺言書の違い

万が一に備えるという意味では、エンディングノートは遺言書と似た性質を持つものであるととらえることもできますが、明確な違いがあります。そしてそれぞれにメリットとデメリットもあります。

遺言書はきちんと要件が満たされていれば民法に基づいた法的効力を持ちますが、エンディングノートには法的効力がありません。そのため、エンディングノートに書かれたことをほかの人に強制することはできません。

書く範囲も異なっています。遺言書では死後のことを書き残しますが、エンディングノートでは医療や介護のことなど生前のことも含めて書くのが普通です。

書く内容にも違いがあります。遺言書には主に相続に関することを記入しますが、エンディングノートには相続に限らずより自由な内容を書き残すことが一般的です。

ではなぜ遺産相続にエンディングノートが必要なのか

では法的拘束力を持たないエンディングノートが、なぜ遺産相続に向けた準備として重要なのでしょうか。その一番の理由は、遺言書には長くは記さなかった「本人の思い」を書いておくことで、遺産相続トラブルを緩和・回避する効果が期待できることにあります。

たとえ故人が遺言書に相続の割合をきちんと記載していたとしても、兄弟姉妹などの相続人同士の不仲につながる場合があります。相続の割合に納得できない人が出てくると、不公平感が争いの種になってしまうからです。

しかしエンディングノートで故人がどういう思いで相続の割合を決めたのかがしっかり書かれていればどうでしょう。その思いが相続人たちにきちんと伝わったことで実際にトラブルの回避につながったという例は少なくありません。

こうして考えますと、遺言書とエンディングノートは「クルマの両輪」のようなもので、それぞれを補完し合う関係にあると言えるでしょう。

遺産が大きければトラブルの深刻度も増しがち

遺産の額が大きくなればなるほど、相続争いのトラブルの深刻度は増しがちです。そういった側面から考えてみますと、早めにエンディングノートの作成に取り掛かることは富裕層の人にとっても重要であることが納得できます。

多くのエンディングノートがフォーマットに従って書いていけば完成された1冊として残せるようになっています。万が一のときが本人の身にいつ訪れるかは誰にも分かりません。終活を始めようと考える人は、早速今からでもエンディングノートの作成に取り掛かってみてはいかがでしょうか。

文・J PRIME編集部

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