先進的な消費者の間で定着つつある、「エシカルファッションブランド」をご存知でしょうか。数々の環境・労働問題を引き起こし、サステナビリティを脅かす既存ファッションビジネスへのアンチテーゼとして、エシカルファッションブランドは日本でも注目を集めています。

この記事では、エシカルファッションブランドの人気の背景を探るとともに、代表的なブランドを3つ紹介します。

エシカルブランド人気の背景

今から6年前、バングラデシュの首都ダッカで死者1,000人を超すビル崩落事故が起きました。そのビルの名は「ラナプラザ」、5つの縫製作業所が入り、4,000人が劣悪な環境で働いていました。

事故現場には、ベネトンやマンゴーなど普段目にするブランドの生地が散乱していました。私たちはこの出来事を、「南アジア最貧国の悲惨な事故」として見過ごすことはできないのです。

労働問題だけではありません。ジーンズ工場の集積地として有名な中国の珠江デルタ東北部に位置するとある街は、脱色剤や染料が垂れ流され、かつてパール・リバーと呼ばれた面影はありません。採取された水からは、重金属や有機汚染物質等を検出、健康被害が懸念されます。

こうしたファッションビジネスの在り方に対する危機意識が業界関係者やコンシューマーの間で徐々に広まり、期を同じくしてエシカルファッションのムーブメントが高まってきたのです。

これから紹介するエシカルブランドのスタイルは実にさまざまですが、共通のポリシーは、フェア・トレード、オーガニック、アップサイクル(より高品質のリサイクル)、サステナブル・マテリアル、クラフトマンシップ、ローカル・メイドです。

①ステラ・マッカートニー

創始者ステラ・マッカートニーの父親は元ビートルズのポール・マッカートニーです。25歳にしてクロエのクリエイティブ・ディレクターに抜擢されるほどの逸材で、ナチュラル・セクシーかつ女性らしいデザインは高く評価されてきました。30代を前に自身のブランドを立ち上げます。

彼女自身が「ビーガン」と呼ばれる卵・乳製品も口にしない厳格な菜食主義者であり、エシカルを重視するスタンスは、ベジタリアン・ブランド「ステラ・マッカートニー」にも貫かれています。

自社ブランドだけでなく・コラボモデルやライセンス商品も含め、すべてにわたりレザー・スキン・ファーを使用していません。彼女自身も、PETA(People for the Ethical Treatment of Animals)という動物の倫理的扱いを求めるNGOの動画に参加しています。

近年は環境面へのこだわりだけでなく、ケニアでのバッグ製造を通じ、対等なパートナーシップ構築による貧困国への貢献にも挑戦しています。

②ピープル・ツリー

適正価格による継続的な取引を通じて、貧困国の社会的・経済的弱者の自立を促そうとするビジネスがフェア・トレードです。ただし日本での知名度はまだまだ低く意味まで正確に理解している人は3割に過ぎません。

そんなフェア・トレードに90年代から取り組んできたピープル・ツリー、商品を売るだけでなく、消費者に活動を知ってもらいたいとの想いから情報を発信に力を入れてきました。

ピープル・ツリーはフェアトレード商品だけでなく、オーガニックコットンなど環境保護への取り組みも高い評価を受けています。エマ・ワトソンとのコラボPeople Tree, Love from Emmaの実現にこぎつけるなど、ムーブメントづくりにも定評があります。

③HASUNA

本店を表参道に構えるHASUNAは、エシカル・ジュエリーの分野で高い評価を得ています。

映画『ブラッド・ダイヤモンド』でも取り上げられたように、主たる産地アフリカで宝石はしばしば紛争の資金源とされ、内戦悪化・奴隷労働を引き起こします。HASUNAは、例えばダイヤならボツワナ、ロシア、カナダなど産地が特定できるものだけを使用、「誇りを持って身に着けられる」ブライダルリングを作り続けています。

もちろんエシカルなだけでなく、デリケートで存在感のあるデザインを守り続け、多くのファンに支持されています。

文・J PRIME編集部

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