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(画像=EMURGOの最高マーケティング責任者(CMO)を務めるフローリアン・ボナート氏)

最新の技術トレンドとして、ブロックチェーンへの期待が高まっています。ブロックチェーンはもともと、仮想通貨の基盤技術として話題に上りました。ブロックチェーンは誰もが見られる台帳というイメージで、「AからBに仮想通貨を送った」といったデータをいくつかまとめたものをブロックと呼び、それを鎖状につないで管理する仕組みのため、ブロックチェーンといいます。

ブロックチェーンの最大の特徴は、改ざんが不能であるという点です。みんながすべての台帳を見られるため、一部が壊れたり改ざんされたりしても、差分の発生が見え、それに合わせて正しいデータが担保されます。

2018年のCoincheck事件など仮想通貨の取引所がハッキングされる事件などが話題になりますが、こうした事件の原因はブロックチェーン技術の問題ではありません。しかし、実際にはこうした事件をきっかけに、仮想通貨の基盤システムは危ないものという、残念なことに事実とは異なるイメージを持たれているのが実情と言えます。

ここにきて、ブロックチェーンを仮想通貨だけではなく、さまざまな業種の中核技術として採用する実験が始まっています。土地登記などの資産管理や投票などの公共、決済などの金融系や医療、農業、IoT(Internet of Things)などさまざまです。

普及し始めた最大の要因はやはり、改ざん不能という技術的特性にあります。アフリカのウガンダなどでは、既にコーヒーが生産におけるサプライチェーンにブロックチェーンを導入する動きが出てきています。コーヒーの生産にはさまざまな事業者が参加するため、中には、コーヒー出荷時に品質の劣る商品を一部混ぜてしまうような不正が行われることがあります。

それにより、味を含めてそのコーヒーへの商品としての信頼性が落ちてしまい、値段も下がってしまうのです。ここにブロックチェーンを導入することで、コーヒー農家の集荷所、倉庫、検査場における配達データや出荷情報の追跡ができるようになります。しかも改ざんの心配がなく、品質を担保します。結果として、コーヒーの商品としてのブランド力が上がり、引いてはコーヒー農家の収入が増えることが見込まれるのです。

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(画像=amenic181/Shutterstock.com)

ただし、ブロックチェーンも現状は完全ではありません。実用化しようとすれば、技術面を中心にしたさまざまな問題が浮上してきます。具体的には、1秒間に可能な取引回数などの拡張性、ビットコインなど他のシステムとの相互運用性、非中央集権的な仕組みにすることで特定の事業者の意図で仕組みを終わらせないようにできるかといった持続可能性といった課題です。こうした課題を解決し、ブロックチェーンをさまざまな領域におけるインフラとして実装しようと注力している企業の1つがEMURGOです。EMURGOは、仮想通貨であるCardano ADAプロジェクトをビジネス面から推進しており、現在は仮想通貨で培ったブロックチェーン技術であるカルダノブロックチェーンを用いて、発展途上国を中心とした経済活動を支援しようとしています。

同社の最高マーケティング責任者(CMO)を務めるフローリアン・ボナート氏は、日本での積極的な活動について言及します。2018年8月には、東京理科大学でブロックチェーンを活用したアイデア開発イベント、いわゆるハッカソンを実施し、10月からは学生などを対象に、ブロックチェーンをテーマにしたオープンカレッジを実施しました。

ブロックチェーンは技術的に難解なため、若い人にしか理解できないーーそういったイメージを持つ人も多いかもしれません。しかし、ブロックチェーン普及のためには、ある程度の年齢にさしかかったエンジニアが参入できることが必要となります。ボナート氏は「CやJavaなどさまざまな技術に触れ、新しいものにもオープンな脳を持つ人ならば、40歳でも十分間に合う」と話しています。

改ざん不能というブロックチェーンの可能性は思いのほか大きいものです。現在は発展途上国の経済活動支援を中心とした動きが目立ちます。日本では、裁判所がブロックチェーンのデータをどこまで認めるのか、といった法律面なども含めた課題を解決する必要があります。こうした課題をクリアできれば、ブロックチェーンの技術的な優位性は、さまざまな企業や消費者を助けるものになると考えられます。

文・J PRIME編集部

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