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(画像=Aleona / Shutterstock.com)

多くの人があこがれる、高級な宝石ダイヤモンド。その正体は炭素です。炭素原子を人工的に操ることで、人の手でダイヤモンドを作ることができます。この人工ダイヤモンドが今、海外のミレニアル世代やエシカル(倫理)志向のセレブに人気を集めているといいます。2019年には日本にも本格的に進出してくるという、宝石としての人工ダイヤモンドは、日本のミレニアル世代のラグジュアリー層を取り込んでいくことができるのでしょうか。

人工ダイヤモンドと天然ダイヤモンドの違い

地中の奥深くで、数億年以上の長い時間をかけて形成される天然のダイヤモンドは、その輝きと希少性から多くのセレブをとりこにしてきました。しかし現在では、天然ダイヤモンドと比べてまったくそん色のない人工ダイヤモンドが誕生し、ファッションアイテムとしても利用され始めてきています。

「ダイヤモンドの正体は炭素である」ことを発見したのは、イギリスの科学者、スミソン・テナントでした。1796年のこの発見により、その後人工ダイヤモンドづくりが進められていきます。

天然ダイヤモンドと同等の人工ダイヤモンドが生まれたのは、1970年ごろのことでした。200年近い年月をかけ、ようやくクオリティの高い人工ダイヤモンドが生まれたのです。しかし、人工ダイヤモンドは主に工業製品に利用され、ラグジュアリーなアクセサリーに利用されることはありませんでした。

人工ダイヤモンドはエシカルな宝石

近年、ミレニアル世代を中心に、購入する品の製造プロセスを重視する傾向が強くなっています。天然ダイヤモンドを巡っては、違法採掘と密輸が問題になっています。そこで、希少性が高く価値のある天然ダイヤモンドよりも、研究室で作られた「だれも苦しまない」人工ダイヤモンドに新たな価値が見出されているのです。

この新しい人工ダイヤモンドは、天然ダイヤモンドと実質的に同じ化学組成、結晶構造、物理的な特性を持っています。紛争の資金源などにならないコンフリクト・フリーで、かつ高品質な人工ダイヤモンドをジュエリーブランドも求めています。天然ダイヤモンドよりも低価格、しかもエシカルとあって、今後も人工ダイヤモンドの需要は伸びていくと考えられます。

「デビアス」も進出。人工ダイヤモンドは日本で市民権を得られるのか。

ダイヤモンドの採掘と販売を行う企業、デビアスグループも、人工ダイヤモンドの販売に乗り出しました。デビアスはこれまで人工石の製造・販売を批判してきましたが、消費者の要望に応える形でブランド「ライトボックス」を2018年に立ち上げました。

その人工ダイヤモンドは、価格は天然ダイヤモンドのおおよそ10分の1で、天然石と区別をするための刻印入りで販売されました。消費者や人工ダイヤモンドを製造するメーカーからは賛同を集めたものの、天然ダイヤモンドの価値の下落が懸念されることから、小売店からはもろ手を挙げての歓迎ムードは得られませんでした。

デビアスの2016年「ダイヤモンドインサイトレポート」によると、2015年にはアメリカ、中国、日本、インドのミレニアル世代がダイヤモンドに260億ドル近くを費やしているとのことです。また、ミレニアル世代は伝統よりも環境と倫理を重んじる傾向にあることから、ブランド各社も人工ダイヤモンドを積極的に利用するのではと考えられます。

日本では、2019年1月に行われた「第30回国際宝飾展」に人工ダイヤモンドが出展。世界35ヵ国1,100社が出展した同展では、この人工ダイヤモンドが注目を集めました。イミテーションのダイヤモンドとは明らかに異なる、本物同様の輝きを持ちながら、安価で若者の手に届きやすい新たなダイヤモンドは、今後日本でも市場を拡大していくことでしょう。

ミレニアル世代の新たなラグジュアリー。キーワードはエシカル

消費拡大を狙う中で、働き盛りの年代でもあるミレニアル世代をターゲットとした販売戦略は必要不可欠です。ミレニアル世代は、豪華さや高級さよりも、道徳的でサスティナブル(持続可能)なものにひかれる傾向にあります。

アクセサリーを含むファッション業界においては、今後ますます「エシカル」「サスティナブル」といったキーワードが重要になってくるでしょう。天然のダイヤモンドと同様の輝きを持つ人工ダイヤモンドは、日本でも市場を拡大していくに違いありません。

文・J PRIME編集部

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