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(画像=igorstevanovic / Shutterstock.com)

将来相続税がかかる可能性があるなら、相続税の税務調査についても知っておくと安心です。税務調査でどのような点を確認されるかを理解した上で、相続税対策や相続税を申告しましょう。相続税の税務調査で調査官が見るポイントや注意点を解説します。

調査開始前から預金通帳の取引は税務署に筒抜け

税務署は銀行に対して、個人の預金通帳の内容の開示を求めることができます。税務署の要求は法律にのっとって行われる行為なので、銀行側は拒否することはできません。

相続税の税務調査の候補先としてピックアップされた場合、5年から10年の取引を税務署はすべてさかのぼって確認します。被相続人だけでなく相続人の預金通帳も確認できるため、親族間でどのように資金が動いたのか、生活費はどのぐらいか、目立った大きな出金はないかなどをチェックします。

また、不動産などの資産であれば、先祖代々受け継がれていることがほとんどです。税務署は、被相続人が親からどのような資産を譲り受けたかを過去の相続税の申告書を見てチェックします。

その上で、預金通帳の取引履歴から、今回の相続税の申告書に記載された財産に不自然な点はないか、もれている財産はないかをチェックします。税務署の目をかいくぐるのは困難なので、相続税を申告するときはもれがないようくれぐれも注意しましょう。

相続税の税務調査で調査官が仕掛けてくる会話の罠

相続税の税務調査には、基本的に相続人全員が立ち会います。調査官は世間話を装い、会話の中にさまざまな罠を仕掛けてきます。ベテランの調査官ですと会話を引き出すのがうまく、つい打ち解けて盛り上がってしまうこともあるかもしれません。

しかし、調査官の仕掛けた罠に気づかず色々と話してしまうと、あとから厳しい追及を受けることがあります。税務調査だということを忘れず、あくまで慎重に会話をするようにしましょう。

例えば、調査官は家族旅行の話題や子どもの進学先などの話題から、月々の生活費を予測しています。そして、その予測した金額と通帳預金からわかる生活費とにズレがあれば、隠し口座の存在や親族からの贈与を疑います。

また、骨とう品や美術品の収集など、資産に該当するような趣味がないかどうかもチェックしています。相続財産として申告する必要があるのは、現預金や不動産、有価証券だけではありません。骨とう品や美術品、宝飾品も申告の対象となるので、注意しましょう。

また、相続税の税務調査では、よく名義預金が発覚することがあります。名義預金とは、相続人名義の預金であっても、実質的には被相続人の財産だとみなされる預金のことです。

名義預金とみなされる条件はいくつかありますが、代表的なものが、贈与された側が贈与の事実を知らないことです。会話の中で贈与の事実を認識していないことがわかれば、名義預金だと疑われることになるでしょう。

名義預金だとみなされれば、相続対策の贈与は全く意味がなくなり、名義預金も含めて相続税を修正申告しなければなりません。名義預金の金額によっては、延滞税などが追加で発生することもあるため、贈与の事実関係はしっかり確認しておくようにしましょう。

相続税の税務調査の流れと心構え

税務調査には、任意調査と強制調査がありますが、基本的には任意調査が行われます。任意調査では、事前に税務署から連絡があり、日程調整をして税務調査の日取りを決めます。突然税務署が家に訪ねてくるということはまずありません。

相続税の税務調査が入ると決まったら、不安な気持ちでいっぱいでしょう。まずは申告が漏れている財産がなかったかどうか、今一度確認してみることが大切です。この時点で申告が漏れている財産があることに気づいたり、もしくは隠している財産があったりした場合は、正直に税理士に相談しましょう。

また、税務調査当日は、税務調査とはいえ調査官をお客様として扱い、丁寧な対応をすることが望ましいです。相続税の税務調査において、故意に財産を隠しているかどうか、悪意があるかどうかは非常に重要視されます。

悪意がある場合は、最大税率50%の重加算税が課されるなど、重い罰則が適用される可能性があります。調査官の質問や指摘に対してはできるだけ丁寧に答え、誤りがあれば素直に受け入れる姿勢が大切だといえます。

文・木崎 涼(ファイナンシャル・プランナー)

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