USA
(画像=Nomad_Soul / Shutterstock.com)

今まで一方的な上げ相場が続いた国内不動産も、ここ数ヵ月は気になる動きが目立ちます。アパート・賃貸マンションへの投資も、ここ数年の建築ラッシュにより、地域によっては供給過剰が目立ってきたこと、金融庁が不動産融資への締め付けを厳しくしていることもあり、雲行きは良くありません。

そこで、ここは1つ見方を変えて海外に目を向けてみませんか、というお話です。注目は米国不動産です。リスク分散・取引環境・収益の安定性と成長性等魅力をお伝えすると同時に、節税面での注意点をご紹介します。

国内不動産市場は曲がり角

安倍政権発足以来ずっと好調が続いてきた国内不動産ですが、最近陰りが見られます。例えば不動産取引額の推移ですが、去年10〜12月は1.7兆円と、前年同期の3分2まで落ち込みました。

今まで割安感から買いあさってきた海外マネーが、最近の地価値上がりもあり資金を引き揚げ始めたのです。チャイナマネーも、当局の海外投資規制が厳しくなったこともあり動きが鈍くなっています。

2017年には中国の安邦保険集団が米ブラックストーンから三大都市圏の賃貸マンションポートフォリオ2600億円を買収して話題を呼びましたが、そんな安邦も最近は財務状況が苦しく、ポートフォリオの一部を売りに出している有様です。

必ず急落するとは申しませんが、懸念を抱えていることは事実です。「全ての卵を1つのカゴに盛るな」資産運用の格言として、昔から集中投資は戒められています。リスク分散の選択肢として海外不動産投資に動いている富裕層は少なくありません。

期待できる高収益と資産価値上昇

海外不動産の中でも人気が高いのは、取引市場が安定しており将来の経済成長も期待できる米国です。

少子高齢化が進む日本と異なり、アメリカは年0.7%前後で人口が増加、GDPも毎年2%程度伸び続けています。特に最近注目が集まっているのはテキサス州、ダラス・オースティン・ヒューストンといったエリアには瀟洒な住宅が立ち並んでいます。住宅価格上昇率(ケースシラー)でみると、ダラス(8.1%)の他にシアトル(10.9%)やポートランド(9.4%)なども要注目です。

リフォームして住宅を長く使い続けるアメリカでは、建物の付加価値も魅力的です。手入れ次第によっては、購入時より付加価値が上がるケースもあるようです。ちなみに財務省リポートによると、住宅の使用年数は日本が30年なのに対し、アメリカは103年と3倍以上です。

節税効果は今後の動向にも注意

米国不動産は、節税効果の面でも日本の投資家から注目を集めています。

築年数が経過すると劣化が早い日本の中古住宅では、不動産取引価格に占める建物の割合が2〜3割とされています。一方、建物の資産価値が高い米国の場合、不動産取引価格に占める建物の割合が7〜8割といわれています。

建物の比率が高ければ、経費扱いにできる償却費用がそれだけ大きくなります。しかも日本の税法では、中古住宅の償却年数を短く計算できます。木造住宅(耐用年数22年)なら、築15年で償却年数11年、築22年なら僅か4年です。

例えば5,000万円の物件で木造住宅(築22年)の価値が4,000万円、賃貸収入が500万円とすると、償却費用は4,000万円÷4年=1,000万円、不動産所得は500万円-1,000万円=500万円の赤字で、給与所得・事業所得と相殺できます。

実際、国内賃貸物件の場合、賃料に占める償却費の割合が半分以下とされるのに対し、海外の場合は実に8割以上の物件で償却費が賃料を上回るとされています。大手企業の上級管理職や個人事業主などの高額所得者には、大きな魅力です。

ただし海外不動産を利用した節税策については、既に会計検査院が問題を指摘しており、今後の税制改正で是正される可能性が高いとされています。今後の動向には、注意が必要です。

海外不動産投資に向いている人

不動産取引は現場・現物の確認がマストで、それは海外でも変わりません。ローカルな税制や取引慣行はエージェントに任せるにしても、現場は自分の目でウオッチすべきです。

そのために求められるのは、一定レベル以上の英語力と場合によっては現地まで出向く行動力です。その点に自信があるなら、米国不動産取引は妙味のある投資案件といえるでしょう。

文・J PRIME編集部

>>会員登録して限定記事を読む

【関連記事】
いま世界的に「ブランドロイヤルティ」が低下しているわけ?
超富裕層が絶対にしない5つの投資ミス
「プライベートバンク」の真の価値とは?
30代スタートもあり?早くはじめるほど有利な「生前贈与」という相続
富裕層入門!富裕層の定義とは?