富,社会,還元
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資本主義と民主主義の両方の性格を持ち、課題を解決する活動を表すフィランソロピー。世界中でその活動のために、巨額の寄付をするビジネスマンは少なくありません。今回は2017年の寄付金額を指標とし、それぞれの信念に基づいて活動するフィランソロピスト10組をご紹介していきます。

フィランソロピストとは

フィランソロピストとは、フィランソロピー=社会貢献活動を行っている人を指す言葉で、日本語では篤志家(とくしか)と表現されます。フィランソロピーはギリシア語の「フィリア(愛)」と「アンソロポス(人類)」が語源とする美しい言葉。社会的課題解決を目的とした活動で、例えば被災地支援もその一環です。近年では、事業成長のための中長期の資金提供や、経営サポートといったベンチャーフィランソロピーも行われています。

米国のフィランソロピストトップ10とその寄付金額

なかなか寄付が根付かないと言われる日本に比べ、海外では多くのフィランソロピストが活動を行っています。米国の経済誌Forbesが発表した、最も多くの寄付を行った米国人50人をランク付けする「AMERICA’S TOP 50 GIVERS」の2017年データによる、慈善事業への寄付金額トップ10を見てみましょう。

1位:ウォーレン・バフェット

保険・再保険事業を中核とした投資持株会社である、バークシャー・ハサウェイの会長、ウォーレン・バフェット氏は28億ドルを寄付し、2014年より4年連続で寄付金額1位となっています。同氏は2010年にビル・ゲイツ氏とともにギビングプレッジという活動を立ち上げたことでも知られています。これは、総資産の半分以上を慈善事業に寄付する啓蒙活動で、2017年には170人近くの賛同者が集まりました。

2位:ビル・ゲイツ夫妻

2位は首位のウォーレン・バフェット氏とともにギビングプレッジを展開する、マイクロソフト創業者であるビル・ゲイツ氏と、その妻メリンダ氏です。基金を目的とした寄付額は25億ドルで、世界中の保健・開発・教育に関する慈善活動を行うビル&メリンダ・ゲイツ財団に、マイクロソフトの株式を寄付しました。1994年以来、総額350億円以上が慈善活動への寄付に費やされています。

ビル・ゲイツ夫妻
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3位:マイケル・ブルームバーグ

金融・経済情報通信会社のブルームバーグ創業者であるマイケル・ブルームバーグ氏は、7億200万ドルで3位にランクインしてます。元ニューヨーク市長でもある同氏の財団は、都市の活動支援や環境保護に注力することを発表しました。

4位:ウォルトンファミリー

世界最大の小売業者ウォルマートの創業者一族として知られるウォルトンファミリーは、5億3,600万ドルの寄付で4位にランクインしました。

5位:ジョージ・ソロス

5億3,100万ドルを寄付し5位となったジョージ・ソロス氏は、自身の投資ファンド、クォンタム・ファンドを率いるハンガリー生まれの投資家です。ビジネス面ではイングランド中央銀行を空売りにより破綻させた大変な金融家ですが、資産の多くを民主主義擁護団体や人権団体に寄付することでも知られています。

6位:マーク・ザッカーバーグ夫妻

フェイスブック創業者として知られるマーク・ザッカーバーグ氏と、その妻のプリシラ・チャン氏の寄付額は4億ドルです。教育や住宅供給を中心とした使用のために、有限責任会社チャン・ザッカーバーグ・イニシアティブのNPO部門であるチャン・ザッカーバーグ財団に寄付されました。

7位:ゴードン・ムーア夫妻

インテル創業者のゴードン・ムーア氏と妻ベティ氏は、教育・科学・環境保全を目的とするゴードン・アンド・ベティ・ムーア財団に3億3,800万ドルを寄付しています。

8位:ジェームズ・シモンズ夫妻

いち早くAIを取り入れた運用方法で有名となったヘッジファンド、ルネッサンス・テクノロジーズのジェームズ・シモンズ夫妻は、3億2,800万ドルを寄付しました。

9位:ハンスユルグ・ヴィース

医療器具大手シンセスの元オーナーであり、現在では野生生物の保護に尽力するハンスユルグ・ヴィース氏は、3億1,500万ドルで9位にランクインしました。

10位:ダスティン・モスコービッツ夫妻

10位となったのは、フェイスブック共同創業者であるダスティン・モスコービッツ氏と妻のカリ・ツナ氏です。慈善活動のための財団を設立し、アフリカの貧困家庭への助成やマラリア予防のために、2億9,800万ドルを寄付しています。

フィランソロピーは寄付だけにとどまらない

今回ご紹介した10組を含む、2017年トップ50の寄付金額合計は126億ドルに上りました。これは前年の122億ドルを上回る数字です。

通常の寄付とフィランソロピーの違いとして、寄付は資金を提供するのみであることに対し、フィランソロピーの場合には目的を持って財団を立ち上げる、問題解決のために社会貢献に取り組む、といった能動的な活動があることが挙げられます。

資産を持つ起業家や企業が、利益を社会に還元する、という考えから生まれたフィランソロピー。世界の長者番付に日本人も名を連ねるようになった今、その活動や考えは少しずつ身近なものになりつつあるのかもしれません。

文・J PRIME編集部

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