徐々に開かれてきたとはいえ、京都のお茶屋遊び(お座敷遊び)は、いまだに知られていない部分がたくさんあります。「一見(いちげん)さん、お断り」という言葉が、近寄り難いイメージを与えている面もあるでしょう。しかし「一見さん、お断り」は、なじみのお客様を大切にしたい、というお店の誠意でもあります。一般には知られていない、京都祇園のお茶屋遊びで、芸妓たちと過ごす時間は、この上なくぜいたくな体験です。その世界の流儀を見ていきましょう。

京都の舞妓と芸妓の世界を知る

なじみのない世界のことを知りたいならば、まず相手側の文化や言葉を知ることが大切です。

京都観光の際、お着替え体験もある「舞妓」は、20歳前頃までの見習い期間の芸妓を指します。関東では「半玉(はんぎょく)」などと呼ばれているように、まだまだ半人前という位置付けです。この期間に、踊りや唄をはじめ、礼儀作法などを徹底的に身につけます。舞妓たちの美しさの裏では、並々ならぬ努力が行われ、伝統文化を守っているのです。

晴れて見習い期間が終わると、一人前の芸妓となります。芸妓には「立方(たちかた)」と「地方(じかた)」がいます。立方は、舞妓のような派手な装いではなく、少し落ち着いた着物を着用し、舞を踊ります。地方は、唄や三味線の担当です。装いは通常の和装姿となります。「芸妓」と呼ばれ一般的にイメージされるのは、立方でしょう。

京都のお茶屋遊びの楽しみ方

お茶屋遊びは、料亭などで芸妓や舞妓の芸を鑑賞しながら、趣向を凝らした料理を味わい、時には芸妓などにお酌をしてもらいながら酒を楽しみます。

お茶屋遊びの中で盛り上がるのが、昔から伝わるお座敷でのゲームです。種類はさまざまですが、代表的なのは歌に合わせてはかまを取り合う「金毘羅船船」や、ジェスチャーを取り入れたじゃんけん「とらとら」などがあります。

地方の三味線の調べや舞妓さんたちの巧みなリードにより、初めてお茶屋を訪れる人でも楽しめる内容となっています。

また、お茶屋遊びは、男性の遊びと思われがちですが、女性グループで訪れる人たちもいます。芸妓たちは女性の接遇もお手のもの。女性幹部の多い企業との接待の場としても、喜ばれることでしょう。

お茶屋遊びには通常、飲食代の他、芸妓などを呼ぶために必要な「お花代」、さらに「宴会ご祝儀お立替」などが掛かります。宴会ご祝儀お立替とは、舞妓や芸妓が披露してくれた踊りなどに対して支払われるものです。

料金は、お店によって違いがあります。相場としては、お花代は1人3~5万円。飲食代はお店や選ぶコースなどによって異なりますが、およそ1~2万円程度のところが多いようです。そして宴会ご祝儀立替として、1~2万円程かかります。

お茶屋遊びのマナーを知る

京都のお茶屋は、大人ならではの遊びです。下記のようなマナーを守りつつ、節度を持った大人の時間を過ごしましょう。

1. 時間には余裕を持つ

入る時間は厳守です。しかし芸妓たちが忙しい場合は、彼女たちの宴会への入りが遅れ、宴会終了時刻が遅くなる場合があります。宴会終了後の予定には、余裕を持たせた方が良いでしょう。

  1. 素足でのお座敷はNG

服装にも気を配ります。フォーマルな服装を原則として、お座敷に上がる際は、靴下を履きましょう。

  1. 食べ物は勧めない

芸妓にお酒を勧めることは構いませんが、食べ物は勧めないようにしましょう。芸妓たちは、お茶屋遊びの席で食べ物を口にしません。また舞妓は20歳未満であることが多いため、アルコールを勧めてはいけません。

  1. 過度な接触はNG

舞妓や芸妓たちは、高価な着物を身にまとっていますので、あまりに美しいからといって、触れるようなことはマナー違反です。あくまでも大人の社交場として慎み深く楽しみましょう。

京都のお茶屋で芸妓遊びをする贅沢

京都のお茶屋遊びは、独特な価値観の中で発展してきました。同時に、日本が世界に誇る文化の一つでもあります。ルイ・ヴィトンが2017年に滋賀でコレクションを発表した時、アフターパーティーとして祇園を貸し切り、セレブリティーやプレス、顧客などをもてなし、話題となりました。もちろん日本のみならず世界中からゲストを招待しています。これは、日本を代表する文化であることを象徴する出来事でしょう。

基本は紹介制ですが、一見からというお店もあります。先ずはそういったところから節度のある大人の遊び場として、京都のお茶屋で芸妓遊びを楽しんでみてはいかがでしょうか。大人が体も使いながら本気で遊べる場は、そう多くはありません。芸妓たちとのゲーム遊びは、大きなリラクゼーション効果をもたらすことでしょう。おいしい料理を味わいつつ、心身ともにリフレッシュしてください。

文・J PRIME編集部

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