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(画像=Freedomz/Shutterstock.com)

富裕層にとって悩ましいのが多額の相続税の納税です。タイミングを逃してしまうと適用できない優遇税制もたくさんあるため、相続対策は早めに取り組むことが肝要です。

生前贈与で相続対策をする方法

相続対策というと、60~70代になってから始めるイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。しかし、相続対策を始めるのに早すぎるということはありません。資産を築いたタイミング、ご家族を持ったタイミングですぐにでも相続対策を始めるべきです。

相続対策を早くから始めるべき理由は、相続対策の選択肢が増えることです。年齢が上がるほど選択肢は減り、贈与税を負担しなければならなくなったり、保険料の支払いが必要になったり、それ相応の負担が発生する相続対策しか選べなくなります。

早いうちから相続対策をすることで、国の制度を活用し、ほとんどノーリスクで相続対策を進めることができるのです。相続対策には、養子縁組を活用したものや生命保険を活用したものなどさまざまなものがありますが、最もシンプルな方法は生前贈与です。

1人当たり毎年110万円までの贈与であれば、現金や資産を贈与したとしても贈与税は発生しません。つまり、子供が2人いる場合20年間贈与を続けることで、4,400万円もの資産を子供世代に移転することができるのです。

もちろん、子供以外に孫や甥・姪に贈与するという選択肢もあります。贈与を用いた相続対策は、ご家族が多いほど、また時間をかけるほど効果を発揮する方法です。早めに計画的に生前贈与を進めることで、ノーリスクで大幅な節税ができるのです。

ライフイベントに合わせた贈与

生前贈与には、110万円の基礎控除を活用した方法以外に、非課税の特例を活用した方法があります。贈与税の非課税の特例とは相続対策に特化した制度で、祖父母や父母から子供・孫に贈与する場合にのみ適用されます。

非課税の特例というのは、一定の条件を満たせば数千万円を子供・孫に贈与したとしても、一切贈与税が発生しないという制度です。効果的に活用すればそれだけで相続税の負担を大幅に減らすことができるため、将来相続税が発生する可能性が高い方はぜひ活用するようにしましょう。

贈与税の非課税の特例には、「住宅取得資金の贈与」「教育資金の一括贈与」「結婚・子育て資金の一括贈与」の3種類があります。「住宅取得資金の贈与」では、自宅の新築等にかかる費用を20歳以上の子供・孫に贈与した場合、3,000万円まで贈与税が非課税になります。

「教育資金の一括贈与」では、教育にまつわる資金を30歳未満の子供・孫に贈与した場合、1,500万円まで贈与税が非課税になります。「結婚・子育て資金の一括贈与」では、結婚・子育て資金を20歳以上50歳未満の子供・孫に贈与した場合、1,000万円まで贈与税が非課税になります。

「教育資金の一括贈与」と「結婚・子育て資金の一括贈与」を適用する時は、金融機関と契約を結ぶ必要があります。贈与した金額は、教育や結婚・子育て以外の目的で引き出すことはできません。実際に負担した金額がわかる領収書等を提示して、金融機関からお金を引き出す必要があります。

贈与税の非課税の特例を適用する場合、贈与税がかからなくとも、必ず贈与税の申告が必要です。贈与税の申告では、非課税の特例を適用する専用の申告書や根拠書類を税務署に提出する必要があります。申告を忘れてしまうと非課税の特例は適用されないため、注意しましょう。

110万円の贈与に加えて贈与税の非課税の特例を活用することで、一気に相続対策を進めることができます。また、早めの相続対策をしておらず、急いで相続対策を進めたい場合にも、贈与税の非課税の特例は大きな効果を発揮します。ライフイベントに合わせて贈与する必要があるため、タイミングを逃さないように注意が必要です。

生前贈与で相続対策する時の注意点

生前贈与を活用して相続対策を進めていても、税務署に対して証明できなければ贈与がなかったことにされてしまうリスクがあります。そうならないためにも、生前贈与の根拠はしっかり残しておくべきです。

贈与は通帳を通してすることをおすすめします。現金の贈与だと、税務署に対して明確な贈与の根拠を示すことが難しくなります。通帳を通すことで、贈与の日付や金額の根拠を残すことができます。

家族間の贈与であっても、贈与契約書を作り贈与者と受贈者がそれぞれ署名捺印することで贈与の根拠にできます。必ず日付も入れ、贈与日の通帳コピーなどとあわせて保管しておきましょう。

文・J PRIME編集部

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