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(画像=jokki/shutterstock.com)

個人で不動産投資をすると、多額の所得税がかかります。家賃収入が多い場合や継続的に不動産投資をする予定がある場合、プライベートカンパニーの設立を検討しましょう。プライベートカンパニーのメリット・デメリットについて詳しく解説します。

所得税率と法人税率の違いを理解する

個人で不動産投資をした場合、不動産の売却益や家賃収入は所得税の対象となります。家賃収入は不動産所得なので総合課税となり、給料や保険の満期金など他の所得と合算され、課税されます。

所得税の総合課税では累進課税が採用されており、所得が増えるほど所得税率も高くなります。課税所得が195万円以下なら所得税率は5%ですが、課税所得が900万円を超えると33%、1,800万円を超えると40%、4,000万円を超えると45%の所得税率が適用されます。最高税率が適用された場合、せっかく家賃収入を得ても利益の半分近くを税金として納めなければなりません。

一方、プライベートカンパニーを設立して法人で不動産投資をした場合、不動産の売却益や家賃収入は法人税の対象となります。法人税率は最高23.2%で、800万円以下の利益に対しては19%もしくは15%という軽減税率が適用されます。

不動産収入以外にも役員報酬や給与があって課税所得が大きくなるなら、個人で不動産投資をすることはおすすめできません。目安として、課税所得が900万円を超えるかどうかを確認しましょう。課税所得が900万円以下であれば所得税率は23%ですが、900万円を超えると33%となり、法人税率よりはるかに高くなります。

不動産を購入する前に毎年の家賃収入と利益を見積もり、利益の金額に税率をかけて所得税・法人税を試算してみましょう。単年で見ると大差なかったとしても、毎年積み上がれば、かなりの金額になります。

個人で購入した不動産を後に法人で購入するとなると、不動産取得税や登記費用などが再び発生します。これから不動産投資をするなら、個人で購入するかプライベートカンパニーを設立して法人で購入するか、税率を比較して事前によく検討しましょう。

初期コストと節税効果を比較検討する

プライベートカンパニーを設立し、現在個人で所有している不動産を法人で買い取ることもできます。その場合は、買い取りによって発生する初期コストを計算し、十分な節税効果が得られるかどうかを確認しましょう。

不動産を購入すると、不動産取得税が発生します。不動産取得税は都道府県によって異なりますが、一般的に土地・住宅家屋の不動産取得税は固定資産税評価額に3%を乗じて計算します。また、住宅以外の家屋は固定資産税評価額に4%を乗じて計算します。

固定資産税評価額は、毎年5月頃に自宅に届く固定資産税の課税明細で確認することができます。手元にない場合は、役所に問い合わせれば再発行してもらうことも可能です。

不動産取得税の他にも、不動産の売買に関しては印紙代や登記費用などさまざまな費用が発生します。初期コストを正確に見積もった上で、毎年の節税効果を試算し、初期コストを何年で回収できるかシミュレーションをしましょう。

プライベートカンパニーを活用して資産を移転する

個人で不動産を所有している場合、家賃収入は個人の通帳に入金されますが、プライベートカンパニーの場合は法人の通帳に入金されます。法人に貯まった資産をどのように活用するかについても、法人を設立する前に検討することが大切です。

例えば、ご子息・ご息女をプライベートカンパニーの役員にし、役員報酬を支払うこともできます。そうすることで、資産を次の世代へ移転することができます。役員報酬を支払う場合は、税務調査できちんと説明できるよう、役員としての業務内容も定めておくようにしましょう。

業務の実態がないにもかかわらず高額な役員報酬を支払っていた場合、経費として認められないことがあります。ご子息・ご息女の年齢や職業、役員としての業務に割くことができる時間などを考慮し、適切な役員報酬を定めるようにしましょう。

文・木崎 涼(ファイナンシャル・プランナー)

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