生前贈与,方法
(画像=PhuShutter/Shutterstock.com)

富裕層の頭を悩ます種なのが相続税。相続税は、最大55%の税率がかかる高税率な税金の上に、土地などにもかかってくるため、現金が足りなくなり、家や土地を売らなければならない、というケースもあります。こういった相続税をできるだけ少なくするために使えるのが、生前贈与です。今回は、生前贈与で使えるケースを紹介します。

生前贈与に使える方法を紹介!

生前贈与により、税金を少なくする方法というのは数多くあります。もちろんすべてが使えるわけではありませんが、知っていれば、贈与税、相続税を少しでも減らすことができます。主なものをここで紹介します。

  1. 生活費はそもそも贈与税の課税対象にならない

まず知っておきたいのは、生活費や教育費はそもそも贈与税の課税対象にならないということです。しかし、注意しておきたいのは、生活費や教育費として必要な分だけしか、課税対象からは外れないということです。例えば、生活費としてもらった分が余って、預金していたり、株式などを購入していたりした場合は、課税対象となるので、注意が必要です。

  1. 年間110万円までは控除の対象に

贈与税についても、控除額があります。贈与税は、1月1日から12月31日までの間の期間にいくら受け取ったか、で税金が計算されます。そして、贈与税は、年間110万円までは、基礎控除額があります。つまり、1年で110万円であれば、どれだけ贈与しても、贈与税の対象にはなりません。たとえ10年間、1,100万円を贈与しても、そこでは贈与税は一切かからないのです。

  1. 相続時精算課税を使えば、2,500万円の控除が可能

相続時精算課税制度という制度を使っても、贈与税を抑えることが可能です。相続時精算課税を使うと、数年にわたり、2,500万円まで控除が可能になるのです。しかし、相続時精算課税を使うと、上記の年間110万円の控除は使えなくなります。どちらが有利か考えたうえで、選択するのがよいでしょう。

  1. 一括贈与を使って、税金を抑える方法も

特定のお金に関しては、一括贈与という方法を使って、税金を抑えることも可能です。例えば、結婚・子育て資金に関しては、2019年3月31日までは、1,000万円までであれば、非課税になります。また、教育資金であれば、2019年3月31日までに一括贈与することで、1,500万円まで非課税になります。さらには、住宅用の資金であれば、2021年3月31日まで、最大1,200万円まで非課税で贈与することが可能です。いずれも用途が制限されているうえに、時間の制約もありますが、うまく使えば、非課税で贈与をすることが可能になります。

  1. 個人資産を法人化して贈与する方法も

少し手間がかかる方法になりますが、不動産等を保有している場合は、不動産事業を法人化する方法も有効です。本来、個人間で不動産を譲渡する場合は、各種税金に加え、登記の変更など、様々な事務手数料がかかわってきます。それを、法人化し、株として贈与をすることで、各種手続き等が必要でなくなり、また、徐々に贈与を行うことで、税金を少なくすることができます。

これについては、メリットが大きいものの、法人を運営するというデメリットもあります。物件の規模や不動産の額で、判断することが重要でしょう。

  1. 一般社団法人を活用したスキーム

他にも、よく知られているものとして、一般社団法人を使った生前贈与というものがあります。これは、一般社団法人には「出資」や「持ち分」という概念がないので、相続税がかからない、というスキームを利用したものになります。

この手法はよく使われていましたが、今年、税制改正があり、一部このスキームを使うのが難しくなるケースも増えてきました。よく知られているスキームの場合、こういった法改正がおこりうることも、デメリットの1つと言えるでしょう。

上手に生前贈与を活用して、税金を最小限に抑えたい

こういった節税対策は、その方法や、ルールを知らないと、実際に使うことはできません。実際、すべてのケースを使うようなことは希ですが、このうち、1・2個使うことでも相続税は軽減されます。次世代に残す大事な資産を守るためにも、こういったスキームを知って、税金を最小限に抑えてみましょう。

文・J PRIME編集部

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