小規模宅地,特例,節税
(画像=Santiago Cornejo/Shutterstock.com)

小規模宅地等の特例とは、特定の条件を満たした場合、相続人が事業で使用している宅地や居住用として使用している宅地について、ある一定の限度面積までは節税になるという制度です。

最大80%の節税になるということで、相続対策として人気がある反面、手続きや条件等が複雑です。使い方を間違えると、追加徴税になったりするリスクもあるなど注意が必要な制度でもあります。

どういうケースの場合、小規模宅地の特例が適用される?

では、どういう場合に小規模宅地の特例が適用されるか具体的に解説しましょう。小規模宅地は、3つのケースに分けられます。

  • 特定居住用宅地

特定居住用宅地とは、相続される人(被相続人)が住んでいた宅地を指します。この場合、被相続人の配偶者であれば無条件に、この制度を利用することができます。または、被相続人と同居していた親族が相続税の申告期限まで引き続き住んでいた場合も制度を利用することができます。また、それ以外の場合であっても被相続人に配偶者やその他法定相続者がおらず、相続開始3年前から被相続人の家屋に居住したことがない場合は本制度を利用することができます。

加えて、被相続人と生計を共にする親族が住んでいた場合も、特定居住用宅地として小規模宅地の特例を利用することができます。この場合、配偶者または被相続人と生計を共にする親族が相続し、かつ申告期限までその宅地に住んでいた場合に本制度を利用することができます。

特定居住用宅地は最大330㎡までで、最大80%の節税ができます。

  • 特定事業用宅地

特定事業用宅地とは、不動産事業や駐車場事業以外の事業に使っていた宅地(例えば、店舗などのケースがあります)を指します。この場合は、被相続人が死亡後も相続税の申告期限まで事業を引き継ぎ、かつ、その宅地を申告期限まで保有していれば本制度が適用されます。これは、被相続人が事業を営んでいた場合と被相続人と生計を共にする親族が事業を営んでいた場合両方のケースで適用することができます。

特定事業用宅地は最大400㎡までで、こちらも最大80%の節税ができます。また、特定居住用宅地と特定事業用宅地は併用することができます。

  • 貸付事業用宅地

貸付事業用宅地は、不動産事業や駐車場事業に宅地を使っていたケースを指します。この場合も貸付事業を相続後も申告期限まで引き継いで行うこととその宅地を申告期限まで保有していれば、小規模宅地の特例を受けることができます。特定事業用宅地同様、被相続人と生計を共にする親族が事業を営んでいた場合も同様です。

貸付事業用宅地と特定事業用宅地が違うのは面積と節税率です。貸付事業用宅地の場合、面積の上限は220㎡まで、税率は50%までになっています。

他にも、特定同族会社事業用宅地の場合や、日本郵便株式会社に貸し付けられている一定の郵便局舎の敷地の用に供されている宅地等の場合もありますが、稀なケースと言ってよいでしょう。

こういうケースに注意!

小規模宅地の特例を使う際に、適用されるケース、適用されないケースがあります。特に、以下のような場合は注意が必要です。

  • 特定居住用宅地を、限度の面積を超えて相続した場合

いずれの宅地も特例を受けるのには限度があります。例えば、特定居住用宅地の場合、限度面積は330㎡です。それ以上の面積の場合であっても、減税になるのは330㎡までです。500㎡の特定居住用宅地を相続した場合、330㎡分は80%の減税になりますが、残りの170㎡については減税されないので、注意が必要です。

  • 相続した土地を、早々に売ってしまった場合

相続した土地を使わないのであれば早々に売ってしまいたい、ということもあるでしょう。しかし、小規模宅地の特例を利用した場合、申告期限(相続時から10か月後)まで宅地を保有していることが条件になります。この条件を失念して宅地を売却した場合、追徴課税がかかることもあります。期限についても合わせてしっかりと確認をするようにしましょう。

  • 相続人が2人いた場合

兄弟で相続した場合はどうなるでしょうか。特定居住用宅地を兄弟で相続した場合、兄弟で合わせて330㎡までが特例の適用対象となります。兄、弟ともに330㎡相続した場合は、いずれも330㎡の半分の165㎡が特定の対象となり、残りの165㎡は減税されません。あくまで合計330㎡であることを理解しておくべきでしょう。

小規模宅地の特例は、まずは税理士に相談を

小規模宅地の特例は最大80%も税金が減額になるという点から使い方次第では相続対策の大きな武器になります。しかしながら、制度や条件が複雑であることから、なかなか素人が断片的な知識で扱えるものではありません。

もし、少しでも小規模宅地の特例を使えそうなケースであった場合は自分で判断せずに税理士などに相談することをおすすめします。

文・J PRIME編集部

>>会員登録して限定記事を読む

【関連記事】
いま世界的に「ブランドロイヤルティ」が低下しているわけ?
超富裕層が絶対にしない5つの投資ミス
「プライベートバンク」の真の価値とは?
30代スタートもあり?早くはじめるほど有利な「生前贈与」という相続
富裕層入門!富裕層の定義とは?