コラボカー

例えばシトロエン×エルメス、フィアット×グッチといったラグジュアリーブランドとクルマのコラボレーション。あるいはアバルト×フェラーリ、トヨタ×アストンマーティンといったクルマとクルマのコラボレーション。相乗効果でプレミアム性が急騰したコンパクトカーなら、オヤジの旺盛な所有欲を満たしてくれます。

「特別」や「限定」などの単語の響きがオヤジの琴線を刺激!?

オトコというのは、希少価値の高いモノに弱い生き物です。子どもの頃はテレビのヒーロー物のカードを、それもなるべく希少なカード集めに熱中。成長とともにカードがミニカーになったり、ゲームのレアアイテムになったり……、あるいは切手やコイン収集に走ったりしたオトコもいるかもしれません。いずれにせよ「他の人が持っていない」とか「今だけここだけしか手に入らない」とか、プレミアム性を追求しているのは間違いありません。

クルマ選びも同じこと! いや、クルマこそ“他の人が決して乗っていない”ような稀なクルマへの欲求は深刻ですよ。なぜなら、バッグや時計が他の人とカブッてしまったら、すぐに隠してしまえばいいし、なんならその場から直ちに立ち去ればいいんですから。ところが、クルマで信号待ちしている際、隣に同じクルマが停まった時の気まずさといったら…青信号とともにもうダッシュして隣町まで突っ走っちゃうほどですから。だからと言って、特別な顧客向けのワンオフモデルのみ生産しているパガーニ・ゾンタじゃあ、まったくリアリティがありません。ゾンタならどこを走っていてもカブらないのは間違いありませんが、なにしろ時価数億円ですから(苦笑)。

そこでお薦めなのが、今回紹介するコラボカーです。パッと見は何の変哲もないコンパクトカー(おっと、モデルによってはかなり派手なのもありますが)ですが、実はラグジュアリーブランドとかとコラボレーションしたことによって、内装やディテールがゴージャスになっているのです。この「内装が特別」っていうのが堪りませんよね……なにしろ内装というのは自分にいちばん近いところなので、運転している間中その特別感をず〜っと味わうことができますからね。また、誰かを乗せた時(もちろん女性を!)、乗った瞬間に「えっ、このクルマって凄〜い」と外と内のギャップにメロメロになっちゃいますから。
まぁ、このギャップというのは、実は「小さいクルマは安っぽい」という誰もが持っている気持ち(=本音)の裏返しなんですな。そうした本音、すなわちクルマのヒエラルキーを覆すのがこのコラボカーの存在理由であり、魅力でもあるのです。

ちなみに、このような考えは実は昔からクルマメーカーも思っていたようで、シトロエンが2008年のパリモーターショーで発表した2CVとエルメスのコラボカーが良い例でしょう。インテリアをエルメスの高級レザーでゴージャスに仕上げた2CVは、そりゃあそりゃお洒落で当時は誰もが垂涎する1台だったに違いありません。これがシトロエンの高級車ではなく、ほぼ農耕車扱いだった2CVだったからこそ、エルメスとのコラボがとてつもなく魅力的なクルマになったんです。残念なことにこれはショーモデルだったらしく、現在のセカンドマーケットには出回っていません。

コラボカー

シトロエンが1984年に作った名車、2CV。非力な空冷水平対向2気筒OHVエンジンやぺなぺなのボディは現代のクルマと比べるものじゃありませんが、そのお洒落な出で立ちやキャラは今でもエンスーの間で人気です。そんな2CVをエルメス仕様にしたのがこのシトロエン2CVエルメス・エディション! ただでさえお洒落な2CVが、エルメスという付加価値によって、その魅力が3倍増しになっています。もしも…万が一、まかり間違って(?)セカンドマーケットで見かけたら(レプリカはあるみたいですが)、即買いしたい1台です。

コラボカー

シートはもちろんダッシュボードやハンドル、ドアノブに至るまで、すべて美しいエルメス・オレンジのヌメ革を採用。エルメス自慢の皮革技術を駆使したインテリアは、まるで「バーキンか!?」とつっこみたくなるようなお洒落さです。

以下で今回ご紹介する7台はそこそこセカンドマーケットで見かけます。いずれもセカンドマーケットでも値崩れしていないところが(かと言って、無意味なプレミアムプライスでもありません)、コラボカーの魅力の一つであり、つまるところリセールバリューも良いところも魅力の一つに加えることができます。

かように高い希少価値、満足度200%、女のコ受け抜群に加えて、コンパクトカーはならではの使い勝手の良さに納得いただけたなら、ぜひとも明日からセカンドマーケットでコラボカーを探してはいかがでしょう!?

これぞフレンチカジュアルのお手本!シトロエンC3 セントジェームス

コラボカー

シトロエンのコンパクトカー C3と、フレンチカジュアルファッションブランドの「セントジェームス」がコラボした特別仕様車。2019年のデビューは日本独自のモデルでしたが、好評を博したおかげで2021年にグローバルモデルを発表。ルーフのカラーリング&ロゴからシートの布地&ステッチに至るまで手が加わり、シックかつお洒落な1台に仕上がっています。2021年のグローバルモデルの価格が272万5000円ですが、セカンドマーケットでは200万前後に安定しています。

コラボカー

エクステリアはルーフに青/赤/白のトリコロールとセントジェームスのロゴ、Cピラーやフロントドアにもステッカーがあしらわれています。インテリアはシートの生地やステッチにセントジェームスの手が入り、お洒落に仕上がっています。

奥様かお嬢様が乗ってもいいかも!? DS 3 ジバンシイ ル メイクアップ

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プジョー・シトロエン・ジャポンの高級ブランド「DS」のコンパクトカー DS3と、パリのコスメティックブランド「パルファム ジバンシイ」とのコラボで生まれたクルマです。オパールのような白い特別ボディ色と、女性の肌を健やかに見せるインパネのピンク色が特徴的。また、ジバンシィのロゴがレーザー加工されたセンターアームレストにジバンシイのメイクアップセットが標準装備するなど、女性ユーザーを意識した特別限定車です。2016年発表当時が299万9000円でしたが、現在のセカンドマーケットの価格は170万円前後。

見た目のキュートさがグッチによって倍増! フィアット500 バイ グッチ

コラボカー

コロコロとした可愛いボディが女性から大好評のフィアット500ですが、2011年にイタリア統一150周年とグッチ創設90周年を記念した特別限定車を発表。グッチのクリエイティブディレクターのフリーダ・ジャンニーニ自らがカスタマイズしただけあって、ハイセンスかつハイクオリティな1台に仕上がっています。デビュー当時の価格は260万円でしたが、10年経った今でもセカンドマーケットで180万円前後と大幅な値崩れはありません。

コラボカー

ボディカラーは美しい光沢のブラックとホワイトの2種展開で、グッチのロゴやストライプが随所に入っています。シーと、シートベルト、キーカバーなどにもジャンニーニのセンスによる“特別”なカスタムの手が入っており、シックで洗練された雰囲気に仕上がっています。

トヨタiQが高級車に格上げ!? アストンマーティン シグネット

コラボカー
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前述の3台(2CVエルメス・エディションを入れたら4台)はクルマとファッションブランドとのコラボでしたが、ここからはクルマとクルマのコラボを紹介しましょう。

まずはイギリスの高級スポーツカーブランドと日本が世界に誇る大メーカーのコラボカー…って聞くと「とんでもないスポーツカーの誕生か!?」ワクワクしますが、ベース車両はトヨタの小ちゃいクルマ iQなんです。アストンマーティン はトヨタから供給されたiQ完成車をわざわざバラし、消音材を追加したり、フロントグリルを変更したり、ボンネットやフロントフェンダーやリアゲートの形状を変えたりしました。さらにインテリアをレザー仕様にしたり、インパネの数字のフォントを変えたりといった細かいディテールにも手を加えた結果、価格は490万円(CVTモデル)に!
デビューから1.5年が経過したセカンドマーケットでは、なんと680万〜800万円というプレミアムプライスが付いています。今後ますます値上がりすることが予想されるので、今のうちに買っておくといいかもしれません。

ズルいくらいカッコいいダブルネーム! アバルト695トリブート・フェラーリ、アバルト695エディツィオーネ・マセラティ

コラボカー
コラボカー

愛くるしいイタリアンコンパクトカー、フィアット500を過激にチューンしたアバルト695。それをイタリアとイギリスの名門スポーツブランドとコラボしたんですから(ダブルネームというよりトリプルネームか!?)、「そりゃズルいよ」とクレームが入るくらいカッコいいコラボカーです。ズルいのはもう一つあって、他のコラボカーがパッと見は普通のコンパクトカーなのに、この2台はかなりイケイケおらおらな外観なんです。しかもエンジンもパワーアップ(どちらも180PS)なので、セカンドカーとして大人しく乗っていられないかもしれません。トリブート・フェラーリの新車価格が569万5000円で、約10年経った今のセカンドマーケット価格は500万円弱。エディツィオーネ・マセラティの新車価格が499万円で、現在のセカンドマーケット価格は300万円ほど。性能、キャラ、価格相場を考えれば、どちらも“買い”なのは間違いありません。

パッと見はMINI、中身はロールスロイス! BMW MINIインスパイアード・バイ・グッドウッド

コラボカー
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BMW MINIクーパーSをベース車両とし、ロールスロイス・モーターカーズのデザイナーであるアラン・シェパードが手がけた世界限定1000台のコラボカーです。なにしろMINIですから、街中を走っていると“単なるMINI”と何台もすれ違うかもしれません。でも、このMINIの内外装はロールスロイス流の厳選された最高峰のパーツと技術で仕上げられているのですから、乗っているオーナーの満足度は微塵も揺るぎません。イギリスの自動車の聖地と言われる「グッドウッド」を車名に用いているだけで、一言も「ロールスロイス」と表記していない奥ゆかしさも堪りません! 2012年デビュー当時の価格が570万円でしたが、約10年経過した今のセカンドマーケットでは650万円とプレミアムが付いています。

編集・文_高 成浩


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