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(画像=aapsky/Shutterstock.com)

中小企業や法人の利益を「将来に繰り延べる効果」が見込めるオペレーティング・リース。節税効果にプラスして、この仕組みをうまく活用することで「経営者の退職金の準備」や「企業承継時の自社株対策」も期待できます。今後ますます広がっていくことが予想される航空機のオペレーティング・リースにフォーカスします。

オペレーティング・リースで利益を将来に繰り延べられる

航空機のオペレーティング・リースの中身を一言で表現すれば、「航空機のリース料でリターンを得る仕組み」です。投資先から集めた出資金や、金融機関の融資などをもとに航空機を購入。これを航空会社にリースして利益を得て、投資家に分配します。運営の母体となるのは「匿名法人」とよばれる受け皿です。

この匿名法人は案件ごとに立ち上げられ出資を募ります。匿名法人は「特別目的会社」などと呼ぶこともあります。

航空機のオペレーティング・リースへの出資メリットとしては、長期的なリターンが得られることが挙げられます。運用期間は「~10年前後」の設定が多いようです。ただし、この長期運用だけが魅力なら、バッティングする投資商品は数多く存在し、オペレーティング・リースを選択する必然性が低いといえます。

中小企業の経営者を中心に、オペレーティング・リースが支持されている理由は、「利益を将来に繰り延べられること」にあります。大きな流れとしては、はじめのうちは多額の減価償却費を計上でき、それが年数の経過とともに徐々に減っていきます。一方、配当は毎年ほぼ一定ですので、結果的に、当初は損失計上、途中から利益計上に転換します。

例えば、直近で利益が出ていて節税したいのであれば、オペレーティング・リースの減価償却費によって損失を計上し、利益を圧縮することが可能でしょう。そして将来、景気の悪化などによって会社の売上が減った際には、オペレーティング・リースで得た利益を運転資金に充てることもできます。

事業承継を予定している中小企業とも相性がよい

この「利益を将来に繰り延べられる」特性は、他にもさまざまな活用方法があります。

一般的な航空機のオペレーティング・リースは、運用の最終年にもっともリターンが増大します。理由は最終年には航空機の売却があり、その売却益も投資家に分配されるからです。

この特性を利用し、「運用の最終年」に「社長の勇退する年」を合わせて設定して、オペレーティング・リースの配当で退職金をカバーするといった考え方もできます。これにより、その時の経営状況が悪くても、社長の退職金をスムーズに用意しやすい環境がつくれます。

合わせて事業承継をする場合は、はじめのうちに減価償却費を多く計上できる特性を使って、自社株の価値を下げることも可能でしょう。これにより、後継者への自社株移転がしやすい環境をつくりやすくなります。

オペレーティング・リースのデメリット「解約の制約」と「為替リスク」

オペレーティング・リースの主なデメリットには、「解約の制約」と「為替リスク」があります。まず解約の制約ですが、オペレーティング・リースは途中で解約できない(あるいは解約しにくい)条件になっていることがほとんどです。そのため、急速に資金繰りが悪化した場合は、潜在的な利益があるのに手元資金が足りない状況に陥ってしまいます。

一方の「為替変動リスク」は、オペレーティング・リースはドル建てのことが多いため、為替の状況によって損失が発生する可能性もゼロではありません。

一般的な航空機のオペレーティング・リースは、最低出資額が1,000万円前後~で設定されていることが多いようです。少なくない額ですので、メリット、デメリットを比較した上で慎重に出資を判断することが大切です。

なお、ここでは航空機をテーマにしましたが、オペレーティング・リースの対象分野には、船舶、設備、コンテナなどもあります。

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