911タルガ

クーペとカブリオレの良いトコ取りをした911タルガはポルシェ通ならずとも垂涎の一台でしょう。今こそ所持したい歴代のタルガ。改めてその魅力を振り返ってみようと思います。

いつの時代も人気だったタルガ。実は令和の今こそお似合い!

「最新のポルシェが最良のポルシェ」と謳う911乗りですが、性能ばかり追ってしまうと“911ラビリンス”に迷い込んでしまいます。そこでお薦めなのが、いつの時代も不変不動のキャラクターで人気を博している「タルガ」です。

そもそも911タルガは1965年のフランクフルト・モーターショーでデビュー。カブリオレでもクーペでもハードトップでもない斬新なモデルは、アメリカマーケットで「カブリオレは転倒時に危険!」という声が上がったことに対応して、ポルシェがすぐさま作ったのでした。ちなみに名前の由来は、ポルシェが1950年代半ばから勝ち続けていた、イタリア・シチリア島でのロードレース「タルガ・フローリオ」から。

さて、そのタルガの魅力はと言うと…先述の“カブリオレでもクーペでもハードトップでもない”トコロでしょう。逆に言えば、カブリオレとクーペとハードトップの良い点をすべて持ち合わせているというワケです。ですから、1965年のデビューからいつの時代もタルガは、他ライバル車(911のタルガを除くモデルも含めて)の人気が浮き沈みしても熱い支持層を集めていたんです。 そう! まるで名だたるメゾンのカバンや名作時計のように!

昔むか〜しの“イケイケオラオラ”な時代は、時間や場所を問わずオープンカーの屋根を降ろして走っていることが当たり前でしたが、世の中がしおらしく真面目になってしまった昨今には、そんな乗り方は似合いません。

特に昼間の街中でオープンエアモータリングを楽しみたい時こそ、このタルガが活きてくるのです。すなわちカブリオレのように大衆に身を晒すことなく、空=風を楽しむことができるってこと!

911には最初の901ボディから、AピラーとBピラー(ロールバー兼用)の間の屋根がぽこっと取れる「タルガトップ」をラインナップしていましたが、993ボディから屋根が斜めにスライドする仕様に変わってしまいました。この“斜めスライド式タルガ”には賛否両論あったようで、993〜996〜997の後、991ボディで昔のような仕様に戻ります。 現行の992ボディのタルガも昔と同じように“頭の上だけ屋根が無くなる”形式をとっており、世界中で大人気を博しています。

タルガには911ターボやGT3のように尖った魅力はありませんが、全方位に高得点を持っているのがタルガの本質かと思います。そういうタルガのキャラクターを十分に理解している911通ですが、実はタルガには「カレラ」という冠が付かないという些細な事実がほんの少し寂しいのです。

911タルガ
911タルガ

901ボディも930ボディもタルガは大人気。当初は折り畳み式のプラスチック製リアウィンドウでしたが、1967年後半あたりからガラス製がオプションに加わりました。

911タルガ

964ボディのタルガはセカンドマーケットに多数あり、価格がこなれているうえ、メンテナンスも容易なので狙い目かと思います。

911タルガ

993〜996〜997ボディに採用された“斜めスライド式タルガトップ”。画像は996ボディですが、Aピラーからルーフラインが繋がっているので、開放感はイマイチ!

911タルガ

991ボディから昔のタルガトップの形……AピラーとBピラー(ロールバー)の間がスパッと開くように戻りました。

911タルガ

現行の992ボディのタルガは世界中で超々大人気! いくら欲しくても生産が間に合わず、マーケットではプレミアが付いているとか。

Staff
文_高 成浩


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