HERMES
(画像=Birute Vijeikiene/Shutterstock.com)

エルメスのムチやアップリケ、ルイ・ヴィトンの旅行ガイドブック、ディオールのミサンガブレスレットなど、世界を席巻するラグジュアリーブランドは、意外なアイテムを発表しています。ブランドイメージを大切にするラグジュアリーブランドのこういった作品には、ブランドが生まれた背景やメッセージが反映されています。今回は、各ブランドが販売している意外なアイテムと、そこにこめられたストーリーをご紹介します。

エルメスのムチ&アップリケ

ハリウッド女優からモナコ王妃となったグレース・ケリー愛用の「ケリーバッグ」をはじめ、さまざまな作品で人々を魅了し続ける「エルメス」。同ブランドでは、意外なアイテムとしてムチが作られています。

ムチの存在は、エルメスの歴史に由来します。1837年、高級馬具工房として生まれた同社。3代目のエミール・モーリス・エルメスの頃から、カバンや財布などの皮革製品をはじめ、香水、宝飾品なども手掛けるようになりました。しかしどのように事業を拡大しようとも、ムチをはじめとする馬具を大切にし、その技術を受け継いできからこそ、世界中の人々に愛され続けているのかもしれません。

また、エルメスはレザー製のアップリケセットも提供しています。シンプルなアップリケと共にシルク糸のボビンや針も付いたセットです。それを用いて好きなように創作し、時には古くなった箇所を繕う、という創造性ある行為を、エルメスは提案しているのです。これも職人の技を大切に守り続けるエルメスからのメッセージといえるでしょう。

ルイ・ヴィトン

世界を代表するラグジュアリーブランド「ルイ・ヴィトン」の創始者ルイ・ヴィトン氏は、1837年にパリの荷造り用木箱製造職人のマレシャル氏のもとで、見習いとして働き始めました。それがヴィトン氏のトランク職人としての「原点」となったのです。そのためトランクは現在でもブランドの重要なアイテムとして大切にされています。

旅行用トランクがルイ・ヴィトンにとって重要なアイテムならば、旅行ガイドブック「ルイ・ヴィトン シティ・ガイド」があることもうなずけるのではないでしょうか。

ルイ・ヴィトン シティ・ガイドとは、世界各地の旅行情報が楽しめる書籍や、モバイル・アプリです。ルイ・ヴィトンならではの独自の視点で選んだ情報が掲載されています。

また「トラベルブック」も注目したい冊子です。トラベルブックは、それ自体がアート性の高い作品で、眺めているだけで現地への期待が膨らむ楽しいアイテムとなっています。トラベルブック東京版では、ピクセルアートのパイオニアであるeBoy氏が、さまざまな東京の表情を軽快に表現。このようにルイ・ヴィトンでは、旅にちなんだ作品を大切にし、多くの人の心をとらえ続けているのです。

ディオールのミサンガ

1946年にパリで創業して以来、ファッション界に数多くの衝撃を与えてきたフランスのラグジュアリーブランド「ディオール」。ここにも、意外なアイテムがありました。それは2018年の「クルーズコレクション」で発表されたミサンガブレスレットです。ミサンガとは刺繍糸やビーズを編んで作る、ひも状の装飾品のこと。

「CHRISTIAN DIOR J’ADIOR」のロゴが描かれたこのミサンガブレスレットは、ネイティブアメリカンから着想を得たアイテムです。

このアイテムを生み出したのは、ディオールのクリエイティブ・ディレクターであるマリア・グラツィア・キウリ氏。彼女は、2016年まで「ヴァレンティノ」でクリエイティブ・ディレクターを務めていましたヴァレンティノを辞した彼女が、異なるブランドでの初コレクションで打ち出した作品の一つが、このミサンガブレスレットでした。彼女はどのような願いを込めて、この品を世に出したのでしょうか。

そのヒントは、ブレスレットのロゴにありました。J'ADIOR(ジャディオール)とは、フランス語の「私(Je)」と「好き」を意味するAdoreに、Diorをかけあわせた造語といわれています。ミサンガは、身に付けて、やがて自然と切れることで願いごとが叶う、と多くの人に信じられています。「CHRISTIAN DIOR J’ADIOR」と描かれたミサンガブレスレットは、新しく動き出したディオールの決意が読み取れる、アクセサリーなのです。

ブランドは背景を知るともっと面白くなる

エルメス、ルイ・ヴィトン、ディオールといった世界を魅了する3つのラグジュアリーブランド。それらの意外なアイテムは、どれも独創性にあふれた作品ばかりです。今回ご紹介した他にも、ラグジュアリーブランドには、たくさんの意外性に富んだアイテムがあります。その背景を知りながら楽しむことで、さらにアイテムへの愛着もわいてくるのではないでしょうか。

文・J PRIME編集部

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