男のロマンを体現した時計ブライトリングの魅力とは
(画像=Tupungato/stock.adobe.com)

「ブライトリング」は、日本でもテレビCMが流れるようになり、知名度が高まっているスイスの時計メーカーです。ただ、パイロットウォッチ、クロノグラフといえば、他メーカーのイメージの方が強いかもしれません。

ところが、航空機用の時計のパイオニアといえばブライトリングです。そのメカニカルでミリタリー仕様の超カッコいいたたずまいは、多くの男性をとりこにしています。今回は、そんなブライトリングの歴史やその時計の魅力に迫ります。

ブライトリングの始まりは?

スイスのサン・ティミエに生まれたレオン・ブライトリングは、時計師の修行を終えた1884年24歳の時に、この地に小さな時計工房を設立しました。レオン・ブライトリングの腕の高さは当初から有名で、彼はクロノグラフを得意としていました。

創業当初より、クロノグラフに目標を絞り、懐中時計のクロノグラフやストップウォッチを中心に製作し、多くの賞を受賞しました。スピードを計測できる彼の時計の性能は警察に正式採用されるほどでした。おおやけにも認められることで、時代が時間を計測することに敏感になってきたことを感じ取ります。

こうしてブライトリングは、自らの作るものについて「時計ではなく計器である」という理念を持ちました。

1892年、スイスの時計産業の中心地ラ・ショー・ド・フォンに移転して規模を拡大し、一大時計ブランドとしての基盤固めを行います。

当時、ちょうど飛行機が実用化され始めた頃でした。レオン・ブライトリングはこれに大変興味を持ち、パイロット用にと懐中クロノグラフの製作を開始します。この方針は彼が1914年に急逝した後も、息子のガストン・ブライトリングに継承され、30分積算計が装備されたワンプッシュ・クロノグラフを開発したのです。

この時計は2時位置にプッシュボタンがあり、現在のクロノグラフ腕時計の原型とされるモデルだとされています。

1915年前後といえば、第一次世界大戦勃発後間もないころで、軍需品としてのクロノグラフの需要が大きくなりつつありました。ガストンの死後は、ウィリー・ブライトリングが飽くなき探求心で開発を継続、そのクロノグラフは進化を続けます。1936年、ついに英国空軍のサプライヤーとなり、ここから航空機業界との連携が始まります。

このように、ブライトリングの歴史は親子三代にわたって「計器としての時計」を開発してきた歴史であり、クロノグラフの歴史そのものと言ってもいいでしょう。

メカニカルなクロノグラフのデザインがかっこいい

ブライトリングの歴史を見ると、時計を計器としてその機能を開発してきたことがわかります。1950年ごろまでパイロットたちは、刻一刻と変わる気象条件の中、燃料の残量を見ながら、到達予定時間、目的地までの距離と平均速度を計算しながら飛ぶ必要がありました。

パイロット向けの時計とは、腕時計からそれら複雑な情報が得られるように、クロノグラフのストップウォッチ機能はもちろん、タキメーターや計算尺まで追加した結果、「機能美の塊」ともいえるあのブライトリングのカッコいい時計が出来上がったのです。

クロノグラフに計算尺やタキメーターが着いたモデルは他のメーカーにも多く見られますが、ブライトリングの機能美はブライトリング親子三代にわたる開発の結果であり、簡単に真似できるものではありません。

代表的モデル

クロノマット

「クロノマット」は、1942年に発表された航空用のクロノグラフが始まりです。現代のモデルは1984年、ブライトリングの100周年を記念して発表されたものがベースになっており、現代の生活の中のあらゆるシーン、フォーマルな場でもレジャーでも違和感なく使用できるデザインを掲げています。

機械式クロノグラフの可能性を世に知らしめた、ブライトリングを代表する時計だと言えるでしょう。

エマージェンシー

エマージェンシーはその名のとおり、極めて特殊な時計です。所有に資格要件があるのです。その要件は次の2つです。

  1. 航空機のパイロット又はパイロットに準ずる者。つまり、航空法第二十四条で定める定期運送用操縦士、事業用操縦士、自家用操縦士、航空士、航空機関士、航空通信士、航空整備士、航空工場整備士のいずれかの技能証明を有する方。
  2. 電波法第四十条で定める日本国の無線従事者資格を有する方。

航空業界のプロフェッショナルでないと買うことすらできない理由は、この時計が国際航空救難信号を発信する機能を持っているからです。誤用した場合、混乱を招かないよう購入時に各種の手続きも必要となります。

時計もいろいろありますが、ここまで特殊なものは、後にも先にもなかなか見つかりそうにありません。

ナビタイマー

ブライトリングのナビタイマーといえば、ブライトリングの顔です。世界中で人気を誇る機械式クロノグラフ、ブライトリングの伝説を語ろうとするとき、この時計が傍らに無ければ語れないでしょう。

ナビタイマーの「ナビ」は、「ナビゲーション」(航法)のナビ。タイマーは時計です。クロノグラフに、タキメーター、計算尺を備えたパイロット用の時計として開発されました。現在では非常に多くの種類があり、航空用譲りの機能美を日常のおしゃれに生かせる多彩なモデルが展開されています。

モンブリラン

ナビタイマーと外観が似ているため、間違いがちなのですが、違いはそのコンセプトにあります。ナビタイマーは、時代に合わせて進化を続けていきますが、このモンブリランは1940年代~1950年代のクラシックなスタイリングを保持するというコンセプトで作られています。

外見での見分け方としては、サイズが小さいこと、赤いデシマルメーターを持つこと、文字盤に記されたブライトリングのロゴが筆記体であることが挙げられます。

ブライトリングをもって旅に出よう

ブライトリングは「計測機器としての時計」「パイロット用の時計」としての道を歩み続けてきたこと、その歴史、ヘリテージそのものがブランドとなっています。複雑に数字の刻まれた文字盤を使いこなしている姿はまさに男のロマンです。

例えば、ブライトリングを腕に着けて、スマホの電源を切って全国をツーリングすると言うのはいかがでしょうか。過酷な環境を乗り越え、信頼する腕時計を頼りに計算しながら目的地にたどり着くことによって得られるロマンは、普通の旅とは根本的に異なるものでしょう。

ブライトリングの時計は、人間の知恵と勇気で自然を乗り越えてきた証です。まるでデジタル機器にこき使われているような現代人の日常が、人としての不自然さを抱えていることに気づかせてくれるかもしれません。

文・J PRIME編集部

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