涼を求めて出かけたい。水辺を臨める美術館5選
(画像=inoumasa/stock.adobe.com)

コロナ禍で夏本番を迎え、レジャーに出かけづらい状況の中、暑さを避けて静かな美術館でゆっくり過ごすのもいいですね。美術館は庭園や景色も素晴らしいところが多くありますが、これからの季節なら、海や川のほとりであればより爽やかな気分になれそうです。そんな水辺の美術館を見てみましょう。

3万坪の敷地に庭園が広がる「DIC川村記念美術館」

千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館は、20世紀美術を中心とした多彩な「作品」、それにふさわしい「建築」、季節ごとに景色を変える豊かな「自然」、これら3つの要素が調和した美術館を目指して1990年に開館しました。

レンブラント、ピカソ、シャガールなどの世界的な画家の有名作品から戦後のアメリカ美術まで、多様な作品を鑑賞できます。緑の生い茂る広大な庭園は北総台地と呼ばれるこの土地の地形と自然を生かして設計され、四季ごとの景色や散策を楽しめると評判です。噴水のある大きな池には夏、睡蓮が咲き、まるでモネの絵画のよう。1階展示室の一角には茶席があり、この池や庭園を眺めながらお茶と和菓子で一服することができます。

美術鑑賞と庭園散策を合わせて、丸一日楽しむことができます。

湘南の海と富士山の絶景を臨む「神奈川県立近代美術館」

自然豊かな葉山の地にあって、絶景の中にたたずむのが神奈川県立近代美術館(通称葉山館)です。高さを押さえた白い外観、広い中庭、自然光が採り入れられた展示室など、山と海に囲まれた環境と調和して明るさと開放感が演出されています。

日本の公立美術館の中でも極めて豊富な作品数を誇り、その数は絵画から彫刻、版画、工芸を含む日本近代の美術作品を中心に約1万5,000点にも上ります。中でも彫刻作品は多彩なコレクションを有しており、建物の周囲をめぐる散策路でもさまざまな野外彫刻に出会うことができます。松林の向こうには一色海岸が広がり、波音に耳を澄ませば、すがすがしく吹く海風に癒やされます。また、展望台からは江の島や、天気が良ければ富士山も展望可能。

併設されたレストラン「オランジュ・ブルー」では、この最高のオーシャンビューとともに、三浦近海で獲れた魚介類や地元産の野菜を使ったメニューを楽しむことができます。

目の前に広がるのは相模灘「MOA美術館」

静岡県熱海市の高台に建つ美術館です。広大な敷地の中には、日本庭園や茶室が完備され、尾形光琳の屋敷が復元されています。

2017年に「新素材研究所」によってリニューアルした館内には、秀吉の黄金の茶室の復元や実際に多目的に活用されている能楽堂があります。毎年1月から3月の梅のシーズンに合わせて限定公開している国宝、尾形光琳「紅白梅図屏風」をはじめとした国宝と重要文化財を所蔵し、日本の伝統的な芸術と美術品に特化した展示をしています。ロビーの大きな窓一面に相模灘が広がり、遠くに臨む初島や伊豆大島は、美しい風景画のようです。

大堰川に架かる渡月橋を臨める福田美術館

京都を代表する景勝地といえば嵐山です。平安時代から多くの和歌にも詠まれ、文化の香りも高いこの地に、2019年10月にオープンしたのが福田美術館です。

円山応挙、伊藤若冲、横山大観など、京都画壇の作品を中心に江戸時代以降近代にいたる著名画家のコレクションを有しており、中には本邦初公開となる貴重な作品も。また、竹久夢二の作品を350点もそろえているのも特徴です。

大堰川のほとりに建ち、館内のカフェからは渡月橋を一望できるなど、観光地の中心にあって抜群のロケーションです。「100年後のスタンダードとなるような新しい日本建築を志向した」という建物は、外観こそ和モダンな印象ですが、内部には「蔵」をイメージした展示室、縁側を模した廊下には網代文様という伝統模様で装飾されたガラスが使われるなど、京町屋の意匠が随所に見られます。日本の美の伝統と革新が融合したこの美術館は、今後嵐山の新たな観光スポットとして認知されていくこと間違いなしです。

奄美の絶景に魅了される田中一村記念美術館

鹿児島県の奄美パーク内にあるのが田中一村記念美術館です。奄美の動植物を描き日本のゴーギャンと呼ばれた日本画家・田中一村のコレクションを常設展示しています。

パーク内でひときわ目に止まるのが南国のバンガローのように水辺の上に立つ建物です。それは、奄美大島の高倉(高倉式倉庫)をイメージした展示室で、一村の東京、千葉時代と、奄美に移住してからの作品を展示しています。パーク内の展望台や展望タワーからは奄美の海を満喫できます。一村の画業に触れた後は、一村も愛した奄美の青く輝く海を眺めながら画家への思いをはせるのもいいでしょう。

水のある風景とアート鑑賞のいい関係

水にはリラックス効果があるといわれており、水のある風景を見たり、その音を聞いたりすると気分が落ち着くという経験をした方も多いと思います。水辺の美術館は、アートと自然がともに私たちの感性を解放し、心を癒やしてくれることを教えてくれます。夏は水辺の美術館で、心の洗濯をしてみませんか。

文・J PRIME編集部

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