ヴェルサイユ宮殿


フランス史上最も華やかな時代の舞台となったヴェルサイユ宮殿。ルイ14世、ポンパドゥール夫人、マリー・アントワネットなど、歴史上の人物が居住した地であり、絶対王政を象徴する場所であることは、誰もが知るところである。
その世界一有名な宮殿の敷地内に、この夏、最高級ホテル〈Château de Versaille Le Grand Contrôle(シャトー ドゥ ヴェルサイユ ル グラン コントロール)〉が誕生した。宮廷文化を今に伝える地にふさわしい、全てにおいてラグジュアリーを極めたホテルが、夢のような滞在を提供する。

ロビー
グリーンと赤を基調としたシックでエレガントなロビー。


歴史遺産で、ほかにはない“特別”を味わう贅沢

このホテルの魅力を説明するにあたり、まずはヴェルサイユ宮殿の歴史を簡単に紐解いてみたい。1623年にルイ13世によって建てられたささやかな狩猟小屋は、権力の大きさと栄光から太陽王と呼ばれたルイ14世の手により、世界一壮麗な宮殿のひとつとして華麗な進化を遂げた。その後、ルイ15世、16世へと受け継がれ、100年以上の間、フランスにおける社交、文化や芸術の中心地として栄えていく。宮殿の敷地の中心部に位置する〈ル・グラン・コントロール〉は、ルイ14世のお抱え建築家ジュール・アルドゥアン=マンサールの設計により1681年に建てられた建物であり、かつては王が目をかける芸術家や作家、科学者、政治家など文化的エリートが迎えられていたサロンのような場であったという。
そしてフランス革命から2世紀以上経た今、〈ル・グラン・コントロール〉は、壮大なリノベーションとともに宿泊ゲストだけに限られた“超エクスクルーシブ”な体験を提供する最高級ホテルへと生まれ変わった。ヨーロッパ各地で最高級ホテルを展開する〈エレル〉グループが手がけていることからも期待に胸が高鳴る。

エントランス
ホテルのメインエントランス。〈シャトー ドゥ ヴェルサイユ ル グラン コントロール〉での至福の滞在がここからスタートする。


階段
階段のインテリア装飾にもルイ16世やマリー・アントワネットが生きた18世紀の空気を感じて。


ロマンティックな18世紀エレガンスに浸る

「オランジェリー」(柑橘植物を冬越えさせるための温室)と「スイス人の泉」(沼の干拓と泉水の掘削作業のためにスイス兵が召集されたことからその名前がついた)を臨む、宮殿の敷地内でも屈指の見事な景観を誇るホテルは、120㎡のロイヤルスイートを含む14室の客室からなり、すべてが18世紀の宮廷スタイルに忠実なデコレーションが施されている。実際に当時のアンティーク家具が使用されるなど、栄光の時代を生きた王侯貴族たちの息遣いが感じられるような仕様だ。天蓋付きのベッドや美しいプリントのベッドリネンなどの優雅な装飾が、物語の主人公になったような気分をもたらしてくれるだろう。
同時に、地熱エネルギーの使用、古いシャンデリアを生き生きと蘇らせるLEDライト、プラスチック製品の排除、レストランでは地元の生産者との連携を図るなど、21世紀にふさわしい環境に配慮したサステナブルなシステムが取り入れられている。

スイートルーム
デンマークの外交官であったスタール・フォルスタイン男爵が居住していた住居部分の一部を使用したジュニアスイート「Baron de Staël-Holstein(スタール・フォルスタイン男爵)」。


スイートルーム
金の装飾やアンティーク家具、天蓋付きベッドなど、18世紀のスタイルを現代的に昇華。スイートルーム「Madame de Fouquet(マダム ドゥ フーケ)」は、アメリカ独立戦争で活躍したフーケ侯爵の妻であり、社交家として知られたマダム ドゥ フーケからインスパイア。夫妻は1787年までル グラン コントロールに居住していたという。


バスルーム
120㎡とホテル内で一番の広さを誇るスイートルーム「Necker(ネッケル)」のバスルーム。フランス革命前の最後の財務長官で、ルイ16世の治世で最も人気のあった政治家であったジャック・ネッケルが居住していたアパルトマンの一部を使用している。


プライベート宮殿ツアーと専属バトラーサービス

宿泊ゲストには、さまざまな特典が用意されている。そのひとつが宮殿内のプライベートツアーだ。まだ一般に門が開かれる前の朝の時間に、ゲストはヴェルサイユ宮殿の敷地内にある大小二つの離宮と大きな庭園を要するトリアノンの領内をガイドとともに完全プライベートで探訪することができる。また一日の終わりには、ヴェルサイユ宮殿内の鏡の間や主要な部屋、オペラ座、王の礼拝堂などを独占的に見学できるという特権も。
さらに各ゲストに専属バトラーがつくシステムで、ゲストの好みに合わせ、パーソナライズされたサービスを実現。アラン・デュカス氏が手がける朝食、ミニバー、グルメスナックなどが、客室で過ごす時間を特別感で満たしてくれるし、ゴルフカートに乗っての庭園観光や大運河でボートに乗りながらシャンパンを楽しむなど、優雅を極めたアクティビティも満載だ

窓からの眺め
ホテルの窓からは「スイス人の泉」と「オランジュリー(温室)」(写真左側)を臨む絶景が。


夢のようなグルメ・エクスペリエンスを

ここでは国王の食生活にインスパイアされた、スターシェフ、アラン・デュカス氏の哲学が随所に感じられるスペシャルな美食体験が用意されている。朝起きてから夜寝るまで、どの時間であってもゲストのお腹を満たしてくれる。
ペストリーや新鮮なフルーツ、オーガニックのシリアルと新鮮な卵料理、そして塩バターキャラメルを添えたフレンチトーストで朝をスタート。ティータイムにはマリー・アントワネットにオマージュを捧げたフィンガーサンドイッチや、ウィーンスタイルのブリオッシュ、スイーツなどが待っている。王妃が好んだホットチョコレートは外せない。ランチとディナーは、クラシックなフランス料理をレストラン、またはルームサービスで贅沢に……。
またルイ15世の娘たちの住居であった「オクトンの間(la Salle des Hoquetons)」で、弦楽四重奏の生演奏をバックに、デュカス氏考案の三つのコースから好きなものを選び、かつてのフランス国王のように一人でディナーを味わうというユニークな特別プランも(価格要問い合わせ)。まさにここでしか味わうことができない体験だ。

レストラン
レストラン〈Le Grand Cabinet(ル グラン キャビネ)〉では、王&王妃にオマージュを捧げたクラシカルな料理が供される。


マリー・アントワネットの1日に思いを馳せて

ひとつ、ユニークな特別プランを紹介しよう。「Une journée dans la peau de Marie-Antoinette(マリー・アントワネットの肌の一日)」と名付けられたそれは、マリー・アントワネットのような衣装に身を包み、宮廷での王妃の習慣に倣いがら、彼女のお気に入りの場所で過ごすというもの。午前中はトリアノンの離宮、キューピッドの彫像が置かれた「愛の殿堂」、王妃の洞窟(マリー・アントワネットが愛人フェルゼンと密会していたと言われる洞窟)など王妃のお気に入りの場所を巡るプライベートツアーが組まれている。さらに午後にはホテル内のスイスの高級コスメブランド〈ヴァルモン〉によるスパで、女王の儀式にインスパイアされたというシグネチャートリートメント「ミロワール マジェスチュー(荘厳な鏡)」とマカロンの軽食を堪。そして王妃が愛した庭園内のフレンチパビリオンでの秘密のディナーで締めくくる極上の一日だ(価格要問い合わせ)。

スパ
〈ヴァルモン〉スパの施術室はペールトーンの淡いカラーで落ち着いた雰囲気。


そのほかにもゴージャスで遊び心に溢れた、驚くべきサービスがいくつも用意されているという。
世界一贅沢なロケーションで、フランス栄光の歴史に思いを馳せながら、現代に蘇った王と王妃のためのサービスをじっくりと堪能してみたい。

屋内プール
シャンデリアの装飾や市松模様のタイルで彩られた優雅なムードの〈ヴァルモン〉スパの温水プール。


Château de Versaille Le Grand Contrôle

〈シャトー ドゥ ヴェルサイユ ル グラン コントロール〉
12 rue de l’Indépendance Américaine
78000 Versailles

+33 (0)1 85 36 05 50
reservation.legrandcontrole@airelles.com
https://airelles.com/fr/destination/chateau-de-versailles-hotel

宿泊料1700€〜

写真/シャトー ドゥ ヴェルサイユ ル グラン コントロール提供
構成・文/ルロワ河島裕子 企画編集/横山直美(cat))

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