日本の相場の格言に「亥固まる」があります。意味は、高値で固まるのを期待というのが一般的のようです。平成に入ってからの3回(1995年、2007年、2019年)の亥年をリサーチ、この格言にあてはまるかを検証してみます。

平成に入って1回目の亥年「1995年(平成7年)」

平成に入って初の亥年となった1995年。世相的には、昭和史に残る2つの出来事があった年です。1月に阪神淡路大震災が発生。累計で6,400人以上の方が亡くなりました。その動揺が冷めやらぬ中、オウム真理教による地下鉄サリン事件が3月に発生し、世間を震撼させました。東京メトロ日比谷線、丸ノ内線に猛毒サリンがまかれ、900人以上が病院に搬送、6人が亡くなりました。

日経平均株価の動きを見てみると「高値で固まる」ではなく、「値動きが固まる」の意味の亥固まる年となりました。新年の大発会の始値(19,725円)と、大納会の終値(19,868円)を比較すると、わずか143円差しかありませんでした。ちなみに、1995年に入る前の2年間は、株価は軟調ながら好調を維持していました。

1994年の株価の動き
● 1月の始値:17,422円
● 12月の終値:19,723円
● +2,302円

1993年の株価の動き
● 1月の始値:16,980円
● 12月の終値:17,417円
● +437円

これが1995年を境に状況が一変。1996年~1999年の約4年間、長期的に停滞する株価市場となっていきます。

平成に入って2回目の亥年「2007年(平成19年)」

この年を端的に表現すれば「政治の閉塞感に覆われていた時期」でした。現在、長期政権を維持している安部政権ですが、この時の第一次安部内閣では、7月の参院選で40議席割れの敗退。9月のもうろうとした表情での首相辞任会見が話題に。福田政権と受け継がれました。そして、この惨敗は2年後の民主党政権が誕生する布石となりました。

2007年の日経平均株価を見てみると、こちらも先に紹介した1995年と同様に「値動きが固まる」という意味の亥固まるとなりました。年初に17,000円前後でスタートした株価は、2月27日の世界同時株安でブレーキがかかり17,000円割れ。夏に向けて18,000円台を回復するもその後は軟調。8月以降は、サブプライムローンの懸念、さらには米国の公定歩合の引き下げから、15,000~17,000円の間を行き来しました。

新年の大発会の始値17,323円に対して、大納会の終値15,308円。その差額は−2,015円となっています。

そして、前後の動向と見比べてみると、2003~2006年の間、右肩上がりだった株価は、2007年を機に反転。翌2008年にはリーマンショックが発生するなど、前回の亥年と同様、長期的な株価低迷の入り口となりました。

平成に入って3回目の亥年「2019年(平成31年)」

平成に入ってからの過去2回の亥年(1995年、2007年)は、値動きが固まるという意味の亥年となりました。そして、平成で最後の亥年となる2019年も、本稿執筆の時点(2018年末)では、過去2回の亥年と似たような転換年となりそうな気配です。

安部政権はアベノミクスを打ち出して以降、2013年から2017年までの間、常に右肩上がりの日経平均株価を維持してきました。 この法則がはじめて崩れたのが2018年でした。

2018年の株価の動き
● 1月の始値 23,506円
● 12月の終値 20,014円
● −3,492円

このような状況の中、国内経済にさらにブレーキをかけかねない問題が山積する中、2019年に突入。アメリカと中国の経済戦争、アメリカ国内の対立、そして混迷するグローバル経済による円高や消費税増税……。このような状況を見てみると、またもや亥年が長期低迷の入り口になりかねない可能性を含んでいます。

3度目の正直「高値で固まるを期待」の亥年への挑戦

一方で、平成に入ってからの過去2回の亥年との違いもあります。それは2020年の「東京オリンピック開幕」という強力なカードの存在です。この好材料をさらに外国人観光客誘致や、日本ブランドの強化に結びつけていけば、長期的な停滞の入り口となる亥年を払拭することも可能と考えられます。2019年前半のグローバル経済の混迷を最小限に抑え、2020年に向けて再び好調の株価を取り戻せば、本来の意味の「高値で固まるを期待」の亥年が実現できます。

文・J PRIME編集部

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