LVMH、ケリング、エルメス、ラグジュアリー株は安泰?値上がり率を検証
(画像=FlorencePiot/stock.adobe.com)

新型コロナウイルス感染症を背景に、各国は経済の停滞を避けるため、金融緩和を推し進めています。こうした金融緩和により、世界的な株高も継続しています。これにより、ラグジュアリーブランドの業績が向上しており、それにともない関連する企業の株価が上昇傾向にあります。

株高を背景にした富裕層の資金の有力な行き先の1つとして、ラグジュアリーブランドの購入が選ばれています。特にルイ・ヴィトンやモエを持つLVMHは、ティファニー買収などを経て、欧州で最も高い企業価値を持つ企業になったともいわれています。

こうした背景から、今回の記事ではラグジュアリー株の動向を確認し、今後を展望します。

コロナ禍の急落後、世界的な金融緩和で株高基調に

2020年2〜3月にかけて、世界中で新型コロナウイルスが大流行した影響で、一時的に株価が急落しました。同じタイミングとなる3 月11日、アメリカのバイデン大統領は1兆9,000億ドル(約200兆円以上)という巨額の新型コロナ対策法案に署名しています。給付金の支給などを中心に、世界中で大規模な金融緩和は続いています。

2021年2月には30年半ぶりに日経平均株価が3万円を超え、5月21日現在は少し下がっているものの、2万8,317円と日本でも依然として高い株価水準を維持しています。。

金融緩和の影響はラグジュアリーブランドにも

金融緩和の影響は、特にLVMHやケリング、エルメスなどといったラグジュアリーブランドに及びました。

フランスの高級ブランド「LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン」の1~3月売上高は、139億ユーロ(約1兆8,000億円)であり、コロナ禍前の19年1~3月期と比べて11%も増えました。また、ケリングやエルメスといった大手高級ブランドも、2021年の第1四半期で前年同期と比べて増収を記録しています。背景として、コロナ禍により旅行や外食といったお金の使途が制限されていることが考えられます。

ラグジュアリー3社の年初からの値上がり率

富裕層からの需要増加は、LVMH、ケリング、エルメスといったラグジュアリー3社の株価にも大きな影響を与えました。2021年の年初(1月4日)から同年5月20日までの期間における、3社の株価値上がり率は以下のとおりです。

LVMH:22.81%(512.10ユーロ→628.90ユーロ)
ケリング:22.83%(580.70ユーロ→713.30ユーロ)
エルメス:20.65%(884.40ユーロ→1,067.00ユーロ)

数字からわかる通り、わずか6ヵ月弱で各社とも20%程度も株価が値上がりしています。富裕層を中心とした需要の高まりにより売り上げが増加し、その結果として株価が上昇している、つまり投資家からの需要が高まっていると考えられます。

ティファニーの買収により、LVMHは欧州で最も企業価値の高い企業に

LVMHは、2021年1月にアメリカの宝飾品大手であるティファニーを買収しました。その買収額は約1兆7,000億円であり、大型の買収案件として世界中の投資家やビジネスマンから注目を集めました。

売上高の増加とティファニー買収の効果が相まって、2月末には時価総額2,645億5,000万ユーロ(およそ34兆1,270億円)を記録し、当時時価総額2,420億ユーロ(およそ31兆2,100億円)であったネスレを追い抜き、ヨーロッパでもっとも企業価値が高い会社となりました。

比較的手頃な価格で宝飾品を販売するティファニーを買収したことで、LVMHが比較的弱かった時計・宝飾品の売上高が2.4倍に拡大しました。コロナ禍での売り上げ増加を後押しする形となったことが、企業価値の向上につながったと考えられます。LVMHはティファニーの店舗改装や販路の拡大を進め、ブランド力に一段と磨きをかけようとしていると指摘されています。

お金の使い道がない中で、引き続きラグジュアリーブランドに資金が集まる環境

新型コロナウイルス感染症の流行を背景にした金融緩和に伴い、皮肉にも富裕層はさらに資産を増加させることになりました。世界中で自粛が叫ばれる中で、富裕層はラグジュアリーブランドの商品購入にお金を費やしています。

今後もラグジュアリーブランドへの資金の集中は続くと考えられるため、それを踏まえて消費や投資活動を考えたいところです

文・J PRIME編集部

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