SUD DE LA FRANCE
©︎Hotel du Plais


ヴァカンスシーズンを迎える夏、そう長くはない太陽の季節を満喫しようとフランス中の人々が海辺を目指す。ヨーロッパ人たちには、海辺で過ごす夏の時間に特別な思いがあるのだ。中でも南西海岸や南仏は、フランス人にとってもラグジュアリーな旅のデスティネーション。今回お届けするのは、洗練されたインテリア、他にはない贅沢なロケーション、最高のホスピタリティで極上のサマーステイを約束する、海辺のパラス(フランスが独自に定めた、5つ星を超える最上級ランク)ホテル3選。次なる滞在の候補にいかがだろう?

Biarritz〈オテル デュ パレ〉ナポレオン3世の息遣いを感じる宮殿で過ごすひととき

ル バー ナポレオンⅢ
ノーブルで鮮やかなロイヤルブルーが目をひく〈ル バー ナポレオンⅢ〉の空間。ヴィンテージシャンパンやバスクウィスキー、芸術的なオリジナルカクテルなど、他では味わえない一杯を。©︎Maite Photo

一軒めは、サーフィンの聖地としても知られるバスク地方の海辺の街、ビアリッツから。19世紀にフランス最後の君主ナポレオン3世とその妻ユジェニー皇后がこの地に離宮を建てたことから、以降王侯貴族たちが集う保養地として栄えてきた高級リゾートだ。その離宮は、現在最高級ホテル〈オテル デュ パレ〉として、すべての人に開かれている。3年に渡った大改装を経て今年3月にリニューアルオープンし、伝統に現代的なエッセンスが加味され、一層華やかに生まれ変わった。
館内には、皇帝ナポレオン3世時代の空気を感じる装飾が随所に施されている。その代表的なスペースが〈ル バー ナポレオンⅢ〉だ。ロイヤルブルーの壁とクリスタルペンダントが揺れる豪奢なシャンデリア、スタッズ装飾の革張りのアームチェア、艶やかなアラベスクの絨毯……。ここでは、19世紀の王侯貴族たちの社交の中心地であったビアリッツの歴史に思いを馳せて、優雅なカクテルタイムを楽しみたい。

海辺に面したメリットを最大限に生かしている〈オテル デュ パレ〉。その贅沢なロケーションを満喫できるのが、屋外プールとレストランだ。
海を見下ろす屋外プールは、常に水温28度に保たれた海水で満たされ、デトックス効果と快適さをもたらしてくれる。プールサイドには夏季限定のバー〈ル サンセット〉があり、ここでは海に沈む夕日を眺めながらのカクテルタイムを。そのほか、プールから続く〈ゲラン〉と〈レオノール〉とのコラボレーションによる〈アンペリアル スパ〉、海岸沿いのプライベートテントなど、優雅な海辺のステイを満喫できるサービスが満載だ。

オテル デュ パレ
トワイトライトタイムには、プールサイドから水面を美しいオレンジに染めながら水平線に溶け込むように沈んでいく太陽を眺められる。子供向けのプールや、授乳やオムツ替え、子供が昼寝もできるスペースを備えるなど、ファミリーにも配慮。©︎Hotel du Plais


また、しばしば多くのメディアや美食家たちから“世界一美しいダイニングルームのひとつ”と称される〈ラ ロトンド〉の大きな窓からは、ビアリッツの海辺の絶景が180度広がる。ここで腕を振るうのは、かの三ツ星シェフ、ジャン=マリー・ゴーティエ氏のもと研鑽を積んだ、新進の若手シェフ、オーレリアン・ラルゴー氏。権威あるグルメ誌〈ゴー・エ・ミヨ〉から、“若き才能”と高く評価されている彼の料理にも期待が高鳴る。

ラ ロトンド
辺に面した半円形のレストラン〈ラ ロトンド〉の窓から、180度広がる海辺の風景。まるで海に浮かんでいるような錯覚に陥る。©︎Maite Photo


冒頭に記したように、ここには多くの文化遺産が残されており、その内装を維持する専門の修復チームがいる。ホテルが専属の職人チームを有することは異例のことであり、いかに伝統に敬意を払っているかがうかがえる。

シシィ アンペラトリス スイート
「シシィ アンペラトリス スイート」(皇后のスイート)のリビングルーム(価格要問い合わせ)。86の通常の客室と56のスイートルームがあり、各部屋の内装はビアリッツの海の淡いブルーや砂の色に馴染む、計算されたカラーで彩られている。家具や装飾のひとつひとつの美しさにも目を奪われる。©︎Maite Photo


ウィンザー公爵夫妻、エドワード7世、ココ・シャネル、ヴィクトール・ユゴー、アーネスト・ヘミングウェイ、フランク・シナトラ……。社交界の名手たちに愛されてきた歴史の面影を今に残すホテルは、海辺のリゾートでも文化的な香りを味わいたい人におすすめの一軒だ。


〈HÔTEL DU PALAIS〉

〈オテル デュ パレ〉
1, Avenue de l’Impératrice
64200 Biarritz
France
☎︎+33 (0)5 59 41 12 34

hoteldupalaisbiarritz.com

ダブルベッドルーム 450 €(通常シーズン1泊)〜スイートルーム 6,000 €(ハイシーズン1泊)

Saint-Tropez〈オテル シュヴァル ブラン サントロペ〉思い描いたフレンチ・リヴィエラの光景がここに

オテル シュヴァル ブラン サントロペ
客室のテラスから、海越しにサントロペの港を眺めながらの朝食やティータイムは、ヴァカンスの気分を高めてくれる。©︎Mr. Tripper


フランスの夏というと、永遠の名作『悲しみよこんにちは』など数多くの映画の舞台となってきたフレンチ・リヴィエラを思い描く人も多いだろう。紺碧の海を前に、まるで物語の主人公になったような気分にさせてくれる南仏のリゾートは、多くの人の憧れである。そんな夢のようなステイを叶えてくれるのが、〈シュヴァル ブラン サントロペ〉だ。
サントロペの海岸沿いのクラシックな建造物は、南仏らしい淡いコーラルピンクの外壁に彩られ、エレガントな佇まいを見せている。

シュヴァル ブラン サントロペ
海岸沿いにパラソルとビーチチェアが並ぶ光景は、まさに映画のワンシーンのよう。©︎Mr. Tripper


〈シュヴァル ブラン〉は、ルイ・ヴィトンをはじめとする高級ブランドを保有するLVMHグループが手がけるホテルであり、すべての面で“世界最上”のもてなしを提供することを目指している。現在、フランスを中心に4軒(その他パリが近々オープン予定)展開され、国内(海外県含む)の3軒はすべてフランス最高ランクのパラスホテルに指定。そのひとつが、サントロペだ。
すべての客室は白とブルーを基調としたモダンなインテリアでまとめられ、海辺のリゾートらしい透明感あふれる爽やかなムードを演出。多くはテラスを備え、海や松林、まばゆい太陽に照らされて美しい淡紅色を見せるサントロペの街並みなどを見渡すことができる。

シュヴァル ブラン サントロペ
砂浜の白と紺碧の海の色を写したブルーを基調にしたインテリアは、窓の外の景色と調和。モダンなデザインが、クラシックな建造物に現代の息吹を吹き込んでいる。©︎Mr. Tripper


シュヴァル ブラン サントロペ
プールサイドに面したスイートルームのテラスから。海に面したテラスで過ごす時間は最高に気持ちがよい。©︎Mr. Tripper


同じくLVMHグループの〈ゲラン〉のトリートメントを受けられる〈スパ ゲラン〉では、ここだけのオリジナルのマッサージやトリートメントを提供。ボディトリートメントだけでなく、ヘッドスパなど幅広いメニューがあり、女性のみならず、男性のゲストにもおすすめだ。

スパ ゲラン
〈ゲラン〉の代名詞、香水のボトルが並んだディスプレイも美しい。このホテルのためにゲランの調香師ティエリー・ワッサー氏が特別に調香したフレグランス「リヴィエラ・シック」を試してみたい。穏やかなフレンチ・リヴィエラの海と眩い太陽からインスパイアされたフレッシュな香り。©︎Mr. Tripper


もうひとつ忘れてはならないのが、ミシュランで三つ星を、ゴー・エ・ミヨでは20満点中19点という高得点を得ているレストラン〈ラ ヴァーグ ドール〉。2013年に35歳という若さで三ツ星を取得したシェフ、アルノー・ドンケル氏による地中海のシーフードや南仏の野菜など滋味溢れる地元の食材を生かした繊細な料理は、“ポエティックで芸術的”と表現されるなど、世界中のグルマンたちから熱い視線を注がれている。
美しいランドスケープ、洗練されたインテリア、極上のサービスと美食。五感を満足させる全てが揃った、わがままな滞在を可能にしてくれる場所だ。


〈Cheval Blanc Saint-Tropez〉

〈シュヴァル ブラン サントロペ〉
Plage de la Bouillabaisse
83990 Saint-Tropez
France
☎︎+33 (0)4 94 55 91 00/ Fax. +33 (0) 4 94 97 73 64

sttropez@chevalblanc.com
https://www.chevalblanc.com/fr/

宿泊料1,350 €〜(7月、8月の1泊料金)

Ramatuelle〈ラ レゼルヴ ラマチュエル〉最高の景色を独り占めするヴィラでの滞在

ラ レゼルヴ ラマチュエル
手付かずの自然が残されたラマチュエル。© G. Gardette / La Réserve Ramatuelle


サントロペから車で1時間、喧騒とは切り離された静寂な時が流れる村、ラマチュエル。ワイルドな自然がそのまま残されたラマチュエルの丘に19のスイートを含む全27室の客室、そして14戸のヴィラを擁しているのが、〈ラ レゼルヴ ラマチュエル〉だ。
少ない客室数で、インティメイトで充実したサービスを提供するラグジュアリーホテルグループ〈ラ レゼルヴ〉のスタイルは、自分だけの時間を大切にする現代人の感性にぴったりとフィットする。ここでは、よりプライバシーを確保できるヴィラの滞在にフォーカスを当ててご紹介しよう。

ラ レゼルヴ ラマチュエル
ヴィラ10のプライベートプール。プールサイドのスペースも優雅。© G. Gardette / La Réserve Ramatuelle


自然の中に点在する14戸のヴィラは、それぞれ250〜500㎡の敷地に温水プライベートプール、テラス、屋内にはリヴィングやキッチンのほか、3〜7の寝室を備えるという贅を極めた仕様になっている。もちろん、すべて地中海を見下ろすオーシャンヴューだ。それぞれのヴィラは木々に囲まれ、他のヴィラが視界に入ることはない。
建築家レミ・テシエール氏によるスタイリッシュなモダン建築に、シンプルで洗練されたインテリアが配置されたヴィラは、その研ぎ澄まされた美しい空間に身を置く喜びを堪能させてくれる。

ラ レゼルヴ ラマチュエル
ナチュラルかつ温かみのあるカラーで、シックにまとめられたヴィラ5のパティオスペース。© G. Gardette / La Réserve Ramatuelle


ホテルには、メインダイニング〈ラ ヴォワル〉と、プールサイドレストラン〈ル プール レストラン〉があり、ともに二つ星シェフ、エリック・カニーノ氏が手がけている。南仏の食材を知り尽くしたシェフによる、プロヴァンス料理を軸としながら自由な発想で紡ぎ出される料理の数々は、ゲストに新鮮な食体験をもたらすこと請け合いだ。
また〈ラ・レゼルヴ 〉グループの創設者であるミッシェル・レイヴィエ氏が所有するワイナリー〈シャトー ラ マスカロンヌ〉のワインもぜひ味わってほしい。

ラ レゼルヴ ラマチュエル
地中海の新鮮なシーフードの素材の味を楽しめるカニーノ氏の料理。© G. Gardette / La Réserve Ramatuelle


〈La Réserve Ramatuelle〉

〈ラ レゼルヴ ラマチュエル〉
Chemin de la Quessine, 83350 Ramatuelle
☎︎+33 (0)4 94 44 94 44

reservations@lareserve-ramatuelle.com
https://www.lareserve-ramatuelle.com

ヴィラ28,000 €〜85,000 €(1週間)
一般客室(1泊朝食付き) 900 €〜
スイートルーム(1泊朝食付き) 2,100 €〜


いずれもフランスで最高ランクに位置付けられるホテル3軒。多くの人が心から解放される時間を求める今、水平線へと繋がる海辺のホテルでの贅沢なひとときが、最高の癒しを与えてくれることだろう。



構成・文/ルロワ河島裕子 企画編集/横山直美(cat)

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