ライスポーセリン


うつわはおもに料理のためのものですが、作家が作るそれには暮らし方や社会の捉え方まで変えてくれるほどの思想があります。それを知ることはアートに心動かされる感覚ともよく似ていて、かかわることで自分の中の何かが変わるような体験。そんなうつわの「名作」をたどる連載の第15話は、フィンランドのアラビア製陶所が生んだ「ライスポーセリン」。

幻想的なうつわが生まれた背景

ライスポーセリンとは「蛍手(ほたるで)」とも呼ばれる透かし彫りのうつわ。彫り模様は光を透過させると幻想的に浮かび上がり、コーヒーを注ぐと幾何学的なデザインに見えてきます。「蛍手」は、古く中国の明時代(14〜17世紀)に始まったとされる技法で今も用いられていますが、これを1930〜40年代の北欧で、日用の食器に取り入れた人物がいました。フィンランド陶磁を代表するアラビア製陶所の女性作家、フリードル・チェルベリです。