毎月1本、季節の旬の食材によく合う日本ワインをご紹介。セレクトするのは、日本ワインに特化した定期イベント「LIFE with WINE」を主宰する栁 佐織さん。「今月紹介するのは、ワイナリーが密集する山梨でも注目したいワイナリー、塩山洋酒醸造のレスペデーザ甲州。日本を代表するブドウ品種・甲州を、格別なワインに仕上げています」

上質なブドウと醸造の妙によってうまれた極上の甲州
日本が世界に誇る固有のブドウ品種「甲州」。その名が示す通り山梨県で誕生した品種ですが、今は日本各地で栽培され、ワイン用のブドウ品種としては国内生産量第一位。つまり日本ワインとしても、実に多くの「甲州」が造られているのです。その甲州種のワインで、幾度も日本ワインコンクールで賞を受賞している「塩山洋酒醸造」の萩原弘基さんによると、「甲州は生産地によって特徴が出るブドウで、さらには醸造方法によっていかようにもアレンジできる、幅が広く奥深い品種」なのだそう。
「レスペデーザ 甲州」は、萩原さんがとりわけ上質な甲州ブドウに出合ったことから生まれました。塩山洋酒醸造は甲州市の北東部にある塩山駅のほど近くにあり、その東に位置する「牛奥」の畑で育ったブドウです。「水はけのよい斜面の畑で陽当たりも良く、小粒で味が凝縮した良質なブドウが育ちます」
そのブドウを使い、スキンコンタクト(ブドウを破砕した後、果皮に漬け込む)で果皮のうまみや香りを抽出し、さらに樽発酵・樽熟成した同じ甲州種のワインをブレンド。スキンコンタクトも樽発酵・樽熟成のブレンドも、分量の割合や期間などによって味わいが異なり、それこそが醸造家の腕やセンスにつながるものなのです。
実は今回紹介する2019年の「レスペデーザ甲州」が最初のキュベ。白桃やメロンのようなほんのり甘い香りと上品な樽香、味わいは適度な渋みと酸味が心地よく、しっかりと骨格を感じます。苦みのある春の野菜や少しこってりとした味付けの料理にも負けない奥ゆきをもつ甲州を、ぜひ試してみてください。
Wine of the month

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WINE MAKER

萩原弘基さん
塩山洋酒醸造
山梨県甲州市塩山千野693 ☏0553-33-2228 http://www.enzanwine.co.jp
SELECTOR
https://www.facebook.com/LIFEwithWINE/
撮影/相沢千冬 企画編集・文/横山直美(cat)
※記載の価格はすべて税込表示です。