萩原輝美さん
(画像=モードを経験してきた女性を体現する萩原輝美さん。〈エルメス〉のバッグを、自身のブランド〈ten.(テン)〉のトップス&スカートとともに。カーキ色に深紅を添えて。)


世界のデザイナーコレクションを取材し続け、近年は上質の日常服を提案するファッションブランドも手がける萩原輝美さん。そんな目利きが選び抜いたパーソナルなバッグコレクションから、今特に重宝しているラグジュアリーメゾンの逸品を公開。

時代を超えて輝く〈エルメス〉〈プラダ〉〈ボッテガ・ヴェネタ〉の名作

「バッグは、ライフスタイルに寄り添ってくれるものを選んでいます」という萩原さん。
「私の場合、ファッションは服を中心にコーディネートしますので、バッグはそれに添えて相乗効果をもたらすもの。ですから、その時々のシーズンテーマの色や素材に合わせて購入してきましたし、着物を着るようになってからは選択の幅も広がりました」
現在愛用しているバッグは、ラグジュアリーブランドによる新旧の逸品コレクションの数々。「なかでも最近は、小ぶりで持ち運びやすい軽めのタイプを中心に使っています。モバイル時代にA4サイズは必要ないですし、重過ぎない作りがいいですね」

エルメスのバッグ
〈エルメス〉の《パリボンベイ》は機能美を備えたお気に入りのバッグ。「コンパクトながらマチが広く使いやすいです」。差し色としても万能だとか。同色のグローブも新たに購入。


「〈エルメス〉のバッグ《パリボンベイ》 は10年以上前に、黒をよく着ていたころ、パリの本店で出合ったもの。差し色にいいかなと“ルージュH(エルメス)”(メゾンの口紅にも採用された色)を選びました。やわらかい風合の服に名門のカチッとしたバッグは合いますし、赤い刺しゅうの入った着物にも合わせています。赤いバッグは意外に使えます。最近日本で同色のレザーグローブも買いましたが、今年はバッグと合わせて出かけたいですね」。歴史あるメゾンの名品は、時を超えてコーディネートできる。そんな買い足しの極意がうかがえる。

〈プラダ〉は日本に本格上陸する前、バイヤーとして海外で買いつけていたころからずっと大好きなブランドで、希少なコレクションは長年の愛好家ならでは。
「惹かれたのは色とデザインです。ラベンダーカラー、そして茶とベージュのバイカラーの配色。素材はそれぞれオストリッチとクロコですが、プレシャスレザーのバッグは堅い印象になりがちなので、ファッションブランドがモダンにデザインしたものを選んでいます。洋装でのディナーや和装でのお出かけにも好相性です」

プラダのバッグ
(右)クロコのバイカラーのバッグは〈プラダ〉がカスタマイズ受注を始めたころの1点もの。(左)ラベンダーカラーのオストリッチのバッグは初めて誂えた薄紫色の着物に合わせて〈プラダ〉で購入。


好きになると、数シーズン続けて同じブランドのアイテムを購入する傾向もあるそうで、〈ボッテガ・ヴェネタ〉のイントレチャートのバッグもそのひとつ。職人技を極めたメゾンらしいバッグ作りに魅了され、20年程前から数シーズン買い続けたほど。「グレーのパイソンのバッグは着物にも合うんですよ」

ボッテガ・ヴェネタのバッグ
〈ボッテガ・ヴェネタ〉がイントレチャートをベースに職人技を極めたバッグ。写真のグレーのパイソンのほか、さまざまな色や素材のコレクションを収集してきた。


日常に新風を吹き込む〈ヴァレンティノ〉〈アライア〉の逸品

一方で、カジュアルなスタイルに取り入れているのは、近ごろ購入した白xブルーの〈ヴァレンティノ ガラヴァーニ〉のショルダーバッグ。「白っぽい春夏用のバッグが欲しかったのですが、これはデニムに合わせるとモード感が出ます。光る感じも取り入れたかったので、メゾンらしいスタッズも効果的です。この夏はコットンレースのグローブもしてみようかと思っていますが、これは30年程前に買ったものなんですよ。日焼け防止にも、エレガンス感の演出にもなりそうです」

ヴァレンティノ ガラヴァーニのバッグ
デニムなどカジュアルなスタイルに合わせようと選んだ〈ヴァレンティノ ガラヴァーニ〉のバッグ。さり気ないスタッズが日常に煌めきをプラス。グローブも萩原さんが大好きな小物。


そして、このところ買い足しているのが〈アライア〉のバッグ。知る人ぞ知る最高品質のレザーアイテムで、丈夫かつ軽量という優れもの。「抜け感のあるカットワークのデザインによって、カゴのように軽やかでドレッシーにも見えます。出張のとき、搭乗手荷物用にこの大きめサイズをよく持参しています。サイズ、色違いも持っていて、小さめサイズは旅先でも便利ですよ」

アライアのバッグ
〈アライア〉のレザーバッグは上質で軽やか。繊細なカットワークによるメゾン独特のエレガンスも魅力。


アライアのトートとポーチ
付属のポーチも秀逸な〈アライア〉。トートバッグの中にミニバッグも投入して、旅先で活用することも。「以前はパリで購入していましたが、最近は日本でも流通しているのがうれしいです」


ラグジュアリーブランドのバッグを選ぶポイントは、「クオリティは当然のこととして、いかにそのデザインがモダンに昇華され、こなれているか」。また服とのコーディネートを重視するため、ロゴやバッグだけが目立ちそうなブランドのアイコン的モデルではないものを主に購入してきたとか。
「ファッションの時代性に寄り添いながら、好きなものを買い続けてきました」と振り返る萩原さん。時を経て、スペースの都合で手放した品々もあるなか、手元に残した珠玉のコレクションは、「一生大切にしようと惚れ込んで買ったものが多いのも確か」と言う。
近年は、“クオリティの良い日常服を創りたい”との思いから、大好きな洋服づくりにも取り組む日々。「今の環境も含めて、“おしゃれは楽しい”と思うライフスタイルに合わせて、これからもバッグを選び、愛用していきたいと思います」


萩原輝美
Terumi Hagiwara
(プロフィール)
文化服装学院デザイン科卒。バイヤーを経てファッションディレクターに。ミラノ、パリなど世界のコレクション取材を続け、メディアへの寄稿や講師を務めるほか、セレクトショップのプロデュースも手がけるなど幅広く活躍。2018年から“モードを楽しんできた女性たちのための普段着”としてプロデュースする〈ten.〉を展開。https://www.instagram.com/hagiwaraterumi

撮影/望月みちか 取材コーディネーション・文/黒部涼子 企画編集/横山直美(cat)

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