毎月1本、季節の旬の食材によく合う日本ワインをご紹介。セレクトするのは、日本ワインに特化した定期イベント「LIFE with WINE」を主宰する栁 佐織さん。「今月ご紹介するのは、うまみが強く、やさしい味わいでぐいぐい飲めちゃうスチューベンという品種のロゼワイン。宮城県川崎町『ファットリア アル フィオーレ』のNECOシリーズから『ハナ』をご紹介します」

最近、ワインの味わいの表現で“だし感”という言葉が使われることがあります。もう少し前から使われだした“うまみ”とも紐づけられる、言葉で表すには難しい風味のようなもの。その“だし感”のあるワインが、「ファットリア アル フィオーレ」のNECOシリーズ「ハナ」なのです。
宮城県川崎町にある「ファットリア アル フィオーレ」は、予約のとれないイタリアンレストランとして人気を博した「アル フィオーレ」のシェフ、目黒浩敬さんがレストランの次のステージとして2015年に始めたワイナリーです。東日本大震災を機に、もっと多くの人とのつながりに重要性を感じ、耕作放棄と過疎化が進んだこの土地で、仲間が集い活動できるようなコミュニティを作っていこうと考えたのです。人気のレストランを閉めて臨んだワイナリー設立にあたっては、廃校になった「川崎町立旧支倉小学校」の体育館だった建物を改修して使用。そのリノベーションを手がけたのが、元建築家で現在は醸造家となった妻の礼奈さん。今回紹介する「ハナ」は礼奈さんが醸造を手がけて2度目のヴィンテージとなります。
愛らしい猫のエチケットが印象的なNECOシリーズは、イタリア語の「Nuova Esperimento(新しく実験的な試み)」、 「COoperazione(協力)」と「猫」を掛け合わせた造語。7種のワインには、浩敬さんが飼っている7匹の猫の名前がつけられ、猫の個性とワインの特徴を重ね合わせています。いつまでも子猫のようでみんなから可愛がられている「ハナ」と同じ名のワインは、スチューベンというブドウ品種から造られたロゼワイン。 “だし感”のあるやさしい味わいで、抜栓後2~3日かけてじっくりうまみが増していきます。その“だし感”のせいか、和食との相性が秀逸。日本ならではの旬の食材のもつ繊細な味覚を心地よく引き立てるワインで、春を満喫しませんか。
Wine of the month

The perfect glass for this wine

https://shop.riedel.co.jp/products/detail.php?product_id=372
WINE MAKER

目黒礼奈さん・浩敬さん
「7種類あるネコシリーズの「ハナ」は、ソラとアンコの間に産まれた娘ちゃんです。味わいも香りもさくらんぼを思わせるとってもチャーミングなロゼワインです。ぜひこの桜の咲く頃に、初恋の味のするハナを、みなさまでお楽しみくださいね」
ファットリア アル フィオーレ
株式会社Meglot
宮城県柴田郡川崎町支倉塩沢9山形県上山市
☏0224-87-6896
https://www.fattoriaalfiore.com/
SELECTOR
https://www.facebook.com/LIFEwithWINE/
撮影/相沢千冬 構成/横山直美(cat)
※記載の価格はすべて税込表示です。