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“クルマ通”戸賀編集長愛車遍歴

戸賀編集長が語る愛車ヒストリー第32弾の2/2。フェラーリF8トリブートの後に選んだ納得の1台とは?

2025.02.15

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戸賀編集長が語る愛車ヒストリー第32弾の2/2。フェラーリF8トリブートの後に選んだ納得の1台とは?

散々、迷走した結果、結局、自分が一番乗ってきたクルマに戻ることが一番なのでは? と気が付いた戸賀編集長。「やっぱりポルシェ、そう911に戻るのが最善なのでは?」というところで終わったのが前回までのお話し。しかし実際問題として、911に戻るにもかなり大きなハードルがあることが判明。 今回は、その辺りのお話を聞いていきたいと思います。

出版業界では、かなりのクルマ好きとして知られている戸賀編集長(トガ)。数々のクルマを乗り継いで来た彼が、10年に渡るメンズクラブ編集長という肩書を外し、忖度が無くなった状態のなかで、「どんな基準でクルマを選んでいたのか?」、「そのクルマの魅力はどこなのか?」等を大いに語ります。
話の聞き手は、戸賀編集長が雑誌編集者時代から30年来の付き合いを続けている、フリーランスエディターの菅原(スガ)。若い頃の数年間は、仕事も遊びもほとんど一緒に過ごしていたという「トガ&スガ」の二人。そんな二人ならではの昔話、こぼれ話もお楽しみに!

いきなり911を買うことはできないのです

菅原 前回は、やっぱり911に戻ろう、というところで話しが終わったけど、狙っているモデルはあったの?

戸賀 スガ、お前は知らないかもしれないが、現在911をいきなり買うことは不可能なんだよ。

菅原 どういうこと?

戸賀 今、ポルシェ911の新車を買うには、ボクスターやケイマンなどの新車を購入して初めて、911カレラを購入できる権利を手にすることができるという状況なんだよ。

シルバーのポルシェボクスター
イエローのポルシェケイマン

菅原 え~、今ってそんな仕組みになっているの?

戸賀 そうなんだよ。ポルシェもついにエルメスのバーキン状態。今だから言うけど、じつはF8トリブートを所有していた時、『もう一度911に戻ろうかな』って考えた瞬間もあったんだよ。

菅原 ステッチとシートベルトを間違えられたのが、よっぽどショックだったんだな。

戸賀 そう。それほど深く傷ついたってことだ。で、その時、ポルシェセンター目黒のナンバー1営業の岡本さんに連絡してみたんだよ。彼からは、以前GT3やターボSを買ったりしてきたんだけど、その時に言われたのが、「戸賀さんであっても、いきなり911を買うのは無理です」ってことだった。過去にGT3やターボSを買ったことは、とっくにリセットされちゃってるんだよ。

菅原 そんなもんなの?

戸賀 もっと言うと、ある大富豪の先輩がいるんだけど、その人は911だけじゃなく、カイエンやターボS、その他諸々、何十台もポルシェに乗ってきた人なのに、ちょっとフェラーリに浮気してポルシェを買わなかった時期があっただけで、すべてリセットされたという噂がある。

ブラックのポルシェカイエン

菅原 そんな事ってあるのかよ?

狙うは新古車の一択

戸賀 いや、だからあくまでも噂。でもなスガ、さすがにF8トリブートの次のクルマにボクスターは選ばないだろ? ということになると、911を手に入れるには新古車を探すしかないんだよ。カーセンサーをチェックすると、じつは意外と多くの球数があるのが分かる。(スマホでカーセンサーに掲載中の911を検索するトガ)

とんでもない値段だけど、これは6000万超えのGT3RSで、走行が36キロ。要は納車して触ってないワケ。こっちは走行100キロ。本当に球数は豊富なんだよ。ただプレミア・プライスになっちゃっているんだよね。でもさ、ボクスターを買わされて、マカンを買わされて、最後に911を買うってなったら、ボクスター買うのに1000万、マカン買うのに1000万、最後に欲しい911が3000万だったら、合計5000万だろ? だったら最初から新古車のGT3でもいいじゃん、ってことになる。(カーセンサーで検索中)

ブルーのポルシェGT3
ポルシェのGT3RS

ちょっと探すと、5440万とかも出て来るね。ただこれは、バイザッハが付いていないGT3だな。ちなみにバイザッハっていう研究所の特別なオプションが付いていると、1000万くらい高くなるんだよ。まぁ、そんなこともあって、セカンドマーケットでGT3、GT3RSを狙うことにしたんだけど、そうこうしているうちに、911ダカールが発表になった。一応、ポルシェセンターの岡本さんに「ダカール欲しいけど無理だよねぇ」と鎌を掛けてみたけど、聞いた瞬間、顔に『無理です』って書いてあった(笑)。

菅原 そりゃ無理だろ。無理を承知で聞くトガの根性が凄いと思う(笑)。

戸賀 うるさい (笑)。でも本当に欲しいと思っていたから、ブログにもちょくちょく「ダカール欲しいなぁ」みたいなことを書いていたんだよ。そしたら懇意にしている松淵さん(松ちゃん)を介して、ある方から「お売りしても良いですよ」という話しが舞い込んできた。911の限定車って普通1000台くらいしか用意されないのに、ダカールは2500台が作られた。これは911の限定車としては多い方なんだけど、なぜか日本ではほとんど見ることがない。GT3に遭遇する方がまだ可能性が高い。ということは、日本に入ってきたダカールはかなり少ないと考えられるんだよ。だから出会えるチャンス自体が少ない。でも松ちゃんが居てくれたから、チャンスが巡ってきた。さらに彼が間に入ってくれたお陰で、先方と良心的な価格で双方納得の交渉ができたんだよ。

菅原 ということは?

戸賀 シェードグリーンという若草色の911ダカールを、無事、購入することができました!

グレーのポルシェ911ダカール

菅原 おおおっ、ということはフェラーリF8トリブートの次の1台は、『ポルシェ911ダカール』になった訳か! でもさ、911ダカールだと何となくSUV的なクルマな感じがしない?

戸賀 スガ、お前は何も分かってないな。確かにダカールが納車されてから、クルマ好きの知り合い達から連絡がきた。その内容は、「911は911だけど、なぜSUV的なクルマにしたの? あれはスポーツカーじゃないでしょ」とか「(当時乗っていた)ゲレンデヴァーゲン プロフェッショナルを売って、今度はアルピーヌみたいな小ぶりのスポーツカーをセカンドカーにするんでしょ?」というものだった。

菅原 そう考えてしまう気持ちは分かる。

戸賀 でも俺は彼らに、「俺にとって911ダカールはSUVなんかじゃなくて、純然たるスポーツカーである。今回のモデルは、84年にパリ・ダカールラリーを走って優勝したマシンの40周年オマージュとして発表されたクルマだから、間違いなくスポーツカー。そもそも俺にとって911と名が付くものは、スポーツカー以外の何物でもない」と答えた。さらにダメ押しで、去年発売のル・ボランの4月号に載っていた記事の事を話したんだよ。その記事はポルシェのテストドライバーであるワルター・ロールさんが、ニュルブルクリンクを911ダカールで走っているものなんだけど、そのタイムが何年か前のGT3、確か996だったと思うんだけど、それと同等なんだよ。

菅原 マジですか!

戸賀 マジ。さらに履いているタイヤが、あのゴツゴツしているオフロード走行に適しているオールテレーンタイヤ(笑)。

ポルシェ911ダカールのリア

菅原 マジで? そのタイヤで996のGT3と同じタイム?

戸賀 そう。このことからも、911ダカールのパフォーマンスが凄い事が分かる。だからダカールは、砂漠も悪路も、さらにはサーキットも走ることができる本物のスポーツカーなんです、と説明した。

菅原 そんな具体的な例を挙げられたら納得するしかないね。

戸賀 だろ?(笑) 結論としては、俺は911の限定車が欲しかった。そうしたらラッキーなことに、友人の協力もあって911ダカールという素晴らしいクルマに出会うことができた。そして今、僕は幸せなカーライフを送っています、って感じかな。

菅原 う~ん、なんかムカつく(笑)。

911ダカールに乗り始めて気付いたこと

菅原 実際にダカールに乗り始めている訳だけど、乗ってみて気付いたことって何かある?

戸賀 まず分かったのは、ダカールは車高が上がっているので、ガソリンスタンドとかコインパーキングの段差を、まったく気にすることなく入ることができるってこと。予想はしていたけど、案の定そうだった。そして、タイヤの扁平率を落としているからか、無茶苦茶乗り心地が良い。

菅原 そんなに乗り心地が良いんだ。

戸賀 良い! まぁ、スペックを見た時から実用性が高いであろうことは分かっていたけどね。ノンターボでは無いけど、911GTSをベースにしているからパワーもある。それに、俺がオーダーしたワケじゃないんだけど、好みの2座仕様なのでリアにしっかり荷物がおける。この辺の実用性の高さも気に入っている。実用性とは関係ないところで言うと、992になってからポルシェも音にこだわり始めた。ダカールもGT3のように、ジャダー音やメカニカルノイズが入り込んでくるんだよ。以前所有していた996のGT3だと、3000回転以上回さないと聞こえなかったエキゾーストノートも、ダカールでは良い感じで聞こえるようになった。俺の中では、スポーツカーでありながら、実用にも最適な最高の911だと感じている。

菅原 なるほど。ちなみに、ダカールの前に、GT3とかGT3 RSの出物が出てきたとしらどうした?

 

戸賀 買っていたかも知れない(笑)。でもGT3、GT3 RS、ダカールの3台なら、実用性の高さを考えるとやっぱりダカールだよなぁ、とは思っていたよ。だから本当に良い出会いだったと思っている。

唯一の問題点は、バッテリー上がり

菅原 ダカールとの素晴らしい出会いだった訳だけど、ネガティブな部分はまったく無いって感じ?

戸賀 いや、そりゃあるよ。一番の問題点はバッテリー上がり。ちゃんとしたデータは無いんだけど、3週間で上がる説がある。今まで乗ってきた911は、2~3か月放置していても問題なかったのに、ダカールは3週間。これって、フェラーリとかマクラーレンと変わらないんだよ。ちなみに、マクラーレンはリチウムバッテリーだから、20分もアイドリングすれば、フル充電にすることができた。だからバッテリーが上がってしまうことはなかった。フェラーリはバッテリー充電器が付属されていているから、100Vのコンセントさえあれば、リアのナンバープレートの上の差込口から充電することができた。当時の駐車場にはコンセントがなかったけど、ジャクリーのポータブル電源を購入して乗り切った思い出がある。でもなスガ、ポルシェともあろうものが、充電に関しては昔のままなんだよ。バッテリーのプラスとマイナスの端子をつかんで、充電するしかない。そしてその端子は、フロントフードを開けて、さらにその下のプラスチックの板を外さないと出てこない。これ、言葉にすると簡単だけど、けっこう面倒くさいんだよ。だって、フェラーリはコンセントに繋ぐだけだぜ。

菅原 そりゃ面倒くさいな。でもその怒り方からみると、じつはバッテリーを上げた経験があるんだろ?

戸賀 ある(笑)。でさぁ、バッテリーが上がっちゃうと、充電させるためのファーストステップであるフロントフードを開けることすらできないんだよ。そこは昔と違って進化していて、バネでガチャンではなくて電気で作動させる仕組み。もう、フロントフードを開けるだけでひと苦労だった。

菅原 うわ~っ、それは本当に面倒くさいな。ポルシェからは対策品は出てないの?

戸賀 今のところは出ていない。でもな、スガ。これも松ちゃんが解決してくれた。

菅原 まさに松淵さんには、足を向けて眠れない状態だな。

戸賀 本当にそう。彼がクルマの電気の配線のプロフェッショナルを紹介してくれたんだよ。フロントフード内に新設したソケットに、充電器側のソケットをつなぐだけで充電ができるようにしてくれた。ポルシェの充電システムを、特別に作り上げてくれたんだよ。配線のことはよく分からないけど、けっこうな大仕事だったと思うよ。このシステムを作ってくれたお陰で、通常時はフードを半開きにして常時充電しておけばまったくバッテリー上がりの心配は無し。ポルシェが最初から、こういう仕組みを作っておいてくれれば問題は無かったんだけどね。

菅原 なるほど。現状の問題は解決した訳だ。ならば今は、大満足のカーライフってことで良いのかな?

戸賀 もちろん。最高の1台に巡り合うことができたと心から思っています! ダカールとの付き合いは、ちょっと長くなりそうな予感がするんだよ。

菅原 う~ん、幸せそうなトガを見ると何故かムカつくんだよね (笑)。

ポルシェ911ダカール
全長×全幅×全高:4530mm×1864mm×1338mm
車重:1680kg
駆動方式:AWD
エンジン:3リッター水平対向6気筒 ツインターボ
トランスミッション:8DCT
最高出力:353ps(480kW)/6500rpm
最大トルク:570Nm/2300―5000rpm
価格:¥30,990,000(税込)

文 菅原 晃

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2024年12月8日(日)パネライ大丸心斎橋ブティックにて戸賀編集長のショッピングアドバイス

2024年12月8日(日)パネライ大丸心斎橋ブティックにて戸賀編集長のショッピングアドバイス

【オープニングトークショー】
2024年12月8日(日曜)15時より
J PRIME戸賀編集長によるトーク後におこなわれるショッピングアドバイス(1組15分間 記念写真撮影込み)は

daimarushinsaibashi@panerai.com

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*11月15日(金)締め切り
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場所:大丸心斎橋店 〒542-8501 大阪府大阪市中央区心斎橋筋1-7-1

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