WATCH

アートな一面も楽しめる名作タイムピース

KAWSとのコラボによる限定250本だけの「ロイヤルオークコンセプトトゥールビヨン “コンパニオン”」

2024.11.26

KAWSとのコラボによる限定250本だけの「ロイヤルオークコンセプトトゥールビヨン “コンパニオン”」

オーデマピゲの最先端の技術力と前衛的なデザインが特徴のコレクションの「ロイヤルオークコンセプト」に、時計の価値観を書き換える斬新なコラボモデルが登場。なんと世界的なアーティストであるKAWSとの共作であり、トゥールビヨンだけでなく、特殊機構を組み込んだ新型ムーブメントも見どころのひとつ。重力に囚われない特別な“心臓”を得たポップアイコンは、ひと目見たら忘れられない、別次元のエモーションを秘めています。

ペリフェラル式時分表示がアートな時間を邪魔しない⁉

時計とアートのコラボレーションは、これまでにも度々行われてきました。そもそも目に見えない時という存在を、カタチにしてみせる時計と言うアイテムは、かなり観念的でもあり、同じく美という不確かなコンセプトを自由な形状で作り上げるアートという活動と非常に近しい関係にあるのです。しかし観念的かつ不確かゆえに、アートコラボウォッチはともすると難解な仕上がりになってしまうことも少なくありません。ですが、今回発表されたオーデマピゲとアーティストKAWSによるコラボ、『アートな時間を邪魔しない』は、楽しいぐらいに明快でシンプルとさえ言える完成度にて登場しました。

そもそも「ロイヤルオークコンセプト」は、先進の技術力を結集し、精度と斬新な機構を組み込んだオーデマピゲの技術力を示すコンセプトカーのごとき時計コレクション。2002年にロイヤルオークの30周年記念時にデビューして以来、同社のたゆまぬ進化を証明するコンプリケーションモデルが継続的に打ち出され、そのたびに話題となっています。

そして今回コラボを務めたKAWSは、1990年代にニューヨークでグラフィティアーティストとしてその活動を開始した人物。公衆電話ボックスやバス停の広告にグラフィティを描き加え、新たな意味を生み出す“オーグメンティング”の手法により、その名を広く知られています。“広告への介入”を試みた彼の初期作品から登場する“コンパニオン”は、KAWSのいろいろな作品に登場する定番的なキャラクターです。

43mmの「ロイヤルオークコンセプトトゥールビヨン “コンパニオン”」は、時計の両面にKAWSの美学が吹き込まれ、“広告への介入”を試みた初期作品にオマージュを捧げる形で完成しています。サファイアクリスタル風防の下に配されたKAWSの“コンパニオン”モチーフは、ガラスの内側に顔と手を押し当て、まるで時計の世界から現世のぞき込もうとしているかのようです。そしてKAWSの解剖シリーズにちなみ、6時位置のトゥールビヨンが、あたかも“コンパニオン”の胸に納まる“心臓”となり、キャラクターとムーブメントの融合が見事に表現されているのです。

そしてこの、世にも珍しくキュートなキャラクターを邪魔せぬよう、時刻表示は通常の軸針式ではなく、外周の歯車にて動かすペリフェラル式時刻表示が採用されています。つまり、この特別なコラボモデルのために新型ムーブメントが投入されているということ。手巻き式のこのキャリバー2979は、特殊な時刻表示機構に加え、小型キャリッジが1分で1回転し常に向きを変えることで重力を分散させるトゥールビヨンを組み込んだ複雑機構なのです。さらにこのモデルではブラックPVDチタン製のブリッジを持ち、KAWSのキャラクターたちにインスパイアされたパデッドデザインが取り入れられ、ケースバックからもその個性が確認できる趣向となっています。

あまりにユニークなルックスのため、一瞬トイウォッチと勘違いされそうな本モデル。しかしライトグレーとダークグレーを用いコントラストを表現したミニチュアサイズの3Dキャラクターは、チタンにて全体を作り上げ、サンバースト模様のチタンダイヤルプレートに取り付けられるなど、手の込んだ造作を尽くしています。象徴的な八角ベゼルに気付かなかったとしても、各所の仕上げや特殊な動きを見せる時分針を確認すれば、分かる人には分かる本格時計に仕上がっているのです。よしんば「なんかオモチャみたいで面白～い！」とだけ言われたとしたら、それこそこれまでにKAWSが行ってきたアートによる“意味の書き換え”が成功した瞬間だと言えるのです。

時報装置を超えて見る者に新たな刺激と楽しみ方をもたらすオーデマピゲと世界的アーティストによるポップなコラボレーション。ステイタス以上の価値を持った、世界で250本だけの特別なコンプリケーションウォッチです。