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TOGA×PORSCHE Car Impression

戸賀編集長が語るポルシェ・インプレッション〈緊急試乗〉「パナメーラのハイブリッドはいちばん“欲張り”なクルマですね」

2022.09.01

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戸賀編集長が語るポルシェ・インプレッション〈緊急試乗〉「パナメーラのハイブリッドはいちばん“欲張り”なクルマですね」

前回の911タルガ4に続き、戸賀編集長はパナメーラを緊急試乗! それもハイブリッドモデルです。その印象を、ちょっと独断と偏見が入った“戸賀目線”で語ります。聞き手は彼の雑誌編集者時代の先輩、フリーランスエディターの高(「“クルマ通”戸賀編集長の愛車遍歴」参照)です。

「ポルシェのハイブリッドは、乗って楽しく、しかも快適!」

高 戸賀編集長の緊急試乗企画の第3弾は、前回のポルシェ 911タルガ4に続き、今回もポルシェ! それもパナメーラのハイブリッドモデル「ポルシェ パナメーラ4 Eハイブリッド プラチナムエディション」。3週間ほど試乗した感想はどんな感じ?

戸賀 ショッピングからゴルフまでいろんなシーンで乗ってみましたが、普通に走っている限りはハイブリッドを感じさせないところが凄いですね。いや、むしろ「よし、ハイブリッドモードで走ろう」「スポーツモードでエンジンを使おう」とか、走行モードをシチュエーションや気分次第で自在に選べる楽しさがありますね。

「渋いグリーンっすね〜。ヨーロッパではクルマもファッションもグリーンが流行っているんですよ。パナメーラのプレミアム感がアップしますね」と、ボディカラー:アベンチュリン グリーンメタリックに好評価の戸賀編集長。ちなみに、このパナメーラは『プラチナムエディション』というグレードなので、専用デザインのテールライトやハイグロスブラックのエクステリアトリムと行った装備が精悍な印象に一役買っています。また、パノラミックルーフやBoseサラウンドサウンドシステムといった特別装備も、プレミアム感をアシストしています。

高 そうそう。走行モードにはノーマル、ハイブリッド、スポーツ、スポーツプラスがあって、さらにハイブリッドモードにはハイブリッドオート、Eホールド、Eチャージがあるんだよね。でも、スポーツ走行大好き人間の戸賀っちとしては、ず〜っとスポーツプラスで走ってたんじゃないの?

戸賀 いやいやいや、ちゃんとモードを選択して走りましたよ。例えば、ゴルフに行く日はマンションを早朝に出発するので、近所迷惑にならないようにEホールドにして無音で走り、行きの高速に乗ったらただちにスポーツプラスを選択!ゴルフ前のハイテンションな気分に合わせてイケイケで走れるし、しかもバッテリーは充電できるから一石二鳥でしょ!! そして、18ホール回って疲れている帰りは、ハイブリッドオートモードでゆったりと走りましたよ。行きの首都高〜高速道路の追い越し加速は、パワー的にはなんら不満はありませんでしたし、緩い高速コーナーも安定して走れましたから。それに、ゴルフ場周辺のワインディングでは、4ドアサルーンであることを忘れるくらい軽快なスポーツドライビングができました。

高 このパナメーラ4 Eハイブリッドは2.9リットルV6ツインターボ・エンジンとモーターアシストとの連動で、システム最高出力はV8エンジンツインターボ搭載車並みの462PSを発揮するからね。また、リアアクスルステアリング(4輪操舵)と4WDのおかげで、高速走行では安定し、タイトカーブでは俊敏に走れたんだよ。それにポルシェ自慢のブレーキ、すなわちフロント/対向6ピストン式、リア/対向4ピストン式のアルミニウム製モノブロックキャリパーも効いているよね。

戸賀 パナメーラの走りが楽しく、かつ快適だったのは、インテリアも大きく影響していると思います。例えばシート! ドライバーの身体を点で支えながらも、まるで面で支える感じで腰や背中を包むようにボールドしてくれるから、長時間運転していても疲れないんですよ。また、ステアリングといいインパネ&センターコンソールといい、さらに助手席までストレートに繋がったダッシュボードといい、911の匂いがプンプンして「よし、走るぞ!」と気分が高ぶりますよね。だって、シートに座ってステアリング握って前を向いて運転している限りは、雰囲気もドライブフィールもまんま911じゃないっスか。ふと後ろを振り返ってリアシートを見た時、「ああっ、そういえばスポーツサルーンのパナメーラに乗ってたんだっけ」と認識するくらい…。

「911のイメージを踏襲したコックピットは、クルマ好きのニューリッチな人にはウケがいいでしょう」と語る戸賀編集長。また、「181cmの戸賀がフロントシートを実際に乗る時の位置に下げても、リアシートは十分に快適に座れますね」とも。

高 褒めすぎじゃね!?(笑)。それにしてもこのパナメーラ4 Eハイブリッドはポルシェのタインナップ、および日本のクルマ好きの間ではどういうポジショニングなんだろうね!? だってさ、今の世の中はSUV一辺倒で、セダン(=サルーン)は人気ないじゃんか!

戸賀 う〜む。みんな快適さやラグジュアリーさを求めてSUVに乗るんですけど、実はもっと静かで運転しやすいクルマがあるってことをわかってないんです。知ってましたぁ? このパナメーラって窓が2重ガラスなんですよ。つまりポルシェはそれだけ静粛性に力を入れてるってわけです。 高 いや、全然気がつかなかったよ(苦笑)。

「家族のことを考えたら、これ1台だけでもいいかもしれません」

戸賀 ポルシェは企業ですから売り上げを気にしなきゃいけませんし、他社との販売競争に勝たなきゃいけません。しかも、やれSDGsだやれ電気だと煩くなっている世の中の流れにも乗らなきゃいけません。とっくに「スポーツカーを売ってりゃあいいだろ」って言えなくなってしまったんですよ。じゃあどうすんの?…って、ポルシェを含むすべてのクルマメーカーはラインナップを増やすしかない! ところが、ポルシェが他メーカーと違ったのは、いくらラインナップを増やそうとも“常に最高であること”という姿勢を貫いていること。だから、僕が唯一無二のRRスポーツと認めている911ではないモデル…パナメーラに乗っても911と同等の感動を得ているんです。マカンやカイエンはSUVとして、ボクスターはミッドシップ・ピュアスポーツカーとして、そしてパナメーラはプレミアムサルーンとして、ポルシェの信念である「最新が最善」を守っているんです。だからこそ、他メーカーのサルーンよりも秀でているんです。

プレミアムサルーンでもアクティブにドライブする戸賀編集長は、街中でも高速でもワインディングでも、GTスポーツステアリングホイールのパドルシフトから指を離しません。「だって、ポルシェに乗っているんだから、積極的にシフトチェンジした方が楽しいでしょ!」とか。

高 おおっ、なんか…今日の戸賀っちって、本当のジャーナリストみたい!

戸賀 …ってなことを、“人生最後の大きなクルマ”としてメルセデス・ベンツSクラスを買った妻に言ったら、「私がクルマ選びで迷ってる時、Sクラスがいちばん!って言ったんじゃん」とメチャ怒りされちゃいました(笑)。おっと、この話は余計でしたか。

高 いや、全然余計じゃないよ。俺はJ PRIMEのクルマの記事を読んでくれたクルマ好きの人に、「こういうクルマ選びの基準がありますよ」って教えてあげたいんだよ。だから、下手すりゃクルマヲタクの戸賀っちはパナメーラを評価しつつも、一方でクルマにあんまり興味が無い人にはSクラス…って基準もありだと思うんだよ。そういうのをすべて記事に書くことで、読者がクルマ選びの参考にしてくれればいいんじゃないかな。

パナメーラのラゲッジスペースは、335〜1153リットル(ハイブリッド車)。「キャディバッグは重ねれば2本」というのは、実際にゴルフへ行った戸賀編集長のインプレッション。

戸賀 パナメーラ4 Eハイブリッドは十分に速いし、運転していてとても楽しい。それでいて静かで快適で、しかもハイブリッドだから燃費も良いという弱点が無いクルマ。とっても欲張りなクルマと言えるでしょう。もしも「クルマは1台だけしか選んじゃダメ」と言われたら、このパナメーラになるんじゃないですかね。だって、僕だけじゃなく、家族も満足できるんですから。

高 でもさ、そういうパナメーラに満足している自分自身が、ちょっと悔しくない? なんだか牙が抜けてしまったようで????(笑)。

戸賀 確かに(笑)。

「Porsche Panamera 4 E-Hybrid Platinum Edition」
●エンジン:2.9リットルV6 DOHCツインターボ(+モーター)
●システム最高出力:462PS(340kW))
●システム最大トルク:71.4kgm(700Nm)
●全長×全幅×全高:5049×1937×1432mm
●車両重量:2210kg
●価格:¥17,390,000〜(税込)

ポルシェジャパン
https://www.porsche.com/japan/jp/

撮影 杉田裕一
文 高 成浩(POW-DER)

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