エンジェル税制,ススメ
(画像=UMB-O/Shutterstock.com)

不安定な株式市場。高騰しすぎた不動産価格。このような投資環境で、手元にキャッシュがあっても「魅力的な投資先が見つからない」という個人投資家は、「エンジェル投資」を検討するのも一案です。以前から注目されていた分野ですが、節税策の認知向上やマッチングサイトの整備で今後、一気に盛り上がる可能性があります。

エアビーアンドビーやウーバーもエンジェル投資で誕生した

エンジェル投資とは、金融機関やベンチャーキャピタルからの支援を受けられないスタートアップ企業に投資をすること。将来的に IPO(新規上場株式)などで株式価値が高まれば、莫大なリターンを得られる可能性があります。

海外の事例では、エアビーアンドビーやウーバーなどがエンジェル投資(株式型クラウドファンティング)を受けた企業として知られます。たとえば、莫大な資産を築いたエンジェル投資家ではジェイソン・カラカニスが有名ですが、彼は黎明期のウーバーにエンジェル投資を行い、1,000万円の投資で100億円のリターンを得ました。

また国内の事例では、マネーフォワードがエンジェル投資を受けて、上場を果たした企業として知られています。

ベンチャー企業への投資が節税につながる「エンジェル税制優遇」

エンジェル投資によるメリットは、未来の大きなリターンだけではありません。一定の要件を満たしているケースでは、「エンジェル税制優遇」を利用した節税が可能。これは、ベンチャー企業への投資額が課税所得から控除されるものです。

控除方法には2通りあり、ひとつは「その年の総所得−2,000円」からベンチャー企業への投資額を控除するもの。上限は1,000万円です(※)。もうひとつの控除方法は、その年の他の株式譲渡益からベンチャー企業への投資額を全額差し引けるもの。こちらは上限がありません。いずれにしても、うまく使えばまとまった額の控除が可能です。

エンジェル投資家の中には、控除された金額をさらにベンチャー企業に投資することで、未来のリターンを拡大させようとする方もいます。なお、エンジェル投資が失敗に終わり、株式売却や倒産による損失が発生した場合は、他の株式譲渡益と相殺(損益通算)することもできます。

※正確には、控除されるのは1,000万円と総所得金額×40%を比べて低い方になります。

「エンジェル税制優遇」についてくわしく知りたい方は、下記のサイトでご確認ください。

中小企業庁『エンジェル税制のご紹介』

エンジェル投資が手軽にできるマッチングサイト

国内において、エンジェル投資が今まで一般的な投資の選択肢にならなかった理由に、「投資家とベンチャー企業の出会いの場」が少なかったことが挙げられます。この状況を大きく変える可能性のあるマッチングサイトが『FUNDINNO(ファンディーノ)』です。

『FUNDINNO』は、非上場企業が発行する株式に対して、数多くの個人投資家が支援する仕組み。「株式型クラウドファンティング」と呼ばれるプラットフォームです。2019年1月上旬時点の成約件数は45件。中には、5,000万円を約3分で集めた企業もあります。

応募企業を厳選しているのが特徴で、公認会計士、弁護士、税理士などの有識者から構成されるチームで審査を行い、メンバー全員が承認した企業のみ資金募集が行われています。

『FUNDINNO』で資金調達する企業の中には、前項で紹介したエンジェル税制が使える企業もあります。このサイトのさらなる拡大、あるいは、競合サービスの登場で国内のエンジェル投資市場がさらに盛りあがることが期待されます。

無価値になる可能性、流動性がないなどのデメリットも

いうまでもなく、エンジェル投資は「超ハイリスク、超ハイリターン」な世界です。ベンチャー企業の倒産確率は高いですが、それにより株式価値がなくなります。また、投資によって一定の株式を手に入れても、それを欲しいという人が現れなければ流動性がありません。この辺りのリスクを踏まえた上で、余剰資金のごく一部を使って投資を行うのが賢明です。

文・J PRIME編集部

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