ZOOM,マーケティング
(画像=yalcinsonat/stock.adobe.com)

新型コロナウイルスのワクチンにかかわるニュースも頻繁に耳にするようになり、世間ではニューノーマル(新常態)という言葉も徐々に定着しています。そんなニューノーマル時代のビジネスを象徴するサービスといえば、ビデオ会議アプリケーション「Zoom」を真っ先に思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。ビジネスにおける代表的なZoomの活用法としては「オンラインセミナー」が挙げられますが、はたして企業の新たなマーケティングツールとしてさらなる発展を遂げるのでしょうか。

「Zoomマーケティング」という新たなアプローチが可能に

Zoomマーケティングとは、Zoomを使って見込み客や既存顧客とのコミュニケーションを行う手法です。具体的なZoomマーケティングとしては「オンラインセミナーやファンミーティングなどの開催」「オンライン接客」「Zoomを使った新たな商品・サービス開発」などが挙げられ、それぞれ見込み客(リード)獲得やファン獲得といったマーケティング上の諸課題を解決する新たな手段として期待されています。

Zoomマーケティングを実践する企業には、どのようなプレイヤーがいるのでしょうか。日本と米国、それぞれの企業における活用事例を見ていきましょう。

日本:中古マンション情報サービス「Housmart」

最初に紹介するのは、中古マンションの情報サービスを提供する「Housmart」の事例です。 Housmartでは新型コロナウイルスが感染拡大した2020年3月ごろから、中古マンションの購入セミナー「カウルゼミ」を、Zoomを使ってオンライン上で開始しました。

セミナーでは「マンションの資産価値の⾒極め⽅」といったテーマを取り扱いつつ、質問をテキストで書き込めるZoomの機能を最大限活用した“双方向”のコミュニケーションを実現しています。その甲斐もあり、「大人数では対話が盛り上がらない」という課題を克服し、日経ビジネスによるとセミナーへの参加申込数を前年の26倍まで増加させることに成功したといいます。

このようなオンラインセミナーは“Webセミナー”を意味する言葉として「ウェビナー(Webinar)」と呼ばれ、世界中の企業に広く定着しました。内容にもよりますが、たとえばウェビナーに参加したユーザーに、その企業の製品・サービスへの知見を深めてもらい、有望な見込み客=リードとなってもらうといったマーケティング上の目的のもと実施されます。

アメリカ:メキシカンファストフード「Chipotle Mexican Grill」

アメリカのメキシカンファストフード店「Chipotle Mexican Grill」では2020年3月に、「Chiptole Together」と題したキャンペーンでZoomを使ったランチパーティ(ファンミーティング)を開催しています。なお、同キャンペーンでInstagramでもライブ配信を行っています。

このファンミーティングは、現実世界でソーシャルディスタンスが求められるようになった中で、同店のファン同士で新しい友達をつくったり、楽しい時間を過ごしたりする目的で開催されました。SNS上でも好意的な反響が集まり、まさにコロナ禍で人との交流を求める人たちに対して、目には見えない体験価値を提供できたといえるでしょう。

この事例では、オンラインが、対面では決して出会うことのない人々をつなげる力を持っていることを証明しています。また、Housmartの事例とも共通しますが、参加と主催者、また参加者同士の“双方向的”なコミュニケーションが可能という点でも、Zoomマーケティングは強みを持っているといえそうです。

Zoomマーケティングには弱点も

対面でのコミュニケーションが難しくなったいま、遠隔であっても手軽にFace to Faceでのコミュニケーションを叶えてくれるZoom。しかし、元来“Web会議システム”であるためにマーケティングを目的として活用する際は次のような課題も抱えています。

・顧客データの取得に限界があり、高度な分析に向いていない
・遅延などの影響で、大人数での会話に対応しにくい
・PCやインターネット環境が整っていない顧客へのアプローチが難しい
・Zoom上で顧客管理ができない

こうした課題を解決する策は複数考えられます。たとえば、Zoom単体では無理であっても、MA(マーケティングオートメーション)ツールやCRM(顧客関係管理)ツールと連携させ、顧客を一元管理する方法などです。

他のツールとの併用により、Zoomマーケティングの持つ課題の多くは解決が可能です。もちろん、Zoomに固執する必要はありませんが、Zoomマーケティングを展開するならば想定される弱点に対してどんなツールで補完できるかを十分に検討しておくのが好ましいでしょう。

ニューノーマル時代を切り拓く一手になりえるか?

新型コロナウイルスの影響により、オフラインでの会議が減り、Zoomをはじめとしたオンライン上でのマーケティング施策を実施する事例が増えています。オンライン上での施策で一定以上の結果を出している企業が多いことから、今後もZoomをはじめとしたオンライン会議ツールを使ったマーケティングの可能性を探る企業が、ますます増えてくると考えられます。

新たな様相を呈している市場で効果的な一手にもなりえる可能性を秘めた、Zoomマーケティングの活用を検討してみてはいかがでしょう。

文・J PRIME編集部

>>会員登録して限定記事を読む

【関連記事】