陶器


うつわはおもに料理のためのものですが、作家が作るそれには暮らし方や社会の捉え方まで変えてくれるほどの思想があります。それを知ることはアートに心動かされる感覚ともよく似ていて、かかわることで自分の中の何かが変わるような体験。そんなうつわの「名作」をたどる連載の第9話は、二階堂明弘さんの黒、茶、白、3色のうつわ。

使ったことの履歴がうつわに残っていく

陶芸家の二階堂明弘さんのうつわは、ひと言でいえば、薄手で、スタイリッシュで、料理が映える。ところが使ってみると、この表現からは想像の及ばないある事柄に誰もが気づくはずです。それは、料理を盛り付けるたびに油や汁気がいい具合に馴染んで、使われた記憶が陶肌にどんどん刻まれていくということ。