イタリアン


世界各国のリゾートにラグジュアリーホテルを展開する「アマン」初の都市型ホテル「アマン東京」。33階にあるイタリアンレストラン「アルヴァ」のパノラマビューからは、都会的な景色や皇居の森を一望することができる。開放感が満ち溢れた空間でいただけるのは、イタリア・ベネト州を中心に17年間、本場の味を追求してきた平木正和シェフの心尽くしの料理だ。季節の食材や素材のうまみをストレートに堪能できる新鮮かつ奥深い味に秘められたストーリーをお届けします。

都会の喧騒からエスケープできる、静寂に包まれた隠れ家のようなレストラン

サンスクリット語で「平和」という意味を持つ「アマン」。「アルヴァ」を含む「アマン東京」のデザインを担当したのは、アジア各地のリゾートホテルを手がけた建築家のケリー・ヒル氏だ。無駄な装飾性を排除したモダンデザイン、土地の風土や文化的背景を理解した空間作りも「アルヴァ」の見どころのひとつである。

レストランの内部
約30メートルの高さを誇る天井によって、非日常の開放的な空間に。心を穏やかにしてくれるアンビエントミュージックが流れる。



レストランの天井
ロビーの天井には、越前和紙を使った照明が設えられている。 障子を模したやわらかな光の演出が和の情緒を醸し出す。


イタリアで17年修業した、本格イタリアンのエッセンスを日本で届ける

ホテルのスタイリッシュな空間で過ごす高揚感には、非日常ゆえの多少の緊張も伴うもの。だが、「アルヴァ」の平木シェフは「街のレストランを訪れる感覚で、気軽に足を運んで欲しい」と語る。なぜなら、彼が作るイタリア料理は、季節の恵みをストレートに感じられるナチュラルさが最大の魅力だから。

料理長
アマン東京の総料理長も務める平木正和さん。子どもの頃に食べたパスタやピザの美味しさに感動し、イタリア料理への道に進む。イタリアのレストランで17年間研鑽を積み、本場の味を日本人の嗜好に寄り添うように調理している。



インサラータ
イタリアで人気のチコリの一種で高級な葉野菜「カステルフランコ」をダイナミックに盛り付けた「カステルフランコと林檎のインサラータ ゴルゴンゾーラと胡桃」。赤と白のマーブル模様の美しさが目を惹く「カステルフランコ」独特の苦みを、リンゴの甘さやゴルゴンゾーラドレッシングの塩味と調和させた。「アルヴァ」の開店当初からあるシグネチャーディッシュとして人気のひと皿だ。


生産者の元を訪れて味を調合し、塩味を抑えた繊細なキャビアに

海と山から収穫した季節の恵みをダイレクトに表現することが信条である、平木シェフ。新鮮な魚介類は日本のものを、野菜や肉は日本のほかにヨーロッパ各地のものなど旬の食材を積極的に取り入れている。常に美味しい素材に出合うために、生産地巡りをライフワークにしていて、その数は50カ所を超える。「アマン」オリジナルのキャビアも、以前から気になっていた香川県の生産者から直接仕入れたものだという。

帆立のカルパッチョ
「北海道産帆立のカルパッチョ ピンクグレープフルーツとフェンネル 香川県産アマン東京オリジナルキャビア」。 平木シェフが香川県でチョウザメを養殖している生産者を訪ね、自ら監修したアマン東京オリジナルのキャビア。塩味を抑えたまろやかな旨みにこだわって仕上げた逸品。肉厚で甘みのある帆立にクリーミーな質感のキャビアが繊細に溶け合う。


オリジナルのキャビアを作るにあたり、平木シェフは実際に使用する塩のパーセンテージを細かく調整。塩味が抑えられていて、海外生産のものとは一線を画す繊細な味わいが際立つ。

「海外で生産されたキャビアは長期保存や輸出することを想定して、塩分が強めに作られているものがほとんど。やわらかい味の塩を選べばもっと、キャビア本来の味や香りを生かせると思い、ミネラルが豊富なヒマラヤの岩塩を使用することに」

小麦粉本来の美味しさを堪能できる、丹精込めて作ったパスタ

さらに、平木シェフはいま、北十勝産の短角牛と蝦夷鹿にも注目しているという。短角牛はミートソース、蝦夷鹿はラグーとして調理。いずれも「アルヴァ」の人気メニューである。今回出してくれたのは、「長野県産小麦のウンブリチェッリ 蝦夷鹿のラグー」だ。

ラグーパスタ
蝦夷鹿の赤身のフレッシュなうまみが贅沢に絡み合う、もっちりとした太めのパスタ、ウンブリチェッリをセレクト。ソースは二層構造になっていて、上に盛り付けたほうは、蝦夷鹿の内腿を軽くあぶって大きめにカットしたものをニンニク、鷹の爪、イタリアンパセリ、ブラックペッパーと和えたもの。パスタに絡めたほうが、蝦夷鹿の赤身をしっかりと煮込んだラグーだ。


「北十勝の猟師は鹿にストレスを与えないよう、一発で仕留めるので、肉がとても新鮮で美味しいんです。この鹿肉に合わせるのは、長野県の小麦粉『ゆめちから』を使って作る、イタリア・ウンブリア州の伝統的な手打ち太麺のパスタ『ウンブリチェッリ』。日本各地のさまざまな小麦粉を集めてテイスティングした結果、これがいちばんジューシーな鹿肉の赤身のラグーにも負けない味になるな、と。手作りだから、パスタの形はひとつひとつが不ぞろい。それが、イタリア料理の味わい深いところなんです。鹿肉をふたつの食感で楽しんでもらいたくて、2種のラグーソースで構成しています」

締めのドルチェはお酒にも合う洗練された大人の味

食事の締めくくりに欠かせないのは、エグゼクティブペストリーシェフ、宮川佳久さんによるイタリアンならではのドルチェだ。エレガントな味わいと幸せな余韻がいつまでも記憶に残る2品をサーブしてくれた。

ミレフォーリエ
旬の食材をふんだんに使った「栗とプラリネのミレフォーリエ」。フォルムが異なる素材をミルフィーユ状にした造形美に目を奪われるひと皿。薄くスライスした熊本県産栗のコンポート、マロンペーストとヘーゼルナッツのムースを重ねたパイ生地、カシス風味のチュール飴、全粒粉を使った極薄のビスケットなど、さまざまな食感が楽しめる工夫を凝らしてある。アイスは「ヴィン・サント」という甘口ワインの隠し味がワイン好きの味覚に寄り添う、ミルクジェラートのような味わい。



ジェラート
「ジェラートとソルベットの盛り合わせ」。フレッシュなバジルとライムの果汁を一口サイズのジェラート&ソルベに。バジルの野性味溢れる濃厚な味が印象的。サクサクと香ばしい薄焼きのゴーフルとの相性が絶品。


「アルヴァ」という店名はラテン語で収穫を意味する。試行錯誤を重ね、シンプルに削ぎ落とされた料理は、しっかりと食べ応えがあるが、体に負担がかからないヘルシーなものばかり。どのひと皿からも、素材に出合った喜びや敬意が感じられ、食べているだけであたたかい気持ちなれる。素材の持ち味を存分に引き出すことに情熱を注ぐ、活気溢れる名店をぜひ訪れてみて欲しい。



「アルヴァ」
東京都千代田区大手町1-5-6大手町タワー
☏ 03-5224-3339
営業時間
Lunch: 12:00∼14:30
「NATURALE 自然」6,900円
(前菜、メイン2品、ドルチェ2品、コーヒーまたは紅茶)
上記をはじめ、数種類のコースを用意
Dinner: 17:30∼22:00 L.O 20:00)
「COLTIVARE栽培」12,000円
(前菜、メイン3品、ドルチェ2品、コーヒーまたは紅茶)
上記をはじめ、数種類のコースを用意

休 火曜日、水曜日 ※状況により変更の可能性あり
https://www.aman.com/ja-jp/resorts/aman-tokyo/arva-restaurant

※「アマン東京」ホテル1階別棟「ザ・カフェ by アマン」
にクリスマス限定ペストリーショップが2020年12月25日(金)までオープン。
https://www.aman.com/ja-jp/resorts/aman-tokyo/festive-gift

撮影/松村隆史 構成・文/矢島聖佳

※新型コロナウイルス感染症対策として店内やスタッフの除菌、営業中のマスク着用を徹底している。

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