ローストチキン

本当のラグジュアリーな食事とは何だろう。 四季折々に旬の食材がとれる日本において、その時に一番美味しいものを食す。それを、自分の手で料理して、大切な人に食べてもらう。食材にこだわり、道具にこだわり、みんなを楽しい気持ちにさせる飯。毎日じゃなく週末だからできる、ちょっとわがままかもしれない“ラグメシ”。 Vol.8は、冬のホームパーティを彩るおもてなし料理。主役は、鶏を丸ごと焼き上げるローストチキン。下処理が済んだ丸鶏さえ入手すれば、実はテクニックいらず。レストランに劣らぬ見た目と味が、特別な日を一層盛り上げてくれます。こだわりのTOOL情報や、タロアウトによるDL可能なレシピPDFもあります。

1. 丸ごとローストチキン
2. 豆腐のヘルシーティラミス

子どもの頃に憧れた丸ごとローストチキン。自分で作る日が来るとは!

ヨシキとタロアウト


YOSHIKI(以下Y)早いもので、もう11月。イベント目白押しの季節がやってきましたね。ということで今回は、インパクトもボリュームも満点のおもてなし料理を作ります。
TAROUT(以下T)まさか、この丸鶏を使うのですか?
Y その通り! 丸ごと、ローストチキンにします。
T 子どもの頃、クリスマス映画で観て憧れた記憶があります。まさか、自分で作る日が来るとは。
Y きっと、あまりに簡単で驚きますよ。重要なのは、下処理済みの新鮮な丸鶏を使うこと。調理のテクニックは一切必要ありません。

T 丸鶏は、どこで手に入りますか?
Y 手軽なのはネット通販。全国から、さまざまな品種を取り寄せることが可能です。内臓を取り除いた状態を示す「中抜き」と「丸鶏」で検索してみてください。また、事前に予約をすれば、ほとんどの精肉店で買うことができますよ。
T おすすめの品種はありますか?
Y本日使う「水郷赤鶏」や「大山どり」は、肉の柔らかさ、脂の量のバランスが良く、誰からも好まれる味わい。脂が少なく、歯ごたえのある肉質が好みなら軍鶏。「比内地鶏」や「名古屋コーチン」は脂が多くて肉厚ですが、サイズが大きいので、オーブンに入るか確認してから注文するのが賢明です。
T サイズによって、焼き時間も変わりますよね? 焼きすぎて身がパサつかないか、不安です。

丸鶏


Y さすが、おっしゃる通りです。丸鶏を調味液に漬けるのは、焼き時間による失敗を防ぐためなんです。繊維を締めて肉汁を出にくくする塩、保水効果がある砂糖を同時に長時間染み込ませることで、焼き上がりがぐんとジューシーに。少しくらい焼きすぎてもパサつきませんよ。
T ホッとしました!
Y 味をより浸透させるためにも、常温で漬けておくのがベスト。冷蔵庫に入れる場合は、焼く1時間前には出して常温に戻しましょう。冷えたままオーブンに入れると肉汁が出すぎてしまうので、要注意。
T 勉強になります。鶏と一緒に野菜を焼くから、一度にグリル野菜も作れて、副菜いらずですね。
Y 脂と肉汁がたっぷり染み込んだ野菜は、とにかく絶品。とくに根菜が好相性ですが、合わない野菜はありません。

野菜

T すでにオーブンから、いい香りが……。
Y 焼き上がりを待っている間に、デザートを作りましょう。この豆腐ティラミスはタロアウトさんの大のお気に入りで、80回以上作っているんですよね!?

ティラミス

T 豆腐を代用したスイーツって大豆の臭いが気になるんですが、藤田さんから教わったこのティラミスは皆無。しっかり濃厚なのに軽い口当たりで、個人的には、マスカルポーネチーズのレシピよりはるかに美味しいです。
Y 嬉しいですね。ティラミスはマスカルポーネチーズの味で出来が左右されるのですが、市販のものは質の差がけっこう激しい。その点、豆腐を使えば味がブレにくいという利点があります。
T 焼く、蒸すなどの面倒な工程もなく、とにかく手軽。ヘルシーかつ上品な甘さで、男女問わず喜ばれます!
Y さて、鶏も焼き上がりましたよ。

丸鶏

T まるでお店のような出来栄え! オーブンを開けた瞬間、盛り上がること間違いなし。細かい工程は面倒だけどインパクトは欲しい、という男心をばっちり満たしてくれるレシピですね。
Y あえて皿に盛り直さず、ワイルドに天板のまま出すのも良し。キッチンバサミを使うと、切り分けが楽チンです。
T これまで食べたローストチキンで、一番美味しい。年末のイベントのマンネリも解消でき、忘れられない思い出になりますね。

1. 丸ごとローストチキン

ローストチキン


【材料/4名分】
丸鶏     一羽分(1.5kg〜2.0kg)
好みの野菜  適宜
※ 今回はパプリカ2個、ジャガイモ1個、サツマイモ小1個、ニンジン小1本、タマネギ1個、カブ小2個を使用。
オリーブオイル 大さじ2
A:調味液
塩        25g
砂糖       25g
水        500ml
ローズマリー   2枝
ローリエ     1枚
ニンニクスライス 1片

【作り方】
1 Aをジッパー付袋(A3サイズ以上)に入れ、よく混ぜる。丸鶏を入れて空気を抜き、冷暗所に置いて3時間以上(できればひと晩)漬ける。※冷蔵庫で保存する場合は、焼く1時間前に出して常温に戻す。
2 野菜をひと口大に切る。
3 ジッパー付袋から丸鶏とハーブを取り出す。丸鶏の水気をキッチンペーパーでよくふき取り、腹に調味液から取り出したハーブと野菜を入るだけ詰める。※【POINT1】参照
4 丸鶏のお尻を楊枝で止める。両足はクロスさせて、タコ糸で縛る。※【POINT2】参照
5 クッキングシートを敷いた天板に余った野菜を敷き、丸鶏をのせる。丸鶏の表面全体にオリーブオイルを塗り、丸鶏をふんわり包むようにアルミホイルをかぶせる。
6 200度に予熱したオーブンで30分加熱する。
7 アルミホイルを外し、パプリカなどの火が通りやすい野菜を取り出す。再び200度のオーブンで30分加熱する。胸肉の厚い部分に竹串を刺して、透明な肉汁が勢いよく出たら焼き上がり。串がするっと刺さらない、もしくは赤い汁が出てきたら、さらに10分ずつ加熱を増やす。※肉汁の出が悪くなるため、串を刺す箇所は毎回変える。

【POINT 1 丸鶏は野菜を詰めることで、焼き上がりがよりジューシーに】

ローストチキンをつくっている
野菜は、丸鶏のお尻からみっちり詰め込む。「空洞だと中に熱がこもり、急速に火が通ってしまうんです。野菜で中心の温度を低く保つことでじっくりと熱が入り、ジューシーに焼き上がります。形にも張りが出て、見栄えがしますよ」(藤田さん)


【POINT 2 お尻は楊枝、脚はタコ糸でしっかり固定する】

ローストチキンをつくっている
丸鶏の足を結ぶ
お尻は、左右の皮を引っ張って楊枝を通す。脚は、左右をクロスさせた状態でタコ糸を巻きつける。「このひと手間で、加熱後に身が縮んでも、形崩れしません!」(藤田さん)


【POINT 3 2度目の加熱の前に、焼けた野菜を取り除く】

丸鶏にオリーブオイルを垂らす
丸鶏の表面にオリーブオイルを垂らし、手を使って全体にのばす。「熱伝導率が上がって火が通りやすくなる、水分の蒸発が防げる、などの効果があります。さらに、焼き色もより美しく仕上がりますよ」(藤田さん)


焼けた野菜を取り出す
アルミホイルを外すタイミングで、焼けた野菜を取り除く。「パプリカやブロッコリーなどは火が通りやすく、2度焼きすると焦げてしまうので。ただし根菜はそのままでOK。肉汁がたっぷりと染み込み、より美味しくなります」(藤田さん)


2. 豆腐のヘルシーティラミス

ティラミス


【材料/4名分:直径約5cmの容器4個分が目安】
バゲット     厚さ1cmにスライスしたもの4枚
ココアパウダー  大さじ1

木綿豆腐 200g
豆乳ヨーグルト 100g
ラズベリージャム   30g
砂糖       30g

インスタントコーヒーの粉    大さじ1
水        45ml

【作り方】
1 豆腐と豆乳ヨーグルトは冷蔵庫で1日かけて、しっかりと水を切る。豆腐の水切りは、パックのふたに切り込みを入れてある程度水を抜いたら、プラスチック製の密閉容器の中で斜めに立てかけておくと水が抜けやすい。豆乳ヨーグルトは、キッチンペーパーを敷いたザルに入れて水切りを。
2 Bはボウルで混ぜ合わせ、バゲットは1cmの厚さにスライスする。
3 フードプロセッサーやミキサーにAを入れ、なめらかになるまでまわす。
4 それぞれの容器にバゲットを1枚ずつ敷き詰め、スプーンでBをかける。その上に2を流し込み、ふるいを使ってココアパウダーをふりかける。好みでカカオニブやタイムなどのハーブ、ブドウなどのフルーツ(すべて分量外)をトッピングして完成。

【POINT 1 バゲット全体にコーヒーをなじませる】

ティラミス
インスタントコーヒーを水で溶いた液を4等分し、器に敷いたバゲットにムラなくかける。「エスプレッソマシーンがある場合は、同量のエスプレッソを使用すると、さらに本格的な味わいに。お好みでウイスキーやブランデーなどのリキュール(大さじ1)を液に混ぜると、味に深みが増しますよ」(藤田さん)


【POINT 2 容器をテーブルに叩き、クリームを沈める】

クリームを注ぐ
容器を叩く
容器をトントンとテーブルに叩くとクリームが沈み、表面が均一に整う。「しっかり冷やすと、より美味しく。食べる直前まで冷蔵庫に入れておきましょう」(藤田さん)


【今月のこだわりTOOL:水切りヨーグルト器】

ヨーグルト
「ヨーグルトは1〜2日かけて水切りすると、サワークリームのような濃度になります。キッチンペーパーを敷いたザルでも作れますが、冷蔵庫の中で場所を取るのが難点。そこで重宝しているのが、『水切りヨーグルトができる容器』。ネットで検索すれば、すぐに見つかりますよ。これは、ヨーグルトを直接流し込んで、冷蔵庫に入れるだけ。これで作り置きしておけば、生クリームやサワークリーム代わりにさっと使えて便利。僕はスープに入れたり、ガレットやパンケーキに添えたりしています」(藤田さん)※水切りヨーグルトの保存期間は、もとのヨーグルトの賞味期限と同じ


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ラグメシ
藤田承紀 / FUJITA YOSHIKI
(プロフィール)
福祉レストラン「らんどね空と海」シェフ。イタリア・トスカーナ地方のレストラン「IL PELLICANO」や、ローマの老舗「AL CEPPO」にて修行。帰国後は「食卓に笑顔を」をモットーに、自然農法、有機農法による野菜作りをしながら活動を開始。野菜料理を得意とし、ビーガンや各種アレルギーに対応した料理教室、ケータリング、レシピ開発も行う。 著書に『野菜のスープ』(主婦と生活社)、『揚げる焼く 野菜のチップス 果実のチップス』(文化出版局)がある。
ラグメシ
タロアウト / TAROUT
(プロフィール)
キャラクターアーティスト。ひとつひとつに愛情あふれるストーリーを設定して誕生させる作品が、国内外から絶大な支持を集める。これまでディオールやフェンディ、ポール・スミス、ナイキなど、名だたるブランドとコラボレート。また、現在『VOGUE GIRL』で大人気連載中の「しいたけ占い」のキャラクターデザインを担当。運動を始めてから健康を意識する中で料理に目覚め、藤田氏とフード&デザインユニット「LUNNY’S VEGGIE」を結成。2017年、「未来の笑顔をシェアする」とコンセプトに活動をスタート。

題字デザイン/タロアウト 撮影/野頭尚子 文/中西彩乃 構成/横山直美(cat)

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