世界三大時計,老舗メーカー
(画像=kalpis/stock.adobe.com)

「腕時計」と聞くと、あなたはどんなメーカーを想像しますか。日本人の多くに馴染みがあるのは、やはりセイコー、シチズン、カシオ、海外メーカーではロレックス、オメガ、といったところでしょう。

では、「世界三大腕時計」となるとどうでしょうか。“The Big Three”や“The Holy Trinity”とも称される「世界三大腕時計」は、一般に、パテック・フィリップ、オーデマ・ピゲ、ヴァシュロン・コンスタンタンを指します。この記事では3社の歴史や特徴などを紐解いて、なぜこの3社が「世界三大腕時計」と呼ばれるのか、その理由に迫ります。

パテック・フィリップ:世界で初めて「リューズ」を搭載。他の追随を許さない高精度な腕時計

パテック・フィリップ(Patek Philippe)は、スイスのメーカー時計です。1839年、アントワーヌ・ノルベール・ド・パテックとフランソワ・チャペックという2人のポーランド人によって創業されました。

1844年、パテックは、パリでジャン・アドリアン・フィリップと出会います。フィリップが発明した「リューズ」による巻き上げ、時刻合わせの機構に感動したパテックは、フィリップと意気投合します。フィリップは、チャペックが会社を去ったのちに事業に参加することとなり、1851年の社名変更以来、“フィリップ”の名を社名に遺すことになります。

同じく1851年、パテック・フィリップはロンドンの万国博覧会にペンダント・ウォッチを出品。イギリスのヴィクトリア女王の購入や著名人からの賞賛を受け、パテック・フィリップの名は世界にとどろくこととなりました。その後も世界の歴史的重要人物が所有することで、ますます有名になっていきます。

ところが、第一次世界大戦後の世界恐慌時に、パテック・フィリップは一度経営危機に陥ります。そして1932年、パテック・フィリップは文字盤製造会社を経営していたスターン兄弟に経営権を移譲する道を選びました。しかし、その理念やレガシーはしっかりと受け継がれ、創業以来他メーカーの支配を受けなかった「独立性」を誇りとしています。同時にパテック・フィリップを象徴するのが「計時精度」です。1962年のジュネーブ天文台計時精度コンクールで優勝して以来、パテック・フィリップの計時精度の記録はいまだに破られていません。

オーデマ・ピゲ:“複雑機構”の騎手として、数々の革新的な腕時計を生み出した

スイス西部のジュウ渓谷は、16世紀のスイス宗教改革をけん引したカルヴァンの影響で、フランスから多くのユグノーが移り住んだ場所。カルヴァンがこの地で時計産業を推進したことから、現在もジュウ渓谷は高級ブランドの時計メーカーの本社や20以上の時計工場が置かれる時計産業の集積地です。ジュラ山脈の麓にあるジュウ渓谷は“ウォッチバレー”とも呼ばれ、観光客を集めています。

そんなジュウ渓谷のル・ブラッシュに本社を構えるのが、世界三大腕時計の一角であるオーデマ・ピゲ(Audemars Piguet)です。同社は、1875年、ジュール=ルイ・オーデマとエドワール=オーギュスト・ピゲによって高級時計のムーブメントを製造する会社として設立されました。

オーデマ・ピゲの強みは、創業者であるオーデマとピゲが持っていた他の時計メーカーに勝る“複雑機構”の技術にあります。なかでも世界三大複雑機構と呼ばれる「トゥールビヨン」「ミニッツリピーター」「パーペチュアルカレンダー(永久カレンダー)」は今なおオーデマ・ピゲが得意とするところです。

また、オーデマ・ピゲは1875年の設立以来、家族経営が続けられており、高い独立性を保った会社です。ジュウ渓谷の時計の伝統色を色濃く残しながらも、その驚くべき薄さやデザイン性に前衛的革新性を追求してきた同社の時計は、現代でも数多くの一流アーティストやスポーツ選手に愛用されています。

ヴァシュロン・コンスタンタン:世界最古の腕時計メーカーの風格

ヴァシュロン・コンスタンタンは、パテック・フィリップと同じくスイスのジュネーヴを拠点とする腕時計メーカー。ジャン=マルク・ヴァシュロンが1755年に時計工房を創業したのが始まりで、世界最古の腕時計メーカーのひとつです。

数々の天才時計師たちが歴史を紡いできたなか、ジャン=マルク・ヴァシュロンの孫であるジャック・バルテルミー・ヴァシュロンの時代(1810年〜)はひとつの転換点です。彼には2種類のメロディーを自在に奏でるオルゴール時計など、複雑な時計を製造する時計師としての類稀な実力がありました。現代においても、ヴァシュロン・コンスタンタンの時計はこのような複雑な機構と高い精度はもちろんのこと、その気品あふれる装飾、デザイン性が織りなす格式の高さに人気の秘訣があります。

また、1819年にジャック・バルテルミー・ヴァシュロンは、彼の技術に触れ感動した経験豊かなビジネスマン、フランソワ・コンスタンタンと出会います。意気投合したヴァシュロンはコンスタンタンを共同経営者に迎え入れ、社名を新たに“ヴァシュロン&コンスタンタン”とし、販路を世界へと広げていきました。

ヴァシュロン・コンスタンタンの時計は、1800年代からロシア皇帝アレクサンドル2世やエジプト王など世界の王侯貴族や資産家たちが愛用したことで格式高いものとされています。現代では、トランプ大統領が身についていることでも有名で、日本の芸能人やスポーツ選手も多くの人が愛用しています。

世界中の一流が選ぶ“世界三大腕時計”を身につけてみては?

“時間”は私たち人類にとって有限の資源。だからこそ、限られた時間の中で成功を手にするためには、“正確な時間を知ること”こそが不可欠なのです。こうしたことから、今日では腕時計は地位と名誉と富の象徴になっているのでしょう。

世界三大腕時計の時計は、その精度はもちろんのこと、その複雑機構や意匠は他のメーカーとは一線を画しています。もちろん別格の予算を覚悟する必要はありますが、その歴史の重み、技術力があなたをさらに輝かせてくれることでしょう。

文・J PRIME編集部

>>会員登録して限定記事を読む

【関連記事】
いま世界的に「ブランドロイヤルティ」が低下しているわけ?
遺伝子レベルの健康法。信頼できる検査サービスは?
富裕層は歯医者は自由診療に通うべき。歯科医療最前線
富裕層のための東京ウォーキングガイド
急成長中の長寿・アンチエイジング研究 テクノロジーで「不老不死」実現?