カップとソーサー


うつわはおもに料理のためのものですが、作家が作るそれには暮らし方や社会の捉え方まで変えてくれるほどの思想があります。それを知ることはアートに心動かされる感覚ともよく似ていて、かかわることで自分の中の何かが変わるような体験。そんなうつわの「名作」をたどる連載の第7話は、伊藤環がプロデュースする「1 + 0(イチタスゼロ)」シリーズのこと。

手作り感を消さない量産品のあり方

伊藤環さんは、作家として独立後15年目を迎える陶芸家。古物からインスピレーションを得た神聖な佇まいのうつわが多くの人に親しまれていますが、作家活動と並行して、2012年に「1+0(イチタスゼロ)」というブランドをスタートしました。ブランド名は「ITO」の「T」を「+」に見立ててアレンジ。自分が作りたいと思ったものを、あえて自分ではない誰か(+@)の手でかたちにしていくプロジェクトです。食器から始まった商品展開は、