オリエンタルランド
(画像=dbrnjhrj/stock.adobe.com)

オリエンタルランドは2018年6月、東京ディズニーシーに新エリアを設ける「大規模拡張プロジェクト」を発表しました。新エリアの目玉の1つとして、「東京ディズニーリゾートで最上級の宿泊体験」を提供する、新たなディズニーホテルを建設する同社の狙いはどこにあるのでしょうか。

開業時に次ぐ巨額投資。開業は2023年度に延期

当初2022年に開業と予定されていた東京ディズニーシーの新エリアは、隣接する駐車場を転用する予定で、4つのアトラクションと3つのレストラン、1つのショップ、そしてパーク内に位置する新たなディズニーホテルが建設されます。なお、2020年1月30日の発表で、同エリアの開業は2023年度中へと延期となっています。

オリエンタルランド 代表取締役会長(兼)CEOの加賀見俊夫氏は、開業時に次ぐ2,500億円の巨額投資によって、世界で唯一のテーマパークを目指すと意気込みます。

魔法の泉が導くディズニーファンタジーの世界へ

東京ディズニーシーでは、世界観の異なる7つの「テーマポート」と呼ばれるエリアによって構成されています。今回、第8のテーマポートとして新たに加わる新エリア「ファンタジースプリングス」は、“魔法の泉が導くディズニーファンタジーの世界”がテーマです。

ファンタジースプリングスに足を踏み入れたゲストの眼前には魔法の水が流れる滝や池があらわれ、大ヒットしたディズニー映画『アナと雪の女王』『塔の上のラプンツェル』『ピーター・パン』を題材としたエリアが広がるといいます。

東京ディズニーシーは世界のディズニーテーマパークのなかで「海にまつわる物語や伝説」をテーマとする唯一のパークですが、ファンタジースプリングスの開業により、さらに魅力と体験価値を高めていく予定です。

(引用:オリエンタルランド 公式Webサイトより)
(引用:オリエンタルランド 公式Webサイトより)

新ディズニーホテルに注目。富裕層を対象とした客室も

この東京ディズニーシーにおける大規模な投資は、収益面でも期待されています。特に注目されているのが、新エリアに連結する新ディズニーホテルです。ホテルを併設する新エリアのために、オリエンタルランドは既存の平面駐車場の一部を立体化し、約14万平方メートル(うちテーマパーク・ホテルエリアは10万平方メートル)の土地を確保しています。限られたスペースで、いかに収益率のよい設備を導入できるかが勝負になりそうです。

新ホテルは475室を有し、一部は国内外の富裕層のニーズを意識した、東京ディズニーリゾート内でも最高水準の宿泊体験を提供するラグジュアリータイプの客室を予定しています。ディズニーファンタジーを強く意識したこのホテルは、新エリアのストーリーの核となる「魔法の泉」を囲むようにそびえ立ち、パークビューの客室からは壮大で美しいファンタジースプリングスを一望できるようです。

ラグジュアリータイプの客室では、パークに面する客室の窓から壮大で美しい新テーマポートの全景を楽しむことができます。デラックスタイプとなる予定の一部の客室からも、パークを眺められます。宿泊料金は、ラグジュアリータイプの客室は、既存の東京ディズニーランドホテルより高価格帯に、デラックスタイプは同程度と設定するように検討されています。

ラグジュアリートラベル市場を狙う

東京ディズニーリゾートで最上級の宿泊体験を提供するラグジュアリータイプの客室を備えることからも、新ホテルのターゲットは富裕層だと考えられます。

富裕層は旅行に対し、一生に一度の体験や本物体験を重視する「モダンラグジュアリー」や、あらゆる使途に費用を惜しまない「オールラグジュアリー」などを求めます。

これらのラグジュアリートラベルの市場規模は、先進国である米、英、フランス、ドイツ、オーストラリアの5ヵ国で6兆円に上りますが、このうち日本で消費されているのは830億円にとどまります。

さらなる成長が見込まれる市場だといわれていますが、いずれにしろ、特別な思い出を求めるのが富裕層です。観光や食べ物、文化に新しい価値を探すのです。こうした動きから、富裕層が旅に非日常や本物を求めていることが見えてきます。

オリエンタルランドの加賀見会長は、同社のトップメッセージとして次のように述べています。

「私たちは、“自由でみずみずしい発想”を原動力に夢、感動、喜び、やすらぎを提供することを企業使命としており、これは過去も未来も変わることはありません」

オリエンタルランドの本気の原動力を探ると、やはり、斬新な発想と想像力で夢を創造し続けてきたウォルト・ディズニーの精神にたどり着くように見えます。

「ディズニーランドは永遠に完成しない。世界に想像力がある限り、成長し続けるだろう」(ウォルト・ディズニー)

文・J PRIME編集部

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