GAFA
(画像=goodpics/stock.adobe.com)

GAFAと呼ばれる米巨大IT大手4社の2020年4~6月期の決算が、7月30日に発表されました。アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コムの3社は増収増益となり、新型コロナウイルス感染症が猛威をふるう逆風の中で収益力を証明しました。

この記事では、GAFAの決算から見えてきた、ウィズコロナもしくはアフターコロナにおける消費活動の世界的な方向性を展望します。

アルファベットは初の減収、他3社は増収増益

まず、2020年4~6月期の決算から、GAFA各社のビジネスの状況を見てみましょう。コロナ禍の影響を大きく受けた結果、事業によって明暗が分かれていることがわかります。

アルファベット(グーグル)

グーグルの親会社であるアルファベットは、新型コロナウイルス感染症の影響で企業の広告出稿が落ち込んだことから売上高が前年同期比2%減の382億9,700万ドル、純利益は30%減となり減収減益という結果でした。減収は2004年の上場以来はじめてです。一方で、アマゾンやマイクロソフトなどが先行し、グーグルが追い上げを見せているクラウド事業の売上は43%増と好調でした。

アップル

アップルは、売上高が前年同期比11%増の596億8500万ドル、純利益が12%増の112億5300万ドルで増収増益となりました。主力であるiPhoneの売り上げは2%増にとどまる一方で、タブレット端末であるiPadの販売が31%増と好調でした。リモートワークが進んだことや、中学や高校など教育現場を中心にリモート授業の導入が急増したことなどが理由です。8月19日には、時価総額が米民間企業としてはじめて2兆ドルを超える快挙を果たしました。

フェイスブック

フェイスブックは主力のインターネット広告事業を伸ばし、売上高を前年同期比11%増の186億8,700万ドルと順調に伸ばしました。前年同期に、米連邦取引委員会に科されたプライバシー侵害問題の制裁金50億ドルを計上していたこともあり、今期の純利益は98%増の51億7,800万ドルを記録しました。

アマゾン・ドット・コム

アマゾン・ドット・コム(アマゾン)はインターネット通販の需要増を取り込み、売上高は前年同期比で40%増の889億1,200万ドル、純利益も2倍の52億ドルに増えています。インターネット通販だけでなく、リモートワークの拡大で企業がデータの管理や就労環境をインターネットに移す動きを強めたことで、クラウド事業「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」の売上も3割ほど伸ばしました。

GAFAが共通して進めるのは「金融ビジネス」

4社の決算から、何が見えてくるでしょうか。1つはコロナ渦の影響によって、もともと進んでいた消費者や企業のデジタルシフトに拍車がかかっていることです。

ここで、もう少し中長期的な視点に立って眺めると、4社が共通して取り組んでいる分野の存在に気づきます。まだ収益は少ないものの、4社とも「金融事業」に注力しているのです。

2020年6月、アマゾンはゴールドマン・サックスと提携して、米国内の小売企業向けに融資を始めるとの報道がありました。2019年6月には、クレジットカードがなくとも現金で支払えるサービス「Amazon Cash」を開始しています。

フェイスブックも2020年6月、ブラジルでメッセージ交換サービスであるWhatsAppを使った決済や送金を試験的に開始するなど、新たな展開を仕掛けています。また2019年は6月に仮想通貨「リブラ」は2020年に発行すると発表、同年11月には「Facebook Pay」を発表しました。Facebook Payは米国で先行導入されています。

アップルは2020年6月、「Mac」「iPad」「Apple TV」などのアップル製品を、無利息の分割払いで購入できるプランをApple Cardユーザーを対象に提供する予定だと報じられました。Apple Cardユーザーは、これまでiPhoneのみ、無利息での分割払いで購入することができましたが、対象製品を拡大する見込みです。また、同年3月には、Apple Cardのプライバシー規約を更新し、提携している米ゴールドマン・サックスに提供する匿名データの範囲を拡大したとの報道がありました。

金融の在り方が再定義される

このように、GAFAはその絶対的な影響力を持ちながら、それぞれが金融事業を手掛けようとしているのです。なかでもアマゾンは2019年の通年売上高が約30兆円であり、金融サービスを手がけるのはむしろ自然な流れともいえます。

さらに興味深いのは、GAFAは決して従来通りの金融を目指しているのではなく、金融の在り方を再定義しようとしていることです。常に金融サービスが消費者のそば(もしくは手の中)にあり、必要なときに気軽に、すばやく使いこなすようなイメージです。

GAFAの各社が本気で取り組めば、金融はあっという間にディスラプションが起こるかもしれません。ウィズコロナ、アフターコロナという要因も併せて、消費生活がどう変わるのか、また既存の金融ビジネスを手がける企業にどのような影響があるのか注視しましょう。

文・J PRIME編集部

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